デジタル衛星TV事業者のDish Networkは、倒産した衛星通信事業者のTerreStar Netwrokを13.75億ドルで購入した。TerreStar社は静止衛星のTerreStar-1を使い、米国、プエルトリコ等で音声とブロードバンドのサービスを提供していた。Dishとその関連会社のEchoStarは今年にすでに2つの衛星通信事業者 – Hughes Communications(13億ドル)とDBSD North America(10億ドル)- を購入をしている。
ダウンローダブルCAS
CableLabsはそのSTB標準規格のOpenCable/tru2wayの正式オプションとして、Cablevisionが開発しているダウンローダブルCASシステムのOpen Media Security(OMS)を認証した。OMSは、CableCARDに代わる、CAS切り離しの技術である。FCCは、ケーブルTVのSTBを標準化し、サービスとハードウェアを切り離す為に、STBにCASを内蔵する事を禁止した。これを受け、CableLabsは、CASをPCカードとして提供するCableCARDを規格化した。しかし、CableCARDはSTBに新たなインタフェースを加える事になり、コストを増やす。ケーブルTV事業者は、低コストでCAS切り離し規制を満たす方法としてCASをソフトウェアで提供する、ダウンローダブルCASの共同開発をしたが、問題が多く、最終的にこの方式を積極的に進めているのはCablevisionだけになった。
OTT-VはTV放送の競合か?
TVネットワークはHulu等でTV番組を配信する事は、TV放送への競合ではなく、OTT-VはTV放送を補足するする物だと言ってきた。その大きな理由は、TV放送が視聴されるプライムタイムにはOTT-Vの視聴が少ないからであった。OTT-Vの視聴は日中、あるいは深夜が多く、視聴時間帯ではTV放送と競合をしていなかった。しかし、Yahooが行った調査では、これに変化が出いる。同社の2009年の調査では午後6時から9時の間、OTT-Vの視聴は少なかったのが、2011年の調査では、昼間の視聴が減り、TV放送の視聴と同様なパターンになっている。もし、Hulu等でのTV番組の視聴がプライムタイムに行われると、TV放送と競合する事になる。また、視聴されるコンテンツも、この2年間で変化をしている。2009年の時点では、視聴されるOTT-Vの84%は短編であったのが、2011年では74%に減って、TV番組が11%から18%へ、そして映画が5%から8%へと増えている。
iCloudとビデオコンテンツ
Appleがクラウドベースのコンテンツ保存サービス、iCloudを発表した。このサービスの一環として、月額$24.99でMusic Matchと呼ばれる、ファイルのアップロード無しでの音楽コンテンツの同期サービスが得られる。Music Matchのサービスを使う事で、コンピュータのiTunesにある音楽をクラウドにアップロードする事無く、iPhone等で聞くことが可能になる。しかし、同様なサービスはiTunesで販売しているTV番組等のビデオ向けには無い。コンピュータからダウンロードしたビデオファイルをiCloudにアップロードし、iPhone等で見ることは出来るが、ファイルサイズが大きく、時間がかかる。Music Matchの様な機能は音楽以上に、ビデオの方が有意義かも知れない。Appleはコンテンツ事業者と同様なサービスを提供する交渉をしたが、不成功だったとの噂もある。iPad、iPhone等のストーレッジ容量が少ないデバイスでビデオを視聴するには、iTunesの様なダウンロードベースではなく、ストリーミング方式がベターである。AppleはApple TV向けには一部のTV番組をストリーミングとして、99セントで提供している。しかし、なぜかiTunes、あるいはiPhone等には同様なサービスは無い。
iCloudにビデオが不在なだけでなく、その発表があったWorld Wide Developers Conferenceのキーノートスピーチでもビデオは無視された。キーノートでは、iPhoneソフトウェアのVPのフォアストール氏が、iTuneにはクレジットカード番号を登録しているユーザが2.25億存在し、150億の音楽、140億のアプリ、それに1.3億の電子ブックのダウンロードがあったと語ったが、何本のTV番組、映画が購入、あるいはレンタルされたかには触れなかった。
増えるOTT-Vの広告
TV番組をオーバー・ザ・トップで見る大きなメリットは、広告が少ない事であったが、OTT-Vがポピュラーになる事で、広告も増えている。2006年にABCが最初にTV番組をインターネットで提供し始めた時、広告は番組の始まりだけで、途中には挿入されていなかった。現在では、番組の途中に広告が挿入されるようになっている。また、途中に挿入される広告本数も増えている。放送の1時間中、16分の広告と比べれば、まだ短いが、CBSの「Hawaii Five-O」のストリーミング時の広告は6分30秒で、1年前の3分から倍増している。CBSとTime Warnerが持つThe CWネットワークはこれまでに番組の途中に挿入する広告は1回、1本であったのが、1回に4本と、広告本数を4倍に増やしている。インターネットのビデオ広告の今年の市場規模は33億ドルになると、ZenithOptimedia社は予測をしている。TV広告の594億ドルと比べるとまだ小さな規模であるが、前年比の成長率はTV放送が5%であるのに対して、インターネット・ビデオは22%の成長が予想されている。

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