多チャンネルTV広告への期待

広告市場を調査しているNielsen Monitor-Plusによると、不況を受け、2008年前半の広告市場規模は前年比で1.4%減少した。TV広告全体はほぼ横ばいであったが、地上波ネットワークの広告は6%の減少をした。TV広告の中で大きく増えたのはケーブル(多チャンネル)ネットワークで、8.1%の増加をした。シンジケートされているTV番組に対する広告も7.2%と増え、スペイン語番組の広告も4.5%の増加をした。ケーブルTVを含めた多チャンネルサービスの広告の増加は継続しているトレンドであり、注目されている。ケーブルTV業界はその広告プラットフォームを最先端な物にする為に、Canoe Ventureと呼ばれる会社を設立している(2008年7月「Microsoft社のNAVIC買収の背景」参照)。
オンデマンドの広告挿入システムとしてCanoe Ventureが買収する事を狙っていたとされる、NAVIC社をさらっていった、Microsoftは電話事業者が採用しているIPTVサービス向けの広告プラットフォームとして、Mediaroom Advertising Platformを発表した。Mediaroom Advertising PlatformはCanoe Ventureが計画している個別のSTBに異なるインタラクティブな広告を送るシステムと同様に、IPTVのSTB、あるいは他のIPベースのデバイスに対して、ターゲット可能で、インタラクティブな広告を送り、その応答をトラックする事が出来る。この広告システムはMicrosoftのIPTVプラットフォーム上で走り、広告挿入のスケジュールを管理するキャンペーン・マネジャー、それに誰にどの広告を送るかを判断する知能エンジンで構成されている。システムはMicrosoft社が買収したaQuantive社とNAVIC社の技術がベースになっている。MicrosoftのMediaroomはAT&T、British Telecom、Deutsche Telecom等が採用しており、この広告システムは2009年に出荷の予定。
Microsoftが絡んでいるなら、当然、Googleも動いている。Googleは2007年5月からDBS事業者のDISH Networkと契約し、そのスポット広告の一部をオークション方式のGoogle TV Adsで販売を始めている(2007年4月「GoogleがTV広告事業を開始」参照)。さらに、Googleはこの9月にNBCの多チャンネルTVネットワークのSci Fi、Oxygen、MSNBC、CNBC、Sleuth、Chillerの広告の販売をする契約をした。NBCはこれらチャンネルでの広告販売の結果が良ければ、より視聴率の高い多チャンネルネットワークのUSA Networkの広告もGoogle TV Adsで販売し、さらに地上波ネットワークのNBC自体の広告も取り扱わせる予定である。広告はウェブベースで販売され、広告主は直接に特定したキーワードにマッチする番組を探し、その広告時間を購入する事が出来る。これにより、広告エージェンシーを使わずに、誰でもが広告時間を買うことが可能になる。GoogleはそのTV広告部門に元NBCのエクゼキュティブを引き抜いている。
また、多チャンネルネットワークのBloomberg TVもGoogle TV Adsと契約をした事を発表している。

FCC: デジタル再送信義務の免除を発表

FCCは2009年2月17日のアナログ停波後、ケーブルTV事業者の再送信義務は放送局のデジタル放送に加え、アナログサービスを引き続き提供する場合は、DTV放送をアナログ変換してでの2重の再送信を義務化した。(2008年3月「デュアル・マストキャリーに対する訴訟」)しかし、小規模のケーブルTV事業者を代表するAmerican Cable Association(ACA)は、これは帯域の少ない事業者では対応不可能と反対していた。FCCは小事業者に対する免除策を約束していたが、これを今回発表した。
FCCは小規模ケーブルTV事業者を加入世帯2,500以下で、大手ケーブル事業者の系列下では無いシステム、あるいは帯域が552 MHz以下のシステムとし、これらシステムではHD放送の再送信義務は免除し、デジタルSD、あるいはアナログへのダウンコンバートで再送信義務を果たした事に見なすと発表した。また、FCCはシステムの規模にかかわらず、HDで再送信を行った場合でも、もしシステム内に、HD対応のSTBを持たない世帯が存在する場合、同時にデジタルSD、あるいはアナログでの再送信は必要とする事を再確認した。しかし、デジタルSDとアナログは同じ解像度の放送であり、同等と見なされ、SD解像度の放送をデジタルとアナログの両方で再送信する義務は無いことを明らかにした。これにより、危惧されたHD、SD、アナログでの3重の再送義務が起きる可能性は無くなった。

Google: ホワイトスペースのテストはインチキ

TV放送の空きスペースをライセンス無しで使えるようにする事を議会、FCCに対してロビーしているGoogleの共同設立者のラリー・ペイジ氏は、8月に行われたFCCのホワイトスペースのテスト(2008年9月「ホワイトスペースのテストが完了」参照)は、失敗をさせる為のインチキなテストであったと発言した。Googleのスポークスマンによると、8月9日と12日に行われたテストで、試されたデバイスが無線マイクロフォンの利用を感知する事が出来なかったのは、無線マイクロフォンが地元の放送局と同じ帯域を使い「隠し」、最初から感知不可能なようにしていたと発表した。

DVRは27%の世帯に普及

Leichtman Research Group社の発表によるとDVRの普及はこの2年間で倍増し、TV視聴世帯の27%に達している。DVRユーザの満足度は高く、81%は10点満点中の8点以上を与え、45%は満点の10点を付けている。しかし、以外とDVRの利用はそれほどで高くはない。TV番組を放送時間中より、DVRで録画して見ている方が多いと答えたのはDVR利用者の35%であった。

映画・ビデオ出資の81%はDVD

NPD社のEntertainment Trends in Americaによると、消費者が映画、ビデオに使う金の41%はDVDでの映画の購入、11%はDVDでのTV番組の購入、29%はDVDのレンタルで、合計81%がDVDに使われている。残りの18%は映画の切符で、0.5%はインターネットからのダウンロードであった。この統計には有料TVの視聴料、VOD等は含まれていない。また、過去3ヶ月間で映画をいかにして鑑賞したかの質問に対しては67%が保有しているDVDを見たと答えた。その他はVODが18%、8%がポータブル端末、6%がファイルシェアからのダウンロード、2%が有料ダウンロードであった。