欧州: 多チャンネルサービス

  • モナコ: モナコのMonaco Telecomは、Netgemとの協力でIPTVサービスのPrincipalityを開始した。Monaco TelecomのIPTVはデジタル地上波とのハイブリッド型で、デジタル地上波による放送とIPTVによる有料チャンネル、HD放送、VOD、それにDVRサービスを1つの環境に統合する。
  • フランス: IPTVサービスのFreeを提供するIliad社はFreeBox Replay TVと言う、キャッチアップTVサービスを開始した。Freeへの加入者は22のチャンネルの番組を放送後に視聴する事が可能になる。キャッチアップサービスで提供されるチャンネルは8月には33に増える予定。サービスを受けるには最新のFreebox、あるいはAliceboxが必要になる。

ComcastがSDVの採用を決定

Time Warner Cable、Cox Communications等は、帯域の有効利用のためにSDV(Switched Digital Video)をすでに導入しているが、ComcastもSDVを導入する事をFCCに申請した。SDVは、視聴者の少ないチャンネルは常に流さずに、チャンネルが切り替えられた時だけに伝送路を使うことで、チャンネル容量を有効に使うことが出来る。通常のデジタルSTBはSDVに対応可能であるので、STBの交換無しで導入出来るメリットがある。しかし、単方向のCableCARDはSDVに対応していないので、単方向のCableCARDを採用しているデジタルTV、あるいはTiVoではSDVで提供されるチャンネルは見ることが出来ない。Comcastはこれら単方向のCableCARDを使っているユーザには無料で、SDVを視聴可能にするチューニングアダプターを提供すると約束している。

SDVの導入を進めているTime Warmer Cable(TWC)はそのニューヨークシステムでもSDVを導入を開始し、7月中にはニューヨークシステム全体で、SDVの導入が完了する。TWCはニューヨークでは200チャンネル以上をSDVで流す。単方向CableCARDのユーザには無償で、チューニングアダプターを提供する。

SDVの導入は単方向CableCARDを採用したDVRの設置があるTiVoに影響を与えることになる。TiVoはチューニング・アダプターではなく、IPバックチャンネルで単方向CableCARDへの対応をする事を望んでおり、FCCに嘆願をしている。TiVoはチューニング・アダプターは1つ$125で、TWCはその為に200万ドルを使っているが、IPバックチャンネルに必要なSDVプロキシ・サーバーは。1つのシステムに$15,000の投資で導入可能だとしている。これに対して、CiscoはTiVoはIPバックチャンネルの複雑性がもたらすをコストを計算していないと反論している。

双方向性の追求

ケーブルTV事業者を代表するNCTAのCable Showが5月11日から13日に開催された。今年のCable Showの大きな話題は双方向性であった。ケーブルTVには以前から双方向性はあった。しかし、EPG(IPG)にしても、VODにしても、インターネットに比べると、その双方向機能は非常にベーシックである。インターネットによるTVコンテンツのストリーミングが増えている中、多チャンネルサービスも双方向機能を充実させていく必要がある。

Google TVが発表される

2010年5月20日にGoogleはそのディベロッパー・コンファレンス(Google I/O)で、噂になっていたGoogle TVを発表した。発表にはこの製品化に協力しているIntel、Sony、Logitech、Best Buy、Dish Network、Adobeが参加した。Google TVは、単体STB、あるいはTV、Blu-ray等のAV製品に組み込まれる製品で、IntelのAtomプロセッサーを使い、GoogleのAndroidをOSに搭載し、GoogleのChromeウェブブラウザー、AdobeのFlashが組み込まれる。

CBSとFoxがNABに戻る

CBSとFoxはNABのメンバーとして復帰した。ネットワークのCBSとFoxはそれぞれ29局と27局のTV局を持っているが、ここ数年間はNABのメンバーでは無かった。Foxは1999年、CBSは2001年にNABを脱会している。当時、4大ネットワークは1つの会社が持つことが出来る放送局の上限を上げる事をロビーし、NABにもその支援を求めた。しかし、NABのメンバーである他の放送局会社は、4大ネットワークがさらに多くの数の放送局を持つ事で、勢力を増やすことを恐れ、この動きに反対した。これは、NABの内紛になり、結果的にFoxとCBSが脱会した。

しかし、現在ではネットワークは自社保有の放送局を増やすことは考えていない。逆に、地上波放送業界は帯域返上の動き、多チャンネル事業者からの再送信料に対するFCCへの苦情等で問題を抱え、放送局が協力する必要性が増している。FoxとCBSがNABに復帰したとの発表は、ケーブルTV事業者のNCTAが開催している大会のCable Showの開催中に行われた事は偶然ではない。