Huluを誰が購入するかは大きな話題である。ABCがその地上波放送をインターネットで同時再配信を開始した事で、Huluの売却は時間の問題となっている。Huluとの交渉を最近行った会社として、Yahoo、Guggenheim Partners、DirecTV、Time Warner Cable、AT&T等の名前が上がっている。DirecTV、その他2社が10億ドル以上の入札をしていると報じられている。Hulu売却のアドバイザーとして雇われてる、Guggenheim Partners自体もHulu買収の意思を示している。Yahooは、そのビデオポータルの拡張を行おうとしており、France TelecomからDailyMotionの70%を3億ドルで買う予定であったが、フランス政府の反対で駄目になっており、Huluを狙っている様だ。ケーブルTV事業者のTime Warner Cable(TWC)もHuluの100%ではないが、投資の交渉を行なっているとBloombergが報じている。AT&Tは、元News CorpのCOOでHuluの設立にもたずさわったPeter Chemin氏の投資会社と協力していう。
誰がHuluを買うにしても、Huluのビジネスは大きくと変わることは必然的である。Huluのビジネスが成り立っているのは、そのパートナーであるDisney/ABC、NBCUniversal、Foxが番組を安く提供しているからである。3社がHuluを売りたい理由は、より良い収入になる方法を見つけたいからであり、新たなHuluのオーナーに市場価格より低い値段でコンテンツを提供し続ける必要は無い。Huluとパートナー3社のコンテンツ契約がいつ切れるかは不明だが、契約期限が来た時点で、現在、Amazon、Netflix等に提供しているのと同様な契約になる。また、独占契約も無くなる。
新しいオナーは、Huluのブランドを活かし、新しいビジネスモデルを探す必要がある。多分、無料(広告収入)の配信から、より有料サービス(Hulu Plus)への転換をする事になるであろう。Huluにはブランド価値があるが、それだけではビジネスにはならない。
このコンテンツ事業で重要なのはその流通チャンネルではなく、コンテンツ自体である。以前、サンフランシスコでは、NBC局はNBC保有ではなく、別会社が持つNBC加盟局であった。1999年に当時NBC加盟局であったKRONが売りに出、NBCがこれを買おうとしたが、Young Broadcastingが8.2億ドルと言う法外な値段で、これを奪っていった。さらに、Young Broadcastingは、NBCのコンテンツ以上にKRONの著名度に価値があると判断し、NBCと2001年末で切れる契約の更新をしなかった。NBCは2001年にサンフランシスコの別の局を2.3億ドルで買い、チャンネルを変えて放送を続けた。KRONは独立系局となり、シンジケートされている番組の放送をしていたが、視聴率は大きくと落ち、2008年にYoung Broadcastingは破綻した。
放送とインターネット事業では環境は違うが、コンテンツがもっと重要である事は変わらない。Huluが売却後に成功をするには、ABC、NBC、Foxのコンテンツには頼らない、新しい事業を展開して行かなければならない。Disney、Fox、NBCUniversalはすでにHulu売却後に備えて、広告契約を変えている。これまでは、ABC、Fox、NBCのテレビ番組のインターネットでの配信に関しては、Huluがその殆どの広告販売権を持っていたのが、新たな契約ではHuluの販売権利は10%に減る。すでにHuluが配信をしている番組に関してはHuluが広告販売権を持ち続けるが、新しい番組ではABC、Fox、NBCそれぞれが、90%の広告販売権を持つ。
