欧州: スマートSTB

フランス: IPTV事業者のFreeはTV、電話、インターネット、ゲーム機能を統合する新しいSTBプラットフォームのFreebox Revolutionを提供開始した。Freebox RevolutionはFreebox Serverと呼ばれるルーターとFreebox Player STBで構成される。Freebox Player STBはIntel Atom CE4100を登載したインテリジェントなSTBで、250 GBのHDD、802.11n WiFi、Blu-rayドライブを持ち、ブラウザーでウェブを見ること、さらにはゲームを走らせることが出来る。ゲームはFreestorから5~7ユーロの価格で販売される。Freebox Revolutionは過去1年にFreebox 4を注文した人、新たに4年契約を結んだ加入者には無料で提供される。定価は120ユーロ。

イタリア: Telecom Italiaはデジタル地上波とブロードバンドアクセス機能を持ったハイブリッド型のSTB、Cubovisionの提供を開始した。CubovisionはIntel Atom CE4150を使い、地上波放送を見る以外、ブロードバンドを使い、1,500時間のビデオプログラムにアクセスする事が出来る。Cubovisionの定価は199ユーロだが、月額5.5ユーロでレンタルする事も出来る。Cubovisionのオンライン・ビデオはSamsungのコネクテッドTV、あるいはPCからアクセス可能な以外、Telecom ItaliaはiPhone向けのアプリも開発している。

コードカッティングは始まっているか?

1960年代にケーブルTVサービスが始まって以来、多チャンネルサービスへの加入者数は増え続けてきた。DBS、電話事業者等の競合が登場する事で、ケーブルTVへの加入者数は減少をしているが、多チャンネルサービス全体での加入者数は増加をしてきた。加入率が80%を越えることで、成長率は下がっているが、加入者数は増えていた。

多チャンネル化時代の終了

衛星放送事業者が多チャンネル市場に参加した1990年代から、事業者の争いはチャンネル数であった。1990年代前半、ケーブルTV事業者のチャンネル数は60程度であった。1994年に市場に参入したDirecTVは、ケーブルTVより多いチャンネル数を提供する事を最大の武器とした。衛星事業者は、ケーブルTVの倍近い、100近いチャンネル数を提供することで、ケーブルTV事業者から加入者を奪っていった。

インターネット中立性規制

FCCは12月21日の会議において、インターネット中立性規制に対する投票を行う予定である。FCCのジェネカウスキー委員長は12月1日に規制案を発表した。この案では有線ブロードバンド事業者に対して、加入者が合法なウェブサイトにアクセスする事を制御する禁止し、ネットワーク管理の方法を公開する事を義務化する。現在、インターネット中立性はガイドラインとして提示されているが、正式な規制ではない。これを正式に規制化する事には、オバマ大統領を含む、民主党は賛成しているが、共和党は反対をしている。

今回、発表された案は概念的であり、具体的にどの様な規制にするかは明瞭ではない。最大の問題は、FCCの権限である。FCCは、この規制の為にブロードバンドをコモンキャリアとして再定義はしないと、語っている。しかし、FCCの規制権限は現時点ではブロードバンドには及ばないので、コモンキャリアに再定義せずに、いかに規制する事が出来るのか疑問である。一時、ジェネカウスキー委員長は、ISPをコモンキャリア扱いにするが、これまでのコモンキャリアに科せられる義務を免除する事を提案していたが、これは大きな反対を受けた。議会が法案を通し、FCCにこの権限を与えることなく、いかにブロードバンド事業を規制化するのは大きな疑問である。

また、規制案では有線ブロードバンドを対象しており、モバイルブロードバンドには触れていない。有線ブロードバンドだけを中立性規制の対象とし、モバイルブロードバンドは別扱いにする事は、今後の問題を作り出す事になると思われる。ネット中立性規制の賛成派の多くは、モバイル市場の開放を求めており、この案には不満を示している。しかし、モバイルも加えることは通信事業者の大きな反対を招くことになる。

放送帯域再編成の準備

連邦政府はNational Broadband Plan(NBP)の一環として今後10年間で、モバイル通信向けに500 MHzを確保し、その内120 MHzは放送帯域の再編成から得ることを予定している。FCCは、この放送帯域の再編成に必要な準備を開始した。その第1歩として、FCCは11月30日に規則制定案を出した。この案は3つの項目から成り立っている。

第1は、放送局が自主的に帯域を返還し、FCCがその帯域を競売し、モバイル通信に使う事を可能にする。第2は、放送局が放送を終了する事無く、帯域を空けるために、1つのチャンネルを複数の事業者が共有する事を許す。チャンネルを共有する放送局は、現在と同じMust Carryの対象となり、これにより多チャンネル事業者に対する再送信を求めるの権限を失うことはない。

3つ目は、VHF帯域をデジタル放送で使うことを促進する為に出力を上げることを可能にする。デジタル放送では、チャンネル2~13のVHF帯は受信問題が起きやすく、利用する局が少ない。出力を上げることで、放送局にVHF帯を使う事を奨励し、UHFチャンネルを空ける事がこの目的である。