ターゲット広告の相互運用テスト

CableLabsは6月始めにそのコロラド州ルイビルの本社で、ターゲット広告の相互運用性テストのイベントを開催した。このイベントはSCTE 130とCableLabsのStewardship and Fulfillment Interface(SaFI)規格に基づいたターゲット広告の相互運用性をテストする事が目的で、ターゲット性のある広告をダイナミックにVOD番組に挿入する事を実証した。SCTE 130とCableLabsの(SaFI)規格はCanoe VenturesとCableLabsが共同開発しているAdvanced Advertising 1.0仕様の一部である。このイベントにはArris, Biap, BlackArrow, Cisco, Concurrent, Ensequence, Motorola, OpenTV, RGB Networks, Sigma Systems, Tandberg Television, This Technology, TVN Entertainment, UniSoft Corp.の14社が参加をした。

SaFIインタフェースは、Service Measurement Summary Interface、Interactive Fulfillment Summary Interface、Interactive Application Messaging Platform、Campaign Information Package Interfaceの仕様で構成されており、CableLabsはこれらを標準仕様として7月1日発表をした。

相互運用性のテスト結果は上々であったが、Canoe Venturesの予定には大きな遅れが出ている。最初の予定では全米6000万の世帯を年収10万ドル以上のグループ(200万世帯)とそれ以下の世帯に分けた広告挿入サービスのCommunity Addressable Messaging(CAM)1.0を2009年5月にスタートさせる予定であった。しかし、Canoe Ventureはその最初のサービスとなるCAM 1.0を開始しない事を決定した。Canoeによると、技術的な問題は無いが、各システムの広告挿入システムの違い等から11日前に広告提出が必要となり、アピールの少ないサービスとなった。CanoeはEBIFを使ったインタラクティブ広告に力を入れていく。

広告への注力

多チャンネル事業者は広告販売に力を入れ始めている。CablevisionはVOD番組の開始前の広告(Pre-roll)の提出期限を24時間に短縮した。即時性が売り物のVODの広告の提出方法が複雑すぎるとの批判がある。Cablevisionは夏から、15秒と30秒のVOD開始前に挿入する広告の受付を24時間前にする。

また、DirecTVはInvidi Technologiesとの協力で、ターゲット可能なローカル広告の販売を開始した。Invidiの技術を使い、DirecTVは事前に加入者のSTBのハードディスクに録画した異なる広告を、条件に応じて挿入する事が可能になる。DirecTVの競合のDISHもInvidiと契約をしている。Invidiは2000年に設立され、Group MとMotorolaからの投資を得ている。

さらに競合同士のComcastとVerizonも広告販売上での協力関係を発表した。Comcastの広告販売部門のComcast SpotlightはComcastとVerizonの両方のサービスが提供されている地域のフィラデルフィア、ボストン、バルチモア、フォートウェイン、ハリスバーグ、ピッツバーグ、ポートランド、リッチモンド、シアトル、ワシントンDCで、VerizonのFiOS TVの広告スペースも販売をしていく。

CableCARD: 1450万台導入

STBへのCASの内蔵が禁止されてから2年経ち、CableCARDの導入台数は1450万台を越えた。ケーブルTV事業者がレンタル提供しているCableCARD付きのSTBがこの内1410万台で、TiVoとのデバイス向けのCableCARDスタンドアロンでの出荷はは437,800台であった。この統計は、市場の約90%を構成している、トップ10事業者の数字である。

CAS内蔵が禁止になったのは、ケーブルTV事業者がサービスとハードウェア(STB)をバンドルすることを止めさせ、市販のSTBあるいはケーブルチューナー内蔵TVを普及させる為であった。しかし、これを実現するミドルウェアのtru2way(OCAP)の普及は進んでいない。昨年、Comcast、Time Warner Cable、Cox、Cablevision、Charter、Bright Houseの6事業者はtru2wayのサポートを約束した家電事業者と今年の7月1日までにその全部のヘッドエンドをtru2way対応にする事を約束した、しかし、この約束は実現されなかった。

Comcastはシカゴ、デンバー、アトランタでtru2wayをサポートしているだけである。Time Warnerは250万台のtru2ay対応のSTBが設置されていると発表しているが、まだ、ヘッドエンドでのサポートはわずかでしかない。Tru2way対応が遅いのは必ずしもケーブルTV事業者の責任だけではない。ケーブルTV事業者はtru2way以上に、アナログからデジタルへの移行に注力してるのは事実だが、家電ベンダーもtru2way対応の製品の発表をしていない。Panasonicがシカゴ、デンバー、アトランタで製品を売っている程度で、後は、Samsung等がtru2ay対応のSTBをTime Warner Cable等に納めた程度である。Tru2wayの対応性をテストするほどにも製品が出ていない。消費者に取り、tru2wayは魅力のある製品とは言えない。Tru2wayのTVを買えば、STBのレンタルがいらなく、引っ越しても他の事業者のサービスでも使える。しかし、それは多チャンネルサービスをケーブルTVと限定しての事で、IPTV、DBSに変えたら無駄になる。

ネットワークDRVが前進

最高裁はCablevisionに対するネットワークDVRの裁判の再審議を行わないことを決定した。これで、番組を家庭のDVRに録画するのではなく。ヘッドエンド側のサーバーに蓄積するサービスが可能になる。Cablevisionは同社が提案している方法は、各家庭向けにサーバーの容量を提供する物で、HDDが家庭内にあるか、ヘッドエンドにあるかだけの違いで、ケーブルTV事業者が番組のコピーを作り、それを配信する物ではなく、著作権法には触れないとし、最高裁はこれを支持した事になる。

これにより、ケーブルTV事業者はDVRを使わずに既存のSTBでDVRと同等のサービスの提供が可能になり、低コストなDVRサービスはDBS事業者との競合上で大きな武器になる。これはまた、ハードウェアとしてのDVRの衰退の可能性を持ち、このニュースを受けて、TiVoの株価は下がった。

逆にこれが良いニュースとなっているにはVODのハードウェアベンダーで、SeaChange、Cisco、Arris、Concurrent等はより大きなディスク容量を持ち、高性能なネットワークDVRに対応出来るVODシステムの宣伝を始めた。SeaChangeは同社のシステムは100テラバイトの容量に対応し、4,000のHDコンテンツを同時にストリーム可能で、ネットワークDVRに使えるとアピールしている。

プライムタイムの41%は広告

TNS Media Intelligenceによると、プライムタイムのTV番組には10分35秒のプロダクト(ブランド)プレースメントがあり、13分54秒のネットワーク広告が含まれ、合計24分29秒の広告があり、1プライムタイム時間の41%は広告になる。脚本無しのリアリティー番組に特にプロダクトプレースメントが多い。脚本のあるドラマのプロダクトプレースメントは5分31秒であるのに対して、リアリティー番組のそれは19分16秒ある。

プロダクトプレースメント

ネットワーク広告1

プライムタイム平均

10:35

13:54

脚本無しの番組

19:16

14:43

脚本ありの番組

5:13

13:26

深夜番組

11:30

18:10

1: ネットワーク挿入の広告、公共アナウンスメント。ローカル広告は含まない。
TNS Media Intelligence