Comcast、NBCUniversal、HBOが投資をしているセカンドスクリーン・アプリのZeeboxはDigitalsmithsのパーソナライゼーション機能を採用する。これにより、Zeeboxは、「Recommended for You」、それに現在視聴している番組を基に別の番組をレコメンドする「Similar Shows」の機能が追加される。Comcastはその新しいインタフェースのX2で、Zeeboxの機能を統合し、より高度なレコメンデーション機能を可能にすると発表している。DigitalsmithsはCisco、Technicolor等の会社からの投資を受け、Time Warner Cable等にそのコンテンツ・ディスカバリー・ソルーションを提供しており、Jinni、ThinkAnalytics等と競合する。
ケーブルとストリーミングの共存
先月号で、ストリーミングメディア・プレーヤによるケーブルTVとの共存のトレンドに関して書いたが、ケーブルTV事業者も自社で提供するSTBからストリーミングされるビデオコンテンツへのアクセスを可能にする事に関心を見せている。Comcastの次世代STBのレファレンス・デザイン(RDK)は、QAMとIPのハイブリッドであり、Pace等のメーカーはComcast RDKに基づき、インターネットのストリーミング・コンテンツも再生可能なSTBを開発している。しかし、このソリューションでは、STBの交換が必要である。Roviは、既存のSTBからでもIPベースのコンテンツへのアクセスを可能にするソリューションを発表した。Roviの製品は、Microsoft Xbox Oneと同様にHDMIで、STBとTVの間に入り、入力切り替えをする事無く、IPベースのコンテンツをTVに表示する事が出来る。この製品は、独自のUIを持ち、インターネットのコンテンツの操作をするだけでなく、STBの操作をする事も出来る。
また、LGもNCTA開催のCable Showで7つのタイプのSTBを展示した。製品はケーブルTV市場を意識したものだが、QAMチューナ、CableCARDは搭載していなく、ComcastのXG1等のIPへのトランスコードが出来るゲートウェイと共に使われる事でケーブルTVとインターネットビデオの共存を可能にしている。製品にはGoogle TVを搭載したIPTV STB、LG独自のNetCastを採用したDLNA対応のSTB、4K対応のSTB等が含まれる。
SamsungがBoxeeを買収
Samsungはストリーミング・メディア・プレーヤのBoxeeを約3000万ドルで買収した。Boxeeはニューヨーク市にオフィスを持ち、R&Dはイスラエルにあり、約40人の従業員がいる。Boxeeはオープンソースのメディアセンター・インタフェースのXMBCをベースにしたソフトウェアをPC向けに2010年1月に無料で提供を始め、2010年11月にBoxeeソフトウェアを搭載したBoxee Boxの販売を開始した。Boxee Boxは、見やすいインタフェース、ソーシャル機能、豊富なアプリ等の機能で話題になったが、高価($200)であり、成功はしなかった。Boxeeは次に、Netflix等のアクセスに加え、デジタル地上波チューナを内蔵したBoxee TV($99)を発売した。Boxee TVはクラウドDVRの機能があり、$10で番組を録画し、録画したコンテンツは、Boxee TV以外にスマートフォン、タブレット、PCからも再生出来る。
しかし、Samsungが求めているのは、クラウドDVRのサービスでも、Boxeeのハードウェアデモなく、Boxeeのソフトウェア技術である。買収とともにSamsungはBoxeeのクラウドDVRのサービスを7月10日で停止する事を発表した。Boxee TVの販売は続く様だが、これも在庫整理で、新たな生産は行われない様である。Boxee Box、Boxee TV共にDLink社が製造をして来た。
FCC: 放送局の変更受付を凍結
FCCは、2014年に予定されているテレビ放送帯域の返還、競売、再編成に備えて、フル出力局、それに低出力クラスA局からの伝送設備変更の申請受付を4月5日に凍結した。理由は、データベースを安定させ、再編成の方法を決定するためだ。しかし、NABはこの決定は業界の発展を無視した物で、一方的な設備更新の凍結は業界を混乱させるとして、撤回を求めている。
NABの心配を裏付けるように、放送局向けのアンテナ会社のDielectric社はFCCの発表の2週間後にその事業の閉鎖を発表した。Dielectricは70年の歴史を持つアメリカでは最も古参のアンテナメーカーで、2001年にSPX社の傘下に入っている。アンテナメーカーはデジタル移行で一時的に大きな売上があったが、ビジネスサイクルが急変した。アンテナの取替えは10年から20年のサイクルであり、デジタル移行から10年から20年間は売上が大きくと落ちる。頼るのは、設備更新であるが、これの凍結で、その市場機会もも無くなった。
TV Everywhereの勢力拡大
アメリカの放送シーズンの始まりは9月であり、5月に新番組のアナウンスがあり、広告スポンサー向けの会合が開かれる。このミーティングはUpfrontと呼ばれ、毎年、ニューヨーク市で開催される。Up frontとは先行の意味であり、シーズンが始まる前の広告の先行販売の為の会合である。NAB中の話題が新製品であるように、Upfront期間中の話題は新番組であるが、今年は違う。今年のUpfrontの話題はTV Everywhereであり、TVネットワークはTV Everywhereのコンセプトを本格的に受け入れた様である。
テレビネットワークはTV番組のインターネット配信でいかに収益を上げるかを模索してきた。Huluはその代表である。収入源の1つとして広告がある。しかし、広告だけで大きな収入を出すことは難しい。Huluも広告収入でスタートしたが、後に有料のHulu Plusを加えている。アメリカでは、多チャンネル放送加入者が85%以上おり、有料化は簡単に思えるが、そうではない。やはり、無料で放送されている地上波番組を有料で配信する事には抵抗がある。また、多チャンネルの番組をネットワークが有料配信した場合、多チャンネル事業者に競合する事になる。
