AereoとFilmOnの争い

Aereoはニューヨーク、FilmOnはロサンジェルスで、それぞれ地上波をインターネットで配信するサービスを提供している。共に、加入者の数以上の超小型のアンテナを使ったアンテナアレイを採用する事で、マスターアンテナを使った共聴ではなく、サービスは合法だと主張している。しかし、両者ともに、著作権違法で地上波ネットワークから訴えられている。

しかし、FilmOnとAereoは同じ敵を持つ味方では無く、お互いにも争いをしている。FilmOnは、最初にAereoと同様なサービスを計画した時点で、これをBarryDiller.comと名付けた。バリー・ディラーはAereoのオーナーであり、即にこの名称の利用停止を求めてFilmOnを訴えた。これに対して、FilmOnはそのサービス名をAereoKillerと変えた。当然、Aereoはこれに対しても利用停止を求めた訴訟を起こした。

最近、今度はFilmOnがAereoのブランド名の利用停止を求めた訴訟を起こした。訴えによると、FilmOnは、「Aero」と言うトレードマークを持ち、「Aereo」はそれに類似しており、利用の停止を求めている。FilmOnは、Aereoの前身であるBamboom Labs社がその社名をAereoに変えた以前に、Hauppauge社のWindows PC向けの小型TVアンテナを「Win-TV-Aero-m」の名称で発売していた。Hauppauge社は、Aeroの名称をFilmOnに譲渡している。FilmOnは、Win-TV-Aero-mが築いたブランド名を不当に利用する目的で、Aereoの名称が選ばれたとして訴えている。

AereoとFilmOnの争いは、彼らを訴えているABC、CBS、Fox、NBCに味方をする。Aereoはニューヨークの地域裁判所に於いてサービス停止に対する訴えで勝っている。ニューヨーク裁判所は、CablevisionのネットワークDVRを合法を判断しており、このサービスも同様とした。これに対して、ロサンジェルス地域裁判所は、地上波放送局に味方し、サービスの停止を命じているが、FilmOnはこれを控訴している。AereoとFilmOnが協力をし、その資源をまとめると、地上波ネットワークは戦いにくくなり、お互いに喧嘩している方が好都合である。

Aereoのオーナーのバリー・ディラー氏は、第4のネットワークとしてFoxが成功をした事に貢献した人物である。FilmOnのオーナーのアルキ・デイビッド氏は、エキセントリックな事で知られる人であり、彼らが協力をする可能性は少ない。このサービスが合法であるかは、業界の大きな話題だが、AereoとFilmOnの喧嘩も娯楽性がある話題として注目を得ている。
Aereo、FilmOn共にそのサービスの拡大を始めている。FilmOnは2月にロンドンで地上波放送の再送信を開始した。Aereoは、そのニューヨーク市でのサービスをこれまでのマンハッタンだけでなく郊外にも拡大し、人口1900万人を対象にする。また、ニュージャージ、コネチカット、ペンシルバニアにもサービスを拡大し始めている。Aereoは1月に、年内には22都市でサービスを提供すると発表している。