FCCがSTBのアナログ出力停止を許可

FCCは多チャンネルサービスの事業者が、VODサービスの際、デジタルSTBのアナログ出力を停止し、HDMIだけに出力をする事を許可した。この許可は、STBはすべてアナログ出力を持たなければならないと言う規則への例外免除として下された。多チャンネル事業者、それにコンテンツ事業者は、違法コピーの削減のために、デジタルSTBからアナログ出力を取り除く許可を7年前、FCCに求めた。FCCは、この申請を却下するだけでなく、逆に、デジタルSTBを含め、すべてのSTBにはアナログ出力が必要との規制を作った。しかし、この際、FCCはSTBがアナログ主力を停止する機能を持つ事は許可し、この選択可能な出力停止機能(Selectable Output Control – SOC)を使うビジネスモデルが登場した際には、例外的免除を検討することを承諾した。

今回のSOC利用の申請は、映画事業者を代表するMPAA(Motion Picture Association of America)が行った物で、新作映画をDVDでのリリース以前にVODで提供する際、SOCを使うことの許可を求めた。FCCは、DVDリリース以前にVODで映画を提供するサービスは現在存在する物ではなく、また、デジタル環境の視聴者でなければ利用する事が出来ないサービスであり、既存の視聴者の自由を奪い物ではないと、これを許可した。映画会社は、新作をVODで提供する際、VODでのリリースから90日間、あるいはその映画がDVD、Blu-ray、インターネット等の他の媒体で提供されるまで、STBのアナログ出力を停止する機能を使うことが出来る。

STELAが(やっと)通過

衛星事業者に対して地上波再送信を許可するSatellite Television Extension and Localism Actが上院と下院の両方をやっと通過した。これまでのSHVERA(Satellite Home Viewer Extension and Reauthorization Act)は2009年12月31日で切れていたが、更新法案は議会を通過出来ずにいた。STELAは、衛星事業者に対して、地上波再送信を5年間延長し、また、Dish Networkに対して、地上波放送を受信する事が出来ない世帯に対して、その地域以外の放送局の再送信を行う事を再許可する。Dishはこの特別許可を乱用した罪で、許可を取り上げられていた。

Dishにこの権利を戻す条件として、同社はアメリカの全210 DMA(放送地上地区)で地上波再送信を行う必要がる。人口の少ないDMAで、地上波再送信を行うのは効率的でないとして、Dishは29 DMAでは地上波再送信はこれまで行って来なかった。Dishは6月3日からこれら29のDMAでの地上波再送信を開始していくと発表している。

この一見簡単そうな、STELAの通過に時間が掛かったのは、多チャンネル事業者が地上波再送信を行う場合の問題であった、「幽霊信号」を解決する為に、パテント法を書き直した為であった。多チャンネル事業者は、地域外の放送局を再送信する際、その加入者数に応じて印税を支払っている。問題は、この規定にあるケーブル加入者の定義で、これまでの規制では、加入者数をケーブルシステムの全加入者としている。しかし、多チャンネル事業者が地域外の放送局を再送信する際、そのシステムの全加入者にそのチャンネルを提供する事はめったに無い。地域外の放送局を再送信する理由は、システムの外側の方にある地域の世帯に対して、より距離的に近い、隣接する地域の放送を提供する為である。これら放送は、システム内の一部の世帯だけに提供されているが、パテント法の定義では全システムの加入者数をベースに印税を計算しなければならない。このため、実際は見る事が出来ないチャンネルに対して、印税が支払われている。STELAでは、パテント法を書き換え、実際に視聴可能な世帯だけが印税の対象になるようにした。

まだ続くTiVoとDishの争い

3月のDishとEchoStarの敗訴で、TiVoとDish/EchoStarのパテント争いは決着したように見えたが、上訴裁判所は、Dish/EchoStarが求めていた大法廷での審議を行う事を決定した。最高裁は2008年にこの訴訟を扱うことは拒否しているので、上訴裁判所での大法廷(通常は3人裁判官)での審議が最終的になる。TiVoは2004年にEchoStarがそのパテントを侵害しているとして訴えたのが、この事件の始まりである。

Best BuyがインターネットVODに参入

家電チェーンの大手、Best BuyはDVDの売上げの減少の対策として、Sonic Solutions社のCinemaNowのサービスを使い、インターネットでのVODと電子販売(EST)した。CinemaNowのサービスはPC向けに提供される他、LG社のインターネット接続したTV、Blu-rayからもアクセス出来る。CinemaNowは1999年に映画をインターネットでVODするサービスを開始したパイオニアの1社だが、成功することは出来なく、2008年にSonic Solutionsに買収されている。

小売り大手で、やはりDVDの売上げが大きかったWal-Martは今年の2月にVuduを買収している。Vuduは専用のSTB向けにインターネットを使ったVODとESTのサービスを提供してきたが、専用のSTBをう売ることが出来なく、インターネット接続したTV向けのサービスに転向を計っている。

VODのライセンス料はDVDより高価

DVDの販売が減る中、ビデオレンタル事業者のNetflixは成功を続けているが、その1つの理由は、インターネットによるVODを追加料金無しで提供しているからである。NetflixのCEO、リード・ヘイスティング氏は、投資家向けのセミナーで、インターネットでVODを提供するコストは、郵便でDVDをレンタルするコストより遙かに低いが、ライセンス料が高く、必ずしもストリーミングが安くは無いと語った。郵便の場合、1つのDVDの配送、回収にかかるコストは$1だが、ストリーミングはたったの5セントで行える。しかし、コンテンツ事業者へのライセンス料は電子媒体の場合の方が遙かに高価である。このため、現在のサブスクリプション型のビジネスモデルで新作映画をVODする事はまだ不可能である。