HuluもついにOTTベースのバーチャル・多チャンネルサービスへ参入した。サービスはベータとなっているが、機能が限定されていることはなく、誰でも加入する事が出来る。Hulu with Live TVの料金はOTT多チャンネルサービスとしては平均的な$40で、主要な50程度の多チャンネルサービスネットワーク、4大地上波ネットワーク、HuluのSVODサービス、それに50時間のクラウドDVRが含まれる。地上波の同時配信はネットワークと加盟局が契約出来ている地域に限られる。有料追加チャンネルとしてはShowtimeが$9で提供されている。Huluに投資しているABC、NBC、Fox系の主要な多チャンネルサービスのネットワークはあるが、MTV、Nickelodeon、Comedy Central等のViacom系ネットワーク、AMC系ネットワーク、Discovery系ネットワーク、それにShowtime以外のHBO等の有料チャンネルが無い。
YouTube TVのDVR機能
YouTube TVはクラウドDVR機能付きで、容量無制限で9ヶ月間の録画が可能だが、これは本当のDVRではない。録画指定した番組はクラウドに録画されるが、ネットワークがその番組をオンデマンドで配信開始した時点で、その配信のリンクに置き換わる。番組自体は同じだが、広告はインターネット配信向けに変わり、広告をスキップする事も出来なくなる。オンデマンド向けバージョンが無い番組はそのままYouTube TVのDVRに保存される。
これは、Disney、Fox等のコンテンツ事業者がYouTubeに求めた仕様である。これにより、DVRとして視聴される番組からも広告収入を得る事が出来る。すでにDVR機能を提供しているSling TV、PlayStation Vueにはこの制限は無いが、ネットワークは契約更新時にこの仕様への切替を求めていくようである。
多チャンネルサービスの加入者減少
VerizonのFiOS TVへの加入者はQ1で13万世帯の加入者を失った。2016年のQ1にはVerizonは36万世帯を加え、2016年全体では59万世帯の増加があった。VerizonのFiOSブロードバンド加入者は35万世帯増えたが、前年同期の98万世帯増加より減っている。
AT&Tは23.3万世帯を失った。DirecTVへの加入者はプラスマイナス・ゼロで、減少はすべてUverse TVから来ている。ブロードバンド加入者は11.5万世帯増えた。AT&Tの多チャンネルサービス加入者はQ1末で2506万世帯(内、DirecTVが2101万世帯)となった。
Dishの落下も止まらない。同社は10四半期連続で加入者を失っており、Q1は過去最大の14.2万世帯を失った。DishのOTT多チャンネルサービスのSling TVは加入者を増やしているが、競合が続々と誕生しており、衛星放送事業の穴を埋めるには至っていない。
Time Warnerを買収したCharterも苦しんでいる。買収でケーブルTV事業者としては2位になったが、Time Warnerの加入者はCharterのサービスを嫌い、脱退が続いている。Q1には10万世帯を失い、その殆どは元Time Warnerの地域からである。しかし、ブロードバンドではCharterは42.8万世帯を加えている。元Time Warnerの地域でもブロードバンド加入者は23.5万世帯増えている。Charterは新しいUIのSpectrum GuideでComcastと同様にNetflix等のOTTサービスをサポートする事を予定している。
多チャンネルサービス事業者が全て加入者を失っているのではない。Comcastのカムバックは続いており、Q1には4.2万世帯を加え、加入世帯数は2250万世帯になった。ブロードバンドサービスへの加入者は42.9万世帯増えた。
ComcastのWiFi管理アプリ
WiFiは殆どのブロードバンド世帯で使われているが、その管理は難しい。WiFiルーターには帯域管理、デバイス管理等の機能があるが、使いこなしているユーザは少ない。Comcastは同社が提供しているルーターをスマートフォンのアプリからクラウド経由で管理する「xFi」プラットフォームのテストを始めた。xFiはWiFiの基本的な設定、利用状況等の情報を提供するだけでなく、決まった時間にWiFiを切る、あるいは特定のデバイスからのアクセスを禁止する等の操作を簡単に行えようにする。サービスは5月中に提供開始になり、リモート管理機能のある約1000万台のルーターが対象になる。
Comcastはまた、同社のスマートホームサービスのXfinity Homeの加入者はQ1で6.6万世帯増え、加入者は100万世帯に近づいたとも発表した。ComcastによるとXfinity Homeの利用者の90%は3つから4つのComcastのサービスに加入している。
Evolution Digitalのハイブリッドシステム
STBベンダーのEvolution Digitalは中小ケーブルTV事業者向けにIPベースのオンデマンドサービスを追加提供する為のソリューション、eVUE-TVを開発し、中小ケーブルTV事業者を代表するNational Cable Television Cooperative(NCTA)と昨年7月に契約している。eVUE-TVはEvolution DigitalのマネージドIPプラットフォームをベースに同社のQAM/IPハイブリッドSTBのeBOX、それにTiVoのUIを使った物で、STBからQAMベースのリニアチャンネル、ネットワークDVR、IPベースのオンデマンドコンテンツの提供を可能にする。WOW!、Blue Stream等7つの事業者がeVUE-TVの導入を始めていおり、新たにMTC Cable、Docomo Pacific(グアム)等の7社も契約をした。
