音量の高い広告を無くす事を目的としてCommercial Advertisement Loudness Mitigation(CALM)法は2010年9月に通過し、規制作りが行われ、2012年12月から規制がスタートした。番組と広告の音量を同じにするガイドラインは2011年12月に出来、1年の余裕を持ち、執行が始まった。現時点では、罰則は無いが、FCCによると音量の高い広告に対する苦情の数は3,501件で、昨年の同じ期間と比べて50%減少している。
TV Everywhereの普及
テレビ番組をインターネットで配信する場合、その利用可能者を多チャンネルサービスの加入者に限定し、多チャンネル事業者からライセンス料を得ると言うTV EverywhereのコンセプトはTime Warnerが2009年に提案した。TV Everywhereに対する支持は多いが、4年経ってもまだ「Everywhere」にはなっていない。時間がかかるのには理由がある。TV Everywhereが実現するには、テレビネットワーク(コンテンツ事業者)と多チャンネル事業者がライセンス料に合意する必要がある。ネットワークと多チャンネル事業者の配信契約は、2年~3年単位である。TV Everywhereを提供する為に契約の書き換えをしない限り、TV Everywhereが契約に加わるのは契約更新時になる。
TV Everywhereの交渉において、ライセンス料も重要だが、提供の方法も問題になる。多チャンネル事業者は、自社でポータルを持ち、そこでコンテンツの配信を行う事を望む。配信料を払うのであれば、自社のブランドを使って提供をしたいと思う。逆に、テレビネットワークは、HBO Go、Watch Disney等の様に自社のブランドを使った配信の方法を進めている。
後者の方法でTV Everywhereをする場合、利用者の認証方法を確立する必要がある。利用者は、テレビネットワークのTV Everywhereのサイトに行き、加入している多チャンネルサービスのIDとパスワードを入力する。TV Everywhereのサイトと多チャンネル事業者のサーバー間でこの認証を行う事を方法を確立する必要がある。
TV Everywhereの普及には時間がかかっているが、進歩はしている。殆どの多チャンネル事業者は、いくつかのネットワークとTV Everywhereの契約があり、殆どのネットワークは、いくつかの多チャンネル事業者と契約がある。大手テレビネットワークの中では唯一、TV Everywhereの契約をしていなかったDiscoveryもついに11月にTime Warner Cableと最初のTVの Everywhereの契約をした。
また、DirecTVはそのポータルで100以上のネットワークの放送をライブで再配信する事を発表した。DirecTVはHBO等の一部のネットワークの番組をオンデマンドで配信して来たが、新たなサービスでは、放送と同じ番組の視聴が可能になる。DirecTVは、有料チャンネルのHBO、Starz!を含む、30チャンネルを家庭外からでも視聴可能にしている。他のチャンネルの視聴は、加入世帯の宅内に限定されている。
NielsenとComcastのVOD広告試験
ComcastとNielsenはテレビ番組のVOD配信における広告モデルの調査を行う。ケーブルTVで広告ベースのVODが提供されているが、大きな広告市場にはなっていない。VODで放送翌日から配信される番組の殆どは放送の数日後に消費されるが、放送で行われているような視聴統計は無く、価値は低い。もし、どのようにVODが利用されているかが明確でその視聴統計が提供されていれば、広告価値は増す可能性があり、ComcastはNielsenとの共同で2014年第1四半期にテストを実施する。ComcastとNielsenがテストする内容には放送から3日以後にオンデマンドで配信される番組の広告効果、それにVODで配信される番組に放送と同じ数の広告を挿入する可能性が含まれる。
テレビ番組の広告価値は放送時には高いが、放送後は暴落する。多くのスポンサーは放送時の視聴率を見るが、放送後のタイムシフト、あるはオンデマンド視聴統計は無視している。多チャンネル事業者は、TV番組も映画同様に有料VODで提供をしようとしたが成功をしていない。Digital Entertainment Groupによると、トランザクション型のVOD市場規模は第3四半期で4.68億ドルで、前年同期から3%の成長でしかない。
少ない多チャンネルのVOD利用
コンテンツ・ディスカバリーのソリューションを提供しているDigitlsmiths社によると2013年第3四半期に多チャンネルサービス事業者のトランザクショナル(有料)VODを利用した人は(3,177人対象)27.1%で、第1四半期の21.5%より減少をしている。利用している27.1%の半分(13.1%)は月に1本レンタルしただけである。これに対して、48.2%は有料のサブスクリプション型VODに加入している(41.7%はNetflix)。また、Amazon、iTunes等のインターネットベースのトランザクショナルVODの利用は20%程度ある。最も利用が多いのはAmazonで8.9%が利用ている。iTunesは7.2%で2位であった。物理的なDVDのレンタルもあり、16.5%はRedboxのキオスクを使っていると答えている
なぜ、多チャンネルサービスのトランザクショナルVODより、他のサービスを使うのか? 一番の理由は、便利さである。Redboxのキオスクを使っている人の61.4%は便利だから使っていると答えている。VODの方が便利そうだが、これは習慣から来る答えであろう。2位は値段が安いとなっている。ビデオを見つけやすいは30.2%で5位に入っている。回答者の25.7%は多チャンネルサービスのVODの検索は困難だと答えている。もう1つ重要な事は、マルチデバイス(タブレット、スマートフォン)のサポートである。多チャンネル事業者の殆どのVODはSTB経由であり、他のデバイスをサポートしていない。
![ImageCapture[12-06-2013-2]](https://www.nsirinc.com/compass/wp-content/uploads/2013/12/ImageCapture12-06-2013-2.jpg)
Digitalsmiths
Blockbuster店舗閉鎖
DISH Network社はビデオレンタルチェーンのBlockbusterの全店舗、それに郵便レンタルのセンターを2014年1月までに閉鎖する。DISH NetworkはBlockbusterを2011年に3.2億ドルで購入している。DISHは購入以来すでに800以上の店舗を閉鎖し、残りは全米で300店舗になっている。一時は、Blockbusterは8,000店以上を持っていた。DISHは、BlockbusterのVODサービスのBlockbuster on Demand、DISH加入者向けストリーミングサービスのBlockbuster@Homeの提供は引き続き行う。
