FCCがナショナル・ブロードバンド・プランを発表

FCCが約1年をかけて作った、ナショナル・ブロードバンド・プラン(NBP)が発表された。300ページ以上のNBPはhttp://broadband.gov/plan/ からダウンロード出来る。

NBPの目的は、アメリカにおけるブロードバンドの普及率を高める事である。アメリカは、ブロードバンド技術では大国だが、一般的なサービスの速度は遅く、普及率も65%程度でしかない。NBPの具体的な目標には下記が含まれる:

  • 2020年には1億世帯が、100 Mbpsレベルのサービスを受けられるようにする。
  • 4 Mbpsのサービスを最低限のサービスとして、ユニバーサル基金でカバーする。
  • モバイル・ブロードバンドもユニバーサルサービスとし、ユニバーサル基金のブロードバンド版を作る。
  • すべてのコミュニティーの公共設備の最低1つのに1Gbpsのネットワークへのアクセスを提供する。
  • 公共安全向けの無線ネットワークの構築。

再送信問題: 政府の介入を求める事業者

Time Warner Cable、Cablevision、Dish、DirecTV等の多チャンネル事業者、小規模のケーブルTV事業者を代表するAmerican Cable Association、中小電話事業者のロビー団体のOrganization for the Promotion and Advancement of Small Telecommunications Companies(OPASTCO)は、上院と下院の通商委員会に対して、地上波の再送信問題を解決する為に、1992年のケーブル法の改正を求める書面を提出した。

DVRをめぐるパテント争い

EchoStarとのパテント訴訟に勝った、TiVoはAT&T、Verizonも、TiVoのパテントを侵害していると訴訟している。AT&T、Verizon共に、TiVoと法廷で戦うだけでなく、逆にTiVoをパテント侵害で訴えている。A&Tは3月12日に北カリフォルニアの地域裁判所に対して、TiVoがAT&Tのパテントを4件侵害しているとの訴えを起こした。TiVoは、MicrosoftのMediaroomを使ってるので、TiVoのAT&Tへの訴えは、間接的にMicrosoftがパテントを侵害していると責めている事になる。Microsoftがこれを黙っている訳はなく、MicrosoftはTiVoがその2つのパテントを侵害しているとの訴訟を起こした。

Verizonは、2月24日にTiVoがVerizonの持つ5つのパテントを侵害していると訴え、3月15日には、さらに2件のパテント侵害を追加した。Verizonはついでに、ニューヨークの多チャンネル市場で大きな競合となっているCablevisionに対しても8つのパテント侵害をしていると訴えを起こしている。

クロス保有規制の緩和

第3巡回裁判所(控訴裁判所)は、FCCが行った2003年のTVと新聞のクロス保有の緩和に対する停止命令を解除した。これにより、上位20市場では、1つの会社がテレビ局と新聞会社を保有する事が可能になる。この緩和策は2003年にパウェル会長のFCCが作ったが、反対はの訴えで、裁判所は停止命令を出し、FCCに対して再検討を命じた。2007年にマーチン会長のFCCが限定的なクロス保有の緩和を発表したが、TVと新聞の問題には触れないままであった。FCCの対応を待ちきれなくなった、控訴裁判所は停止命令を解除し、これに対する意見を聞くことになった。

この解除命令により、2003年のFCCの決定に基づき、大都市では1つの会社が、TV局と新聞社の両方を持つことが可能になる。しかし、これにより、新聞、あるいはTV局の買収が増える事は予想されていない。メディア会社は、TVと新聞のクロス保有の許可を求めてきているが、クロス保有が必要なのは収入が少ない、地方都市であって、大都市では無い。

HD STBに対するCAS規制免除の訴え

中小のケーブルTV事業者を代表するAmerican Cable Association(ACA)はFCCに対して、中小のケーブルTV事業者全体に、CASを内蔵したHD対応のSTBを使う事を許可する免除を行うことを求めている。規制上、CASを内蔵したSTBをケーブルTV事業者が提供する事は出来ないが、FCCはEvolution社等の、SDのDTA(最低機能のSTB)に対してはCAS内蔵を免除している。また、ケーブルTV事業者のCableOneに対しては、限定された条件で、HD対応のDTAを使うことを許している。

Evolution社は、HDが一般的な機能になっている中、HDのDTAもCAS内蔵の免除の対象になるべきだと、HDのDTA製品の免除を求めているが、FCCはまだこれに対する判断は下していない。ACAは、事業者、あるいは製品単位で、免除を行うのではなく、中小ケーブルTV事業者全体への免除を求めている。

しかし、FCCはすぐにこの答えを出すことをためらっている。1つは、CableOneのHD対応DTAの提供状況を見てから判断を下す予定である他、4月21日のFCC会議で、CableCARD規制に対する変更を検討する予定になっており、それに対するコメント募集を行い、判断を下す事を考えている。

CASを別途PCカードとして提供するCableCARD規制に対しては、ケーブルTV事業者から大きな反対が出ている他、FCCもそのナショナル・ブロードバンド・プランの中で、ゲートウェイ形式のSTBに移行をしていく計画を発表している。
2007年7月1日以来、ケーブルTV事業者の提供するSTBもCAS内蔵が禁止され、CASはCableCARDとして提供されている。NCTAはトップ10のケーブルTV事業者がこれまでに設置したCableCARDの枚数は200万台を超えたと発表している。しかし、CAS内蔵禁止規制が目的としている、STB(あるいはSTB機能内蔵のTV)の市販は進んでいなく、200万のCableCARD中、市販製品向けに導入したCableCARDは489,000にしかなっていない。