2015年7月にカリフォルニア法廷はAereoと同様にインターネットで地上波再送信を行おうとしているFilmOn Xに対して、インターネットでの地上波再送信はケーブルTVの地上波再送信と同様であり、再送信事業者に強制実施許諾権があるとの判断を下した。しかし、11月にはワシントンDC法廷は、これとは逆にインターネットTV事業者には地上波再送信の強制実施許諾権は無いとの判決をだした。
通信法上におけるケーブルTVの定義は地域的に閉鎖されたネットワークであり、オープンなインターネットはケーブルTV網とは言えない。しかし、地上波再送信の許諾権は著作権法上の問題であり、Copyright ActのSection 111の定ケーブルTVの定義がここでは問題になる。その定義とは、「A “cable system” is a facility, located in any State, territory, trust territory, or possession of the United States, that in whole or in part receives signals transmitted or programs broadcast by one or more television broadcast stations licensed by the Federal Communications Commission, and makes secondary transmissions of such signals or programs by wires, cables, microwave, or other communications channels to subscribing members of the public who pay for such service. 」
簡単に訳すと、「ケーブルシステム」とはアメリカ連邦国の領土内でFCCから免許を受けているテレビ局から放送を受信し、それを有料サービスとして、有線、マイクロ波、その他の通信媒体で再配信する施設である。」
どちらの法廷もこの定義をベースに判定を下したのだが、何なぜに全く異なる判決になったのか? カリフォルニア法廷は、「…makes secondary transmissions of such signals or programs by wires, cables, microwave, or other communications channels」に注目し、インターネットも通信媒体であり、それを使った地上波再送信を行う事業者もケーブルTVだと判断した。これに対して、ワシントンDC法廷は通信法も参照し、著作権法上の「ケーブルTV」も「自社が保有する」通信媒体で行う再送信を行う事業者と判断し、FilmOn Xの再送信は「自社が保有しない」インターネットを使うもので、強制実施許諾権は適用外と判断した。ワシントンDC法廷は、過去の衛星事業者、IPTV事業者への権利の適用を引用している。
インターネットを使ったビデオ配信はケーブルTVと同じであるかに対しては、FCCが検討をしているだけでなく、著作権局も別途、調査を行っている。今回の判定はどちらも地域裁判所の判定であるので、まだ控訴、そして最高裁が控えている。しかしその以前にFCCがその見解を出すであろう。
