2016年のトレンド予測

2016年の最も大きなトレンドは4Kの本格化であろう。これまでの4K市場は受像機だけで、コンテンツが無かった。2015年にDirecTV、Comcast、Netflix等がブロードバンドでの4Kコンテンツを配信し始めたが、4Kに対応できるブロードバンドへの加入者は限られており、利用は少ない。

SamsungはすでにIFAでUHD Blu-rayプレーヤを発表しており、CESで他のベンダーからの製品発表も予定されている。Sony、Time Warner等のコンテンツ事業者からはUHDディスクが発表されている。さらに、2016年Q1中にはDirecTVが4Kでの衛星放送を開始の予定であり、4Kコンテンツを視聴するオプションは増える。しかし、Seikiの42インチの4Kテレビが$300で買えることを考えると、4Kコンテンツの視聴方法はまだ高価であり、急速に4Kコンテンツの利用が増えはしないであろう。

2015年Q3のテレビ視聴動向

テレビ放送(ライブ+タイムシフト)の視聴時間減少は続いているが、減少率は鈍っている。2015年第3四半期の月間平均視聴時間は138:42時間で、前年同期(141:19時間)から2:37時間減っている。しかし、Q1の9:53時間、Q2の3:48時間よりは減少幅は少なかった。

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Nielsen

Time WarnerのHuluへの関心

Time WarnerによるHuluへの投資が噂になっている中、同社CEOのJeff BewkesはUBS Media ConferenceでHuluはTV Everywhereの普及を促進するソリューションになるかも知れないと語った。Time Warner、そして同社が持つ多チャンネルネットワークのHBO、TBS、TNT等はTV Everywhereの普及に積極的である。しかし、TV Everywhereは伸び悩んでいる。

Adobe Digital Index Q3によると2015年第3四半期におけるTV Everywhereの利用は前年同期から102%の成長をしたが、多チャンネルサービス加入世帯におけるTV Everywhereの利用は13.6%と少ない。Q2の12.8%より若干増えているが、過去1年間での成長は8%でしかない。

有線ブロードバンド利用者が減る

Pew Research Centerが「Home Broadband 2015」を出版した(http://www.pewinternet.org/files/2015/12/
Broadband-adoption-full.pdf)。これによると、家庭での有線のブロードバンド利用者は2013年の70%をピークに2015年では67%に落ちている。理由はスマートフォンを使った無線ブロードバンドの理由が増えている為である。有線ブロードバンドを使っていない利用者の33%は料金をその最も大きな理由にしている。経済上、ブロードバンドとスマートフォンのどちらかを

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Pew Research Center

さらに興味深いことは、コードカッターの42%は有線ブロードバンド利用者ではない事である。Pew Research Centerの調査では多チャンネルサービスへの加入率は74%である。9%は過去に多チャンネルサービスに加入した事無く、15%は多チャンネルサービスから脱退したコードカッターである。これらコードカッターの42%は家庭で有線ブロードバンドを使っていなく、25%はスマートフォンオンリーである。
ケーブルTVから脱退が増えても、ブロードバンド加入者は減らないのでケーブルTV事業者は安泰だとの考えをこの調査は覆している。コードカッティングの大きな理由は料金である。多チャンネルサービスに加入する余裕が無いのであれば、ブロードバンドへ加入する余裕も無く、ブロードバンドはワイアレス(スマートフォン)に頼る事になり、有線ブロードバンドへの加入者が必ずしも増える訳ではない。

インターネットでの地上波再送信

2015年7月にカリフォルニア法廷はAereoと同様にインターネットで地上波再送信を行おうとしているFilmOn Xに対して、インターネットでの地上波再送信はケーブルTVの地上波再送信と同様であり、再送信事業者に強制実施許諾権があるとの判断を下した。しかし、11月にはワシントンDC法廷は、これとは逆にインターネットTV事業者には地上波再送信の強制実施許諾権は無いとの判決をだした。

通信法上におけるケーブルTVの定義は地域的に閉鎖されたネットワークであり、オープンなインターネットはケーブルTV網とは言えない。しかし、地上波再送信の許諾権は著作権法上の問題であり、Copyright ActのSection 111の定ケーブルTVの定義がここでは問題になる。その定義とは、「A “cable system” is a facility, located in any State, territory, trust territory, or possession of the United States, that in whole or in part receives signals transmitted or programs broadcast by one or more television broadcast stations licensed by the Federal Communications Commission, and makes secondary transmissions of such signals or programs by wires, cables, microwave, or other communications channels to subscribing members of the public who pay for such service. 」

簡単に訳すと、「ケーブルシステム」とはアメリカ連邦国の領土内でFCCから免許を受けているテレビ局から放送を受信し、それを有料サービスとして、有線、マイクロ波、その他の通信媒体で再配信する施設である。」

どちらの法廷もこの定義をベースに判定を下したのだが、何なぜに全く異なる判決になったのか? カリフォルニア法廷は、「…makes secondary transmissions of such signals or programs by wires, cables, microwave, or other communications channels」に注目し、インターネットも通信媒体であり、それを使った地上波再送信を行う事業者もケーブルTVだと判断した。これに対して、ワシントンDC法廷は通信法も参照し、著作権法上の「ケーブルTV」も「自社が保有する」通信媒体で行う再送信を行う事業者と判断し、FilmOn Xの再送信は「自社が保有しない」インターネットを使うもので、強制実施許諾権は適用外と判断した。ワシントンDC法廷は、過去の衛星事業者、IPTV事業者への権利の適用を引用している。

インターネットを使ったビデオ配信はケーブルTVと同じであるかに対しては、FCCが検討をしているだけでなく、著作権局も別途、調査を行っている。今回の判定はどちらも地域裁判所の判定であるので、まだ控訴、そして最高裁が控えている。しかしその以前にFCCがその見解を出すであろう。