Tribune破産のインパクト

12月のTribune社の会社更正法の適用はシンジケーション市場に大きなインパクトを与え始めている。これら破産により、Disney-ABC Domestic Televisionは6000万ドル、Warner Brothers Televisionは3000万ドル、Fox Televisionは1000万ドルの償却を行う可能性がある。

Tribune社は23局を持ち、視聴世帯のカバー率では27.5%(UHF局のカバー率を50%としたFCCの公式での計算)で、全米5位の放送局会社である。Tribuneの殆どの放送局はABC、NBC等の4大ネットワークには属さない局である。その殆どはCW系(CBSとTime Warnerのジョイントベンチャー)の局である。CWは準ネットワークであり、番組表の全て埋めるプログラミングを提供しいなく、放送局はシンジケーターから残りのプログラミングを購入する必要がある。

シンジケーション市場はこれまで、大手ネットワークが放送した番組が主であったが、ここ数年でオリジナル番組の提供が増えている。4大ネットワーク以外の局は再放送番組の放送をしているだけでは視聴率を増やすことは出来なく、オリジナル番組を求め始める。Disney-ABC等の会社はシンジケーション向けのオリジナルドラマの制作を行ってきた。しかし、同然オリジナル番組は再放送番組の購入より、高価になる。これにより、視聴率が増し、広告収入が増えれば良いが、そうではないと放送局の収益性は悪くなる。不況が進み、広告収入が減る中、オリジナル番組をシンジケーションするビジネスモデルは難しくなっている。Tribune社の破産の7ヶ月前の2008年5月に、やはりCW系のPapas Telecastingが破産をしている。

Sirius XMをめぐる争い

衛星ラジオ事業者の資産を安く手に入れようとしたDISHの計画をDirecTVの親会社のLiberty Mediaが阻止した。

Siriusは加入者数を増やすことには成功をしているが、赤字を出し続けてきた。2008年に競合のXMと合併する事で、問題から脱出するかに見えた。しかし、景気の不振、特に衛星ラジオの最大の市場である、自動車の不振は大きな打撃を与えた。DISH NetworkのCEO、チャールス・エルゲンは、このSirius XM社の3億ドル分の債務を安く手に入れていた。エルゲンはSirius XM社に会社更生法の適用を受けさせ、そこに投資を行うことでSirius XM社の資産を手に入れる事を企んでいた。

Sirius XM社は衛星に加え、ハイウェーをカバーするための地上リピーター設備を持っている。これを得ることで、DISHは衛星ラジオのサービスを得る事が出来るだけでなく、今後、モバイルTVのサービスを提供していく上でのインフラストラクチャー、それに自動車会社との強い関係を得ることが出来る。

この企みは成功するかと思えたが、土壇場でDISH Networkの最大の競合である、DirecTVの親会社のLiberty Mediaがこれを阻止をした。Liberty MediaはSirius XM社に対して$5.3億の投資をし、Sirius XMの株の40%相当の1250万枚を得ると共に、取締役会の席の40%を得た。

FCC: コンテンツ制限技術の調査開始

2007年に通過したChild Safety Viewing Actは2008年から有効になった。この法にはFCCに対して、テレビだけでなく、DVR、VOD、インターネット、モバイル等の様々な技術を対象とした、子供向けでは無いコンテンツの制限を可能にする技術の調査を開始し、その報告を8月29日までに議会に行うことが盛り込まれている。FCCは3月3日に関連事業者、ベンダーに対して、開発、検討しているコンテンツ制限技術の概要を求める通知を出した。

現在、TV向けにはVチップがあり、全てのTVに導入がされている、その利用は非常に少なく、FCCの調査では殆どのTV視聴者はVチップの事を知っていない。

TVの視聴時間が増える

2008年第4四半期の家庭におけるTVの月間平均視聴時間は前年同期より5:13時間増え、151時間3分に達した。TVの視聴時間が増えただでなく、タイムシフトTV、インターネットビデオ、モバイルビデオの視聴時間も全て増えている。年齢別で見ると、TVの視聴は65歳以上が最も多い。インターネットビデオの視聴は18歳から24歳が多く、モバイルビデオの視聴は13歳から17歳が多い。

月間平均ビデオ視聴時間

08年4Q

08年3Q

07年4Q

成長率

家でのTV視聴時間

151:03

140:48

145:49

3.6%

タイムシフトTV視聴時間

7:11

6:27

5:24

33.0%

インターネット利用時間

27:04

27:18

26:08

3.6%

インターネットビデオ視聴時間

2:53

2:31

–

–

モバイルビデオ視聴時間

3:42

3:37

–

–

年齢別月間平均ビデオ視聴時間

2-11才

12-17才

18-24才

25-34才

35-44才

45-54才

55-94才

65+才

TV

105:37

103:48

118:28

142:28

147:21

173:00

190:40

207:29

タイムシフトTV

5:11

4:24

5:01

10:50

9:44

8:31

7:54

3:58

インターネット

5:19

11:27

13:00

18:15

38:40

37:06

33:39

26:29

インターネットビデオ

1:49

2:49

5:03

4:14

3:20

2:34

1:34

1:08

モバイルビデオ

–

6:381

2:53

3:42

3:37

2:53

2:10

–

1: この統計は13~17才

The Nielsen Company

SHVERA法の更新

DBS業界での重要な規制としてSHVERA(Satellite Home Viewer Extension and Reauthorization Act of 2004)がある。SHVERAはケーブルTV業界におけるマストキャリー法と同様にDBS業界における地上波再送信を規制している。マストキャリーはケーブルTV事業者に対して、地上波局の再送信を義務付けているのに対して、SHVERAはDBS事業者に対して、1つでも地上波局を再送信した地域で、その区域の全局を再送信する事と命じている。再送信はマストキャリーでは義務であるが、SHVERAではオプションであり、行わない事も出来る。しかし、1局でも再送信をした場合、その区域全局の再送信義務が起きる。このコンセプトは、「Carry One, Carry All」として知られている。2009年はSHVERAは見直しの年であり、議会で聴聞が開始されている。