Cablevisionの動向

Cablevision社は、そのスポーツフランチャイズ部門を別会社としてスピンオフした。1973年にスタートしたケーブルTV事業者のCablevision社は新聞会社のNewsday、ケーブルTVチャンネルのAmerican Movie Channel(AMC)、Independent Film Channel(IFC)、Sundance等に加え、バスケットボールチームのNew York Knicks、アイスホッケーチームのNew York Rangers等も持っている。

Cablevisionは、Knicks、Rangers、その競技場のMadison Square Garden、地域スポーツチャンネルのMadison Square Channel、それにRadio City Music Hall等の資産を2月9日にMadison Square Garden Inc.として別会社にした。売上げが成長しているケーブルTV’部門に比べ、スポーツフランチャイズ部門の収入は伸び悩んでおり、別の株として取り引きする方が良いと判断された訳だが、これにより、Cablevisionの売却が容易になるも思われる。Cablevision社はDolan一家が株の約5分の1を持っており、数年前からこれを売りに出すとの噂が出ている。Cablevision社は、AMC等のケーブルTVチャンネルをRainbow Holdingsにまとめているが、まだ、Cablevisionの一部であり、これもいずれはスピンオフされると思われている。

また、Cablevisionは3つの大きな技術/サービスの計画を発表している。その1つは、RS-DVRを4月から本格的に開始する発表である。RS(Remote Storage)DVRは、番組をSTBのHDDではなく、ヘッドエンドのサーバーに録画する物で、コンテンツ事業者はこれを著作権違法で訴えたが、法廷個人録画の範囲と判断し、これを退けた。Cablevisionは4月からRD-DVRの提供を開始し、年末までにはその全加入世帯の300万で利用可能にする。Cablevisionは、今年の末までにDVRの購入はストップすると発表している。

もう1つは、PCとTVのメディアリレーで、PCのディスプレイに表示可能な個人の画像、動画、インターネットのコンテンツ、PCのアプリケーション等を、TVの画面に送るサービス。このサービスは、ホームネットワークを使うのではなく、PCからケーブルモデムでヘッドエンドに一度上げられ、TVのチャンネルの1つとしてTVに送られる。PCには専用のソフトウェアをインストールする必要がある。Cablevisionは6月からこのサービスをテストする予定。

Cablevisionはまた、WiFiを使った移動体電話のサービスをテストし始めたことを発表している。Cablevisionはそのサービス地域内で、加入者が無料で利用出来るWiFiネットワークを提供しており、これを使った電話サービスを検討している。Cablebisionは、WiFiと携帯電話網の両方に対応する電話をテストしており、すべて自前のWiFiネットワークで十分か、あるいはセルラ網を借り、補充する必要があるかを検討してると語っている。

FiOSがHBOGO.comを提供

VerizonのFiOS TVはその加入者に対して、HBOGO.comへの無料アクセスを開始した。HBOGO.comは有料チャンネルのHBOが放送する番組をインターネットで視聴する事を可能にするサイトで、HBOの親会社のTime WarnerがそのTV Everywhere構想の一環として開始した物。HBOの番組はすでに、ComcastのFancast Xfinityのサービスで視聴可能になっているが、HBOGO.comのサイトへのアクセスはFiOS TVは始めてとなる。VerizonはHBOGO.comへのアクセスをインターネットで提供するだけでなく、そのスマートフォンのDroid向けにも提供する事を検討している。

ターゲット広告関連のニュース

VerizonのFiOS TVサービスは同じシステム内の異なる地域に対して、異なる広告を挿入する事を可能にした。この技術は、Invidi Technologies社のシステムにより提供される物で、サービス地域を細分化し、それぞれに異なる広告を挿入する事を可能にする。Verizonはこのシステムをニューヨークで最初に導入し、2010年末までにその全システムで採用する。InvidiにはMotorola、GroupM、Menlo Ventures、EnerTech Capital、InterWest Partners等が投資をしている。

同様のシステムはケーブルTV事業者も採用をしている。Canoe Venturesは最初、ケーブルTV事業者の地域ターゲット広告システムを統合し、全米規模で郵便番号(Zip Code)に応じて異なる広告を挿入するサービスを検討したが、システムが複雑になりすぎることから、この計画は保留になった。
Verizonはまた、双方向広告でも使われるEBIF(Enhanced Binary Interchange Format)を使った双方向番組を放送した。番組はShowtimeの総合格闘技放送で使われ、選手のデータの表示、投票、クイズ等が提供された。EBIFを使った双方向番組の放送はこれが最初である。

別のニュースで、Comcastはオンラインビデオ広告の最適化、イールド管理サービスを提供するTidalTV社に1600万ドルの投資を行った。現在、TidalTVは主にオンラインビデオ向けのソルーションを提供しているが、いずれは他のビデオプラットフォーム向けのソルーションも提供していく。TidalTVは、3100万ドルのベンチャー投資を受けており、多チャンネルネットワークのHGTV、Food Network等を提供するScripps Networksと契約を結んでいる。ComcastはTidalTVの他、BlackArrow、Visible World、Jwire等の広告技術関係のスタートアップに投資をしている。

また、Comcastの子会社で、広告販売を行っているComcast SpotlightはStarcom MediaVest Group(SMG)と共同でバルチモアで行っていたターゲット広告テストを終了させ、その結果を発表した。テストはInvidi TechnologiesのAdvatarを使い、約6万世帯を対象に行われた。テストの結果ではその家庭のデモグラフィーにマッチした広告は、普通に送った広告より放送中にチャンネルが切り替えられる可能性が32%低かった。Comcast Spotlightは、ターゲット広告により、広告の効率性は65%アップすると報告している。

FiOS TVのスマートフォン・リモコン

FiOS TVはVerizon WirelessのAndroidベースのスマートフォン、Motorola DroidとHTC ImagioをSTBのリモコンとして使うアプリケーションを発表した。スマートフォンを多チャンネルサービスのリモコンに使うコンセプトはAT&T等も公開しているが、製品化はVerizonが始めてである。FiOS Mobile Remoteは既存のDVRの基本機能を提供し、さらにスマートフォンのキーパッドを使うことで、FiOS TV向けのFacebookとTwitterのウィジェットの入力操作がが可能になる。また、携帯電話で通話をすると自動的にTVがミュートされる。FiOS Mobile Remoteのアプリケーションは、FiOS TVのアプリケーションストアで、携帯電話の番号を入力する事でアクセス出来る。

Dish Networkが敗訴

HDサービスへの遅れから加入者数の減少を見せたDish Networkは、2009年の中期から積極的な広告キャンペーンを行い、2009年第4四半期は249,000世帯の増加をし、2009年を1410万加入世帯で終わらせた。2009年の売上げは116.6億ドルであった。

しかし、Dish Networkの将来は明るくない。同社は、TiVoからパテント侵害で訴えられてきたが、3月4日に地域上訴裁判所もDishの訴えを退けた。Dishは連邦裁判所で戦い続けると発表しているが、この敗訴によりTiVoに対して3億ドル以上の支払い義務が出た。3億ドルの支払いだけでなく、最悪の場合は、DishはそのDVRサービスを停止しなければならない。Dishの加入者中、DVR利用者は800万で、サービスを停止した場合、これら加入者の殆どを失うであろう。和解をする場合、DishはTiVoに今後パテント料を支払って行く事になる。TiVoは以前、1加入者あたり、月額$2.25のライセンス料を提示したが、追いつめられたDishに対して、より高額のライセンス料を要求するであろう。

TiVoはDishの競合のDirecTVと契約をしており、Dishが加入者を失い、DirecTVに流れれば、DirecTV経由でTiVo加入者が増える可能性もある。DirecTVの第4四半期の新規加入者は119,000で、総加入世帯数は1856万であった。