NBCUniversal(NBCU)は2021年に多チャンネル向けのスポーツ専門ネットワークのNBCSNを終了したが、復帰を検討している。多チャンネルサービスの加入者は大きくと減っており、NBCU、それにWarner Brothers Discovery(WBD)は年内に多チャンネル向けネットワークを別会社としてスピンオフする。そのような環境の中、スポーツ専門チャンネルを新たに立ち上げるのは変だが、スポーツ視聴では事情が異なる。
Nielsenによると、6月のテレビ利用時間に占めるシェアはNetflix、Tubi等のストリーミングサービスが46%、多チャンネル向けネットワークは23.4%、地上波ネットワークが18.5%、その他が12.1%となっている。2023年6月での多チャンネル向けネットワークのシェアは30.6%であったので、2年で23%も落ちている。多チャンネルサービスを支えているのはスポーツコンテンツである。今年の秋には、最大のスポーツ専門チャンネルのESPNがストリーミングでも提供されることで、事情は少し変わるが、スポーツを見るためにはまだ、多チャンネルサービスが必要である。

NBCUはスポーツをストリーミングサービスのPeacockにシフトしたことで、Peacockの加入者を増やすのに成功している。しかし、多チャンネルサービスでのスポーツ中継を止めたのではない。試合のいくつかはNBCUの多チャンネル向け総合チャンネルのUSA Networkの独占放送になっている。
NBCUがスポーツチャンネルへのカムバックを検討している理由はNBAの契約を得たからである。NBAの放送権はこれまではDisney(ESPN)とWBDであったのが、今季から11年契約で、Disney、NBCU、それにAmazonの3社に移る。NBCUはNBC、Peacock、多チャンネル向けネットワークで試合を配信する予定である。Peacockの価格は$3値上げし、$11になる。しかし、NBAの権利金は高い。NBCUは毎年、NBAに$25億を支払うことになっている。主要な試合は地上波のNBCで放送し、広告で稼ぎ、他の試合はPeacockと多チャンネル向けネットワークで配信し、加入者料で稼ぐ予定である。
加入者は減っているとは言え、多チャンネルは使わずにPeacock独占にすることは無理である。スポーツファンの多くはまだ、多チャンネルサービス加入者であり、彼らを無視することは出来ない。既存のUSA Networkとその他のケーブルチャンネルでNBAの試合を放送することは出来るが、NBCUは22年ぶりにNBAの放送に戻ることになり、力を入れている。試合だけでなく、NBA関連のニュース、試合の分析などの関連番組も予定している。番組を複数のネットワークに分散するのではなく、NBAにフォーカスするネットワークを新たに作ることを検討している。
