RokuのOSアップデート

Rokuは現世代製品を対象にOSを7.5にアップデートした。7.5ではAndroidとWindows Mobileデバイスからのミラリングが可能になったが、最も大きな機能はRoku内蔵のTVでの一時停止である。USBメモリーをRoku TVに差し込む事で番組を最大90分間、一時停止する事が可能になる。

Appleの「TV」アプリ

AppleはApple TV、iPhone、iPad向けの「TV」と呼ばれるアプリを発表した。「TV」は様々なビデオアプリのコンテンツを検索する事が出来、探したコンテンツは「TV」アプリ内から再生が出来る。「Up Next」と呼ばれる機能は、見ている番組の続編等を自動的に見つけ、再生するてくれる。また、Appleがキュレートしたレコメンデーションリストもある。「TV」アプリはHulu、HBO、Showtime、Starz等をサポートしている。また、アプリがTV Everywhereの場合は、1回の認証ですべてのTVEアプリへのアクセスが出来るシングル・サインオン機能もある。

しかし、アプリはTVだが、放送には対応していないので、地上波、あるいは多チャンネルサービスで放送されている番組探す事は出来ない。また、Netflix、Amazon Videoには対応していない。さらに、TVEのシングル・サインオン機能は衛星放送のDISHとDirecTVのサポートのみである。Comcast、Charter等のケーブルTV事業者はCTAMが開発しているソリューションを待ち、Appleのシングル・サインオンには対応しない。「TV」は現状ではライブ番組は見ず、Netflix、Amazon Videoも使わず、ケーブルTVにも加入していない人向けのアプリとなっている。

YouTubeの変化

YouTubeはユーザ投稿ビデオでスタートし、利用者を急速に増やしたが、著作権に触れるコンテンツも多く、コンテンツホルダーとの問題があった。利用者は増えても違法コンテンツでは広告を売る事は出来ず、収入にはならない。その後、違法性の無いコンテンツが増えて行くが、面白いビデオであってもアマチュアの品質では広告価値は低い。

YouTubeはクオリティーの高いビデオを増やすためにYouTubeのクリエーター(YouTuber)達が使えるスタジオをニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン等に作り、2011年には$2億をOriginal Channel Initiative として100以上のクリエーターに投資した。YouTubeはこれらのクリエーター達のチャンネルを有料化する計画であったが、十分な加入者を得ることは出来ず、2013年には有料チャンネルは中止になった。

FCCがSTB規制でアプリを支持するが…

STBのオープン化規制(2016年3月号「STBの標準化」)に対して多チャンネルサービス事業者はSTBを使わずにアプリで対応する事を提案していた(2016年8月号「FCCのSTB開放規制案への代案」)。9月にFCCはこのアプリ案を支持する規制を提案したが、多チャンネルサービス事業者は喜んでいない。

FCCのアプリ案では加入世帯が100万以上の事業者は2年以内に出荷台数が500万台以上のIPビデオ対応デバイス(スマートフォン、タブレット、スマートTV、ゲーム機、ストリーミング・プレーヤ等)で多チャンネルサービスを見る事が出来るアプリを提供し、その環境(IPでのサイマルキャスト)を提供する事が義務化される。加入者数が100万世帯以下、40万世帯以上の事業者は4年以内にアプリ提供を始め、40万世帯以下の事業者に対しては規制は免除される。採用しなければならない技術規格に対する規制は無い。

Evolutionが1200万台のDTAを出荷

FCCのCableCARD規制は失敗であった。2007年にSTBを標準化し、CASは内蔵禁止になり、CableCARDとして提供する事になった。これにより、ケーブルTV機能内蔵のテレビ、あるいはDVRが小売になるはずであった。しかし、CableCARD規制を作っている間に衛星放送、IP放送が始まりQAMベースのSTBだけの標準化だけでは無意味なってしまった。CableCARD規制が廃止になった2015年末の時点で小売販売されたSTB(あるいはSTB機能内蔵のテレビ、あるいはDVR)はSTB全体の1%程度でしか無かった。この1%の殆どはTiVoであり、TiVoはCableCARDの恩恵を受けた会社の1つである。もう1社、CableCARD規制の恩恵を受けたのはEvolution Digitalである。

CableCARD規制によりSTBは高価になった。ケーブルTV事業者はアナログからデジタル移行のコストを下げるために、単純機能なSTBにはCableCARDを免除する事を求め、FCCは許可した。これで誕生したのがEvolution Digital提案のDTA(Digital Terminal Adapter)である。初期のDTAはデジタルケーブルをアナログに変換するデバイスであったが、その後HDのDTAも許可された。DTAは単純機能であり、DVR内蔵は当然駄目であり、デジタルケーブルの機能であるVOD、あるいはEPGも使えない。しかし、単価は安く、Comcastを含めた多くのケーブルTV事業者がDTAを採用した。

DTAも進化し、メタデータをIPで配信する事でEPGが使える様になり、IPビデオに対応する事でVODも可能になった。昨年12月でCableCARD規制は無くなり、DTAの当初の必要性は消えたが、QAMとIPの両方に対応した低価格のSTBとして「eBox」にリブランドされ販売は続いている。Evolution Digitalは9月に累計で1200万台目のDTA/eBoxの出荷を発表した。