ABI Research社のレポートによると、エンコーダー/トランスコーダーの市場は2017年に15億ドルに達する。市場の成長を支えているのは、TV Everywhereを含めたSVOD市場で、TV、PC、タブレット、スマートフォン等のマルチスクリーンを対象にしたサービスが進むことでエンコーダー/トランスコーダーの需要が伸びている。特に、HBOのHBO GO、DisneyのWatchESPN等の様にコンテンツ事業者が自らインターネットでビデオを配信する事が増え、新たなマーケットが誕生している。コンテンツ事業者へのエンコーダー/トランスコーダーの販売は現在11%のシェアを占めているのが、2017年には17%に成長するとABIは予想している。
AereoとFilmOnの争い
Aereoはニューヨーク、FilmOnはロサンジェルスで、それぞれ地上波をインターネットで配信するサービスを提供している。共に、加入者の数以上の超小型のアンテナを使ったアンテナアレイを採用する事で、マスターアンテナを使った共聴ではなく、サービスは合法だと主張している。しかし、両者ともに、著作権違法で地上波ネットワークから訴えられている。
しかし、FilmOnとAereoは同じ敵を持つ味方では無く、お互いにも争いをしている。FilmOnは、最初にAereoと同様なサービスを計画した時点で、これをBarryDiller.comと名付けた。バリー・ディラーはAereoのオーナーであり、即にこの名称の利用停止を求めてFilmOnを訴えた。これに対して、FilmOnはそのサービス名をAereoKillerと変えた。当然、Aereoはこれに対しても利用停止を求めた訴訟を起こした。
テレビの視聴動向
2012年第3四半期のテレビ視聴動向がNielsenから公開された。減少傾向にあったテレビの視聴時間は増え、前年同期から0.9%の増加をした。インターネットでのビデオ視聴は、前年同期から36.9%と大きく増えたが、DVD/Blu-rayの視聴時間は16.1%の減少をしている。
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月間平均視聴(利用)時間 |
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12年3Q |
12年2Q |
11年3Q |
前年比 |
前年差 |
| テレビ放送 |
148:03 |
144:54 |
146:45 |
0.9% |
1:18 |
| タイムシフト視聴 |
11:30 |
11:33 |
10:51 |
6.0% |
0:39 |
| DVD/B-Rディスク |
5:17 |
5:13 |
6:18 |
-16.1% |
-1:01 |
| ゲームコンソール |
6:38 |
6:26 |
6:15 |
-3.2% |
-0:13 |
| インターネット |
28:58 |
28:29 |
28:33 |
1.5% |
0:25 |
| インターネットビデオ |
6:59 |
5:51 |
5:06 |
36.9% |
1:53 |
| モバイルビデオ |
5:25 |
5:20 |
4:47 |
25% |
1:05 |
Nielsen
ABCのTV Everywhere計画
Disneyはその多チャンネルネットワークではTV Everywhere化を進めてきた。すでに、Watch ESPN、Watch DisneyChannel、Watch DisneyXDのサイトを立ち上げ、そこでの番組配信は多チャンネルサービス加入者だけが対象になっている。Foxはすでにその地上波放送のFoxの番組にもTV Everywhereのコンセプトを取り入れ始めている。同じHuluの仲間であるDisneyは、地上波放送放送のABCの番組をどの様に配信していくのかが関心を集めている。
DisneyはそのABC加盟局との会議で、ABCの番組をオンラインで提供する新しいコンセプトを発表した。この計画では、DisneyはABCの番組を配信するサイト(アプリ)を提供するが、独自でのサービス提供は行わず、加盟局がそのブランドで配信を行う事が出来る。ABCはコンテンツ、それにアプリを含めた配信インフラを加盟局に提供し、加盟局はABCに対してライセンス料を払うことでWatch KMGH等、自社のコールサインを入れたブランド名を付け、サービスの提供をする。オンラインでの視聴可能地域は、地上波の視聴地域と同じになる。
IntelのOTT-Vサービス
今年のCESの直前に、IntelがCESに於いてOTTのビデオサービスを開始するとの発表を行うとの噂が流れた。Intelはそのような発表は行わなかったが、噂はデタラメでは無く、Intelは数年前かからその計画は進めてきた。詳細は発表されていないが、Intelは2月にOTT-Vサービスの計画を進めており、2013年中にスタートの予定である事を明らかにした。このサービスはIntel Mediaと呼ばれている部門が進めている。Intel Mediaのジェネラル・マネージャーは、BCCでiPlayerの開発に関わっていたエリック・ハガーズで、他にApple、Google、Netflix等からエグゼクティブが雇っている。
Intel MediaはApple TVを意思している。狙っているのは、Appleと同様にハードウェア(STB)とメディアサービスのバンドルである。AppleのiTunesはオンデマンドだけで、リニアな放送をリプレースするものではないが、Intel Mediaのサービスは「チャンネル」のコンセプトを使い、既存の多チャンネルサービスをリプレースする事を狙っている。しかし、Appleはサブスクリプション型のサービスを無視してきた訳でない。Appleもサブスクリプション型のサービスを提供する為にコンテンツ事業者との交渉はしてきたが、合意に達していない。コンテンツ事業者は既存のビジネス(多チャンネルサービス)を破壊する事を恐れ、OTT-Vで最新のコンテンツを提供するサブスクリプション型のサービスには積極的ではない。Intel Mediaの交渉も容易には進まないと思われる。
