TV Guideの売値はたったの1ドル

週刊のTV Guide誌はアメリカのTV視聴者には欠かせない雑誌であった。1週間の番組表とその週の話題番組を記事にしたTV Guideはスーパーマーケットのチェックアウトの棚で売られ、多くの家庭が、毎週買っていた。ケーブルTVのチャンネル数が増えだした1970年代、TVのナビゲーションには欠かせない雑誌であり、その全盛期の1970年代には2000万部の発行部数があった。

TVGuide

1988年にNews社はTV Guideとその出版社を32億ドルで購入する。そして、2000年にはGemstar Internationalは何と、140億ドルを出し、TV Guideを手に入れる。

インターネット上の番組表等の影響で、2000年の時点ですでにTV Guideの発行部数は下降し始めていた。しかし、VCRの録画機能のVCR Plus+で成功したGemstarはTV Guideの番組情報を集める力、それにそのブランド力でIPG市場に乗り込もうとしていた。Gemstar-TV Guideは、雑誌、インターネット、IPG、TV(Gemstarネットワーク)を使ったクロスプラットフォーム戦略を狙ったが限られた成功しか出来なかった。

2008年にMacrovisionは23.5億ドルで、Gemstar-TV Guideを買収する。MacrovisionはSTB向けのコンテンツ保護技術を提供しており、その一環としてGemstarのIPG技術を求めていたが、Gemstar-TV Guideの出版、放送事業には関心は無く、TV Guide誌、TV Guideネットワーク、TVGネットワーク(競馬放送)を売り出そうとしていた。MacrovisionはGemstar-TV Guideを購入した時点で、TV Guide誌の価値を6100万ドルとしていた。現在、TV Guideの発行部数は320万に落ちており、その内容もTV番組表からセレブのゴシップが主体になっている。

不況の中、MacrovisionはTV Guideの買い手を探すことが出来ずにいたが、ついにTV Guideの雑誌の値段($2.99)の3分の1のたったの1ドルで、OpenGate Capitalにこれを売った。Macrovisionはさらに、OpenGateに対してTV Guideの出版援助して、3%の金利で95万ドルを貸す事も約束している。

3D TV

2008年8月号の記事(3D映像の標準規格化)の記事のように映像業界のSMPTEは3D映像の規格化を始めており、3Dに対する関心が高まっている。パナソニック、Samsung等は3D対応のTVを出荷し始めている。また、ロサンジェルスで開催された3-D Biz Expoでは、Royal Philipsが特殊メガネ不要のディスプレイを展示した。調査会社のInsight Mediaは今年中に200万台の3D対応のTVが売れ、来年には770万台が出荷され、2012年には3D TVの出荷台数は3000万台に達するとの予想をしている。

TVで3D放送をする場合、メガネの提供が必要になる。いかにメガネを配布し、その費用を誰が出すかが問題になる。2005年のNBCの3D放送の時にはTV番組雑誌のTV Guideがメガネの提供をし、2007年のABCの放送ではドラッグストア・チェーンのWalgreensがその5000の店舗を使い、500万のメガネを配布した。

3D放送は珍しいことで話題を作る事が出来るが、定期的な放送が始まった場合、その制作費を補うほどの広告収入を上げることが出来るかは疑問である。さらに放送向けの3D規格の動きも始まったばかりであり、TVネットワークは3D放送に対してはまだ慎重である。

しかし、劇場映画、それにBlu-Rayでは3D化が進められている。Disneyは8月に映画の「Hannah Montana & Miley Cyrus: Best of Both Worlds 3-D Concert」をリリースしている。3D対応の映画館も増えており、2009年末には5000の映画館が3D対応になると推定されている。3D映像のをBlu-Rayでいかに扱うかの規格化はまだだが、Disneyはすでに3D版の「Shrek」、「Night of the Living Dead」のBlu-Rayを販売し始めている。

FCCがホワイトスペースの利用を許可

FCCは5-0の投票で、放送に使われていないチャンネルの帯域(ホワイトスペース)のライセンス無しでの利用を認めた。干渉を理由に放送業界、それにその帯域を無線マイクに使っているスポーツ、劇場からの反対があったが、FCCは干渉は避けることが出来るとして、帯域の開放を行った。利用が認められるデバイスは位置を検知し、通常放送に使われているチャンネルの有無を調べ、さらに帯域センサーですでに利用されている帯域も検知する事が義務付けられており、FCCの認証を受ける必要がある。コンピュータベンダーは1年以内にホワイトスペースを使うデバイスを発売すると言っているが、放送業界を代表するNAB等は訴訟を起こすことも検討しており、まだ争いが終わった訳ではない。

ネットワークDVRの判決は最高裁行き

8月に連邦控訴裁判所はストーレッジをSTBではなく、ヘッドエンド側で行う、ネットワークDVRは合法との判決を下したが(2008年8月号「ネットワークVDRは合法」参照)、これに不満のコンテンツ事業者側は10月6日に最高裁へ上訴した。11月5日にはコンテンツ事業者のTurner Broadcasting、ABC、CBS、NBC、Fox、Disney等、スポーツリーグのMLB、NFL、NCAA等、音楽会社のSony BMG、Warner Music等、それに俳優代表のScreen Actors Guild、脚本家代表のWriters Guild of America West等がこれを指示する意見書を提出した。また、非営利団体のCopyright Allianceもこの上訴を表明した。同アライアンスにはコンテンツ事業者、メディア会社、スポーツリーグ等が数多く参加しているが、メンバーの内、AT&TとNational Association of Broadcasters(NAB)は連邦控訴裁判所の判定は正しいとして、署名には加わらなかった。

2つの合併が許可される

司法省はVerizon社によるAlltelの買収を許可した。Verizonは第2位、Alltelは第5位の携帯電話事業者である。司法省は22の州で重複するサービス地域の売却を条件としたが、この買収により、Verizonは8000加入者を持つ、米国最大の携帯電話事業者となる。

また、FCCはSprint NextelとClearwireが持つWiMAXライセンスを合同する事を許可した。これにより、Sprint NextelはそのWiMAX事業を分離し、Clearwireと合併させ、1つの会社としてWiMAXサービスを提供する事が可能になった。