ケーブルTVの30%規制が破棄される

ワシントンDCの控訴裁判所はFCCが2007年に出した、ケーブルTV事業者が市場の30%以上のシェアを持つことを禁止する規制を破棄した。Comcastはこの規制は独断的で、気まぐれな決定だとして訴えていた。

1992年の通信法はFCCに対して、ケーブルTV事業者のシェアの上限を決めることを求めた。これに対して、FCCはケーブルTV事業者のシェア上限を30%とする規制を作った。しかし、2001年に裁判所は、この規制は、シェアを伸ばしているDBS事業者を考慮していない事を理由に、無効として、FCCに対して、再検討をする事を命じた。マーチン委員長が率いていたFCCは2007年12月に、以前とほぼ同じ内容で、DBSを計算に入れない規制を作った。裁判所は今回の決定に於いて、FCCが以前の法廷の指示を全く無視し、再度同じ規制を作った事に対して、不満を明らかにした。

LPTV協会が閉鎖になる

6月12日にアナログ停波が完了したフル出力局以外にアメリカには2800のLPTV(Low Power Television、低出力局)がある。これらLPTV局にはアナログ停波の予定もなく、停波に対する政府の援助も存在しない。デジタル化は自己資金で行う必要があるが、LPTV局は小規模局であり、資本は無い。引き続き、アナログでの放送は出来るが、フル出力局が全てデジタルになっている中、アナログチャンネルは視聴されなくなっていく。

これらLPTV局の協会で、ロビー団体であったCommunity Broadcaster Association(CBA)が7月15日に閉鎖になった。CBAはLPTV局の存在は難しくなり、その調査では40%のLPTV局が1年以内に局を閉鎖する事になるだろうと予測している。

YouTubeのローカルTVニュース

テレビ番組のインターネット配信が大きな話題になっている中、地上波局はこの動きから取り残されていた。ネットワークのABC、NBC、CBS、Foxが自分たちの頭を越えて、コンテンツを直接に配信するのを黙って見ていることしか出来なかった。オンラインで配信するにも、多くの放送局にはニュース番組の独自なコンテンツは無い。これまでそれぞれが、自局のウェブサイトでローカルニュースの一部を配信しているが、Huluの様な話題にはなっていない。

YouTubeはこれら地上波ネットワークのニュースを配信するNews Near Youと呼ばれるサービスを開始した。利用者は自分の地域の局が制作したローカルニュースを見ることが出来る。これを使うことで、地上波局はYouTubeのブランドが得られ、広告収入の一部を得る事が出来る。

これは地上波局としてはインターネットビデオに参入する簡単な方法であるが、自己のブランド力をさらに失ってしまうリスクもある。ローカルニュースのソースとして、インターネットサイトが伸び、新聞、地上波TV、ラジオはシェアを奪われている。地上波局もそのウェブサイトをローカル情報のポータルにしようとしているが、成功はしていない。YouTube経由でニュースを提供する事は今は良いが、いずれGoogleがより大きなローカル情報のポータルとなる事を手伝い、大きな競合にしてしまう可能性もある。

アナログ停波のその後

アナログ停波終了以後、DTVクーポンへの申請は減り続け、終了日の7月31日にはそのまま消滅するかと思われたが、最後のパニックはやはりあった。7月31日にはそれまでの30日間平均の3倍以上の169.000の申請があった。7月30日の申請件数は78,000件であった。これまでにNTIAは3390万枚以上のクーポンを発行している。

DTVクーポンの受付は終わったが、デジタル移行はまだ完全には終わっていない。受信問題がある局はまだ30前後あり、FCCはエンジニアを派遣し、個々に問題の対応にあたっている。問題がある局の多くはアナログ放送中はVHFを使い、デジタルサイマルキャストはUHFで行い、アナログ停波後に、デジタル放送を元のVHFチャンネルに戻した局である。過去数年間、デジタルサイマルキャストが行われ、デジタル放送の問題は解決されてきた。しかし、VHF帯域には空きチャンネルが無かったので、VHFによるデジタル放送はテストされる事が無く、今になりその問題が明らかになっている。都会で特に大きな問題があることから、ビル等の障害に加え、携帯電話等の無線通信がVHFデジタル放送の妨害になっていると考えられる。

FCCは一部の局に対して出力の増加を認め、これで問題が解決する場合もある。しかし、都会ではあまり出力の増加をすると、逆に他の通信に干渉を与える可能性もある。VHFのままでは解決のめどが立たなく、UHF帯への引っ越しが検討されている。シカゴのABC保有のWLS局は大きな問題を持っている局の1つであり、現在の7チャンネルから44チャンネルに引っ越す許可をFCCに求めている。

RCNがTiVoを採用

ケーブルTV事業者のRCNはTiVoのDVRを2010年から採用する事を発表した。Comcast、CoxはすでにTiVoのソフトウェアを既存のMotorola製STBにポートして、TiVoの機能の採用を始めているが、RCNはCableCARD対応のTiVo DVRを提供していく。RCNは単に、TiVoのDVR機能をサポートするだけでなく、インターネット経由でのAmazonのVOD等、全体的なTiVoのサービスを提供する予定。

RCNはTiVoをそのDVRオプションのメインな物にするが、コストは現在のDVRオプション(月額$15)より、$3から$5高くなる。TiVoを採用した時点でも、現在のDVRサービスはSD専用で提供されるが、HDはTiVo製に移行させていく予定。

RCNはオーバービルダーと呼ばれる既存のケーブルTV事業者がすでに営業をしている地域でサービスを行っている事業者で、ニューヨーク、ボストン、シカゴ、LA等でサービスを提供し、約366,000世帯の加入者を持つ。同社はその27%の世帯が、DVRオプションに加入していると発表している。HD DVRの加入世帯は10%程度。