FCC: 放送局の変更受付を凍結
FCCは、2014年に予定されているテレビ放送帯域の返還、競売、再編成に備えて、フル出力局、それに低出力クラスA局からの伝送設備変更の申請受付を4月5日に凍結した。理由は、データベースを安定させ、再編成の方法を決定するためだ。しかし、NABはこの決定は業界の発展を無視した物で、一方的な設備更新の凍結は業界を混乱させるとして、撤回を求めている。
NABの心配を裏付けるように、放送局向けのアンテナ会社のDielectric社はFCCの発表の2週間後にその事業の閉鎖を発表した。Dielectricは70年の歴史を持つアメリカでは最も古参のアンテナメーカーで、2001年にSPX社の傘下に入っている。アンテナメーカーはデジタル移行で一時的に大きな売上があったが、ビジネスサイクルが急変した。アンテナの取替えは10年から20年のサイクルであり、デジタル移行から10年から20年間は売上が大きくと落ちる。頼るのは、設備更新であるが、これの凍結で、その市場機会もも無くなった。
TV Everywhereの勢力拡大
アメリカの放送シーズンの始まりは9月であり、5月に新番組のアナウンスがあり、広告スポンサー向けの会合が開かれる。このミーティングはUpfrontと呼ばれ、毎年、ニューヨーク市で開催される。Up frontとは先行の意味であり、シーズンが始まる前の広告の先行販売の為の会合である。NAB中の話題が新製品であるように、Upfront期間中の話題は新番組であるが、今年は違う。今年のUpfrontの話題はTV Everywhereであり、TVネットワークはTV Everywhereのコンセプトを本格的に受け入れた様である。
テレビネットワークはTV番組のインターネット配信でいかに収益を上げるかを模索してきた。Huluはその代表である。収入源の1つとして広告がある。しかし、広告だけで大きな収入を出すことは難しい。Huluも広告収入でスタートしたが、後に有料のHulu Plusを加えている。アメリカでは、多チャンネル放送加入者が85%以上おり、有料化は簡単に思えるが、そうではない。やはり、無料で放送されている地上波番組を有料で配信する事には抵抗がある。また、多チャンネルの番組をネットワークが有料配信した場合、多チャンネル事業者に競合する事になる。
Huluの今後
Huluを誰が購入するかは大きな話題である。ABCがその地上波放送をインターネットで同時再配信を開始した事で、Huluの売却は時間の問題となっている。Huluとの交渉を最近行った会社として、Yahoo、Guggenheim Partners、DirecTV、Time Warner Cable、AT&T等の名前が上がっている。DirecTV、その他2社が10億ドル以上の入札をしていると報じられている。Hulu売却のアドバイザーとして雇われてる、Guggenheim Partners自体もHulu買収の意思を示している。Yahooは、そのビデオポータルの拡張を行おうとしており、France TelecomからDailyMotionの70%を3億ドルで買う予定であったが、フランス政府の反対で駄目になっており、Huluを狙っている様だ。ケーブルTV事業者のTime Warner Cable(TWC)もHuluの100%ではないが、投資の交渉を行なっているとBloombergが報じている。AT&Tは、元News CorpのCOOでHuluの設立にもたずさわったPeter Chemin氏の投資会社と協力していう。
