VerismoのVuNow

ケーブルTV事業者の共同R&D組織のCableLabsが2009年2月に開催したTechnology Forum 2009には、ケーブルTV事業者にアピールしたいと考える10社が参加した。参加企業の内、最大の評価を得たのはVerismo社のVuNowであった。VuNowはYouTube等のインターネットビデオ、BitTorrentを使ったビデオのダウンロード、CinemaNowのVOD、家庭内のPC、NAS等にあるビデオファイルをテレビで視聴する事を可能にする、手のひら大の小型のSTBである。Verismoは自社で製品を販売する以外、OEM、あるいはその技術をライセンスする予定である。ケーブルTV事業者がVuNowをどの様にそのサービスに組む込むかは不明。VuNowはSDとHDのモデルがあり、SD版は$99、HD版は$149で発売される。

CropperCapture[6]

TiVo: 611,000の加入者ロス

TiVoは2008年で611,000の加入者を失い、2008年末の合計加入者数は330万であった。TiVoはそのサービスをComastとCox経由で売る契約をしているが、まだ、その効果は表れていない。TiVoはComcastのニューイングランド地域で本格的にサービスの販売が始まっており、Comcastのシカゴでもサービスが開始すると発表している。TiVoのサービスはDVRサービス料金、プラス月額$2.95だが、ニューイングランド地域ではComcastはHD、トリプルプレーの両方に加入したユーザに対して月額$9.95のDVRオプションに無料でTiVoサービスを加えている。

TiVoの1月31日締めの2008年度売上げは2.497億ドルで、前年比8%減であった。収益は1.036億ドルであった。

TiVoはケーブルTV事業者との関係を強めるためにSeaChangeとの協力を発表した。この協力により、TiVoはOCPA/tue2wayの導入無しで、TiVoを使い、ケーブルTV事業者の提供しているVODにアクセスする事を可能にする。

スマートフォンへの注目

Nielsen Mobileは2008年第3四半期に前期より14%多い、1030万のユーザが携帯電話でビデオを視聴したと報告している。しかし、これら視聴の多くはMediaFLOでも、携帯電話事業者が提供しているモバイルビデオでもなく、インターネット対応の携帯電話を使ったYouTube等のウェブサイト経由でのアクセスである。中でも特にiPhone利用者のビデオアクセスが多く、Nielsen MobileはiPhoneのユーザは平均的な携帯電話の利用者より、10倍多くのビデオを視聴していると報告している。

TVネットワークはこのトレンドに大きな関心を寄せている。MediaFLO、あるいは携帯電話事業者のビデオサービス向けにコンテンツを配信するより、IPhone等のスマートフォン向けの映像配信のウェブサイトを提供する方が効率が高い可能性がある。NBC Universalはスマートフォンの利用者は携帯電話ユーザの10%でしかないが、モバイルコンテンツのアクセスに関しては60%のシェアがあると発表している。さらに、MTV等はそのウェブサイトをスマートフォン対応にするだけでなく、iTunesストアで$1.99の「SpongeBob Ticker」の様なTVキャラクターを使ったアプリケーションの提供も始めている。

トップ4キャリア

2008年末の時点でのトップキャリアは、売上げ115億ドル、加入者数7700万のAT&Tであった。しかし、2位のVerizonは5位のAlltelを1月に正式に買収しており、現時点では加入者数8370でトップになっている。

2008年モバイルキャリアトップ4

加入者数

モバイル売上げ

モバイルデータ
売上げ

モバイル収益
AT&T

7700万

115億ドル

31億ドル

27億ドル

Verizon

7210万

111億ドル

32億ドル

35.7億ドル

Sprint

4930万

65.5億ドル

–

-18.2億ドル

T-Mobile

3280万

49億ドル

9億ドル

4.83億ドル

各社

期待されるZillionTV

TVに向けたインターネットビデオのサービス、あるいはそのハードウェアにはVudu、Netflix、Amazon、AppleTV、Roku、Microsoft Xbox等数多くの会社が参入しているが、まだ勝者は明らかになっていないが、成功の可能性が高いと予想される会社が登場した。ZillionTVは低価格で、Rokuの様なインターネットでのストリーミング放送をTVで視聴するデバイスを販売し、それに対して広告付きの無料のコンテンツ、あるいは有料のVODを配信する。ZillionTVのコンテンツの配信はインターネットを使うが、通常のストリーミングとは異なる。パートナーとなるISPはZilllionTVのサーバーをそれぞれ設置し、配信を行う。エンドユーザへの配信にはDSL、ケーブルモデム等のIP回線が使われるが、インターネットのバックボーンは使われない。これにより、通常のストリーミングより効率よく、高画質の配信が行えるが、ISPをパートナーとする必要があり、ZillionTVはケーブルTV事業者、電話事業者、ISP等との交渉を始めている。

これだけだと、特にVudu等とそれほど違う訳ではない。ZillionTVが期待されている理由はそのビジネスモデルではなく、コンテンツ事業者がそのバックにあり、Disney-ABC、Fox Television、NBC Universal、Sony Pictures Television、Warner Brothers等が投資を行い、これらと配信契約もすませている。ZillionTVには昨年1420万ドルの投資が行われている。

ZillionTVは2009年第4四半期に、約1.5万本のコンテンツでサービスを開始の予定である。デバイスの価格は発表されていない。