FCCのCableCARD規制は失敗であった。2007年にSTBを標準化し、CASは内蔵禁止になり、CableCARDとして提供する事になった。これにより、ケーブルTV機能内蔵のテレビ、あるいはDVRが小売になるはずであった。しかし、CableCARD規制を作っている間に衛星放送、IP放送が始まりQAMベースのSTBだけの標準化だけでは無意味なってしまった。CableCARD規制が廃止になった2015年末の時点で小売販売されたSTB(あるいはSTB機能内蔵のテレビ、あるいはDVR)はSTB全体の1%程度でしか無かった。この1%の殆どはTiVoであり、TiVoはCableCARDの恩恵を受けた会社の1つである。もう1社、CableCARD規制の恩恵を受けたのはEvolution Digitalである。
CableCARD規制によりSTBは高価になった。ケーブルTV事業者はアナログからデジタル移行のコストを下げるために、単純機能なSTBにはCableCARDを免除する事を求め、FCCは許可した。これで誕生したのがEvolution Digital提案のDTA(Digital Terminal Adapter)である。初期のDTAはデジタルケーブルをアナログに変換するデバイスであったが、その後HDのDTAも許可された。DTAは単純機能であり、DVR内蔵は当然駄目であり、デジタルケーブルの機能であるVOD、あるいはEPGも使えない。しかし、単価は安く、Comcastを含めた多くのケーブルTV事業者がDTAを採用した。
DTAも進化し、メタデータをIPで配信する事でEPGが使える様になり、IPビデオに対応する事でVODも可能になった。昨年12月でCableCARD規制は無くなり、DTAの当初の必要性は消えたが、QAMとIPの両方に対応した低価格のSTBとして「eBox」にリブランドされ販売は続いている。Evolution Digitalは9月に累計で1200万台目のDTA/eBoxの出荷を発表した。
