プログラムアクセス規制解除

FCCは、ケーブルTV事業者が保有するプログラミングを衛星事業者等の競合にも公平なアクセスを提供する事を命じる規制を解除する決定をした。プログラミングのアクセス規制は、1992年ケーブルTV法に基いて作られた物で、ケーブルTV事業者が競合の多チャンネル事業者に対してそのコンテンツの提供を拒否する事を禁止する。最初の規制は、2001年に有効期限が切れる予定であったが、これまでに2回延期されてきた。

規制は、Time Warner等コンテンツとケーブルTVの両方を持つ会社が、競合多チャンネル事業者に対して、コンテンツの提供を拒み、不公平な競合環境が出来る事を無くすために作られたものである。News Corp社がDirecTVを保有しいた時期は、News Corpにもこの規制が適用されていた。しかし、この規制は無用になっているとの意見も多い。ComcastがNBCUniversalを持っていても、そのコンテンツを他の多チャンネル事業者に出さない事は自殺行為になる。コンテンツの制作コストは高く、広い流通をしないと収益は出せない。同じ収益を出すために、Comcastがそのケーブルサービスの価格を現在の10倍にする事は不可能である。

しかし、プログラム・アクセスがよく問題になるジャンルがある。それは、ローカルスポーツチャンネルだ。ケーブルTV事業者の多くは、地元のコンテンツとしてローカルスポーツのチャンネルを持っている。例えば、CablevisionのMSG(Madison Square Garden)ネットワークで、ニューヨーク地域におけるKnicks(NBA)、Rangers(NHL)、Red Bulls(MLS)、Giants(NFL)等の放送権を持っている。競合多チャンネル事業者がローカルスポーツのチャンネルへのアクセスを拒否されたとして、FCCに訴えるケースは多い。現在も、Googleは同社がカンザス・シティで行なっているIPTVサービスに於いて、ローカルスポーツチャンネルへのアクセスに問題があるとして、FCCに訴えを出している。しかし、これに対してFCCは、問題があれば不当な競争として訴えれば良い事であり、規制を延期する必要は無いと判断した。

TV帯域の返還と競売規則

FCCのは9月28日にTV帯域の返還とそれに伴う競売への規則作りを開始する事に合意した。このプロセスは、放送局による帯域の返還、TV帯域の再編成、そして競売の3つに分かれている。返還には3つのタイプがある。1つは、1つの局が6 MHzを全部返還する事、もう1つは、2つの局が1つのチャンネルを共有する事に合意し、もう1つの6 MHzを手放す事で、3つめは、放送局がUHF帯からVHFに引っ越す事だ。この返還は、逆競売方式で行われる予定で、FCCは最も安い価格で手放す局を優先する。

帯域が返還された後、TV帯域は再編成される。空いた帯域の一部はライセンス無しで使える帯域になり、残りは無線通信向けに競売される。競売の収入の一部は、帯域を返還した局に支払われる。競売は2014年に行われる予定。

モバイルDTV

ATSC A/153を使ったモバイル放送は現在約90局で行われているが、まだ本格的なスタートはしていないが、今年の秋には全米50市場でモバイルDTVのサービスが開始される予定である。サービスとしては、Mobile Content Venture(MCV)のDyleTVとMobile 500グループのMyDTVが提供される。どちらもモバイル通信事業者との交渉をしているが、決まっているのは、5位のモバイル通信事業者のMetroPCSとDyleTVの契約だけである。Dyle TV、MyDTV共にタブレット、スマートフォン向けのチューナーアダプターに頼ることになる。チューナは、現時点ではBelkinとElgatoから発表されている。

Dyle TV、MyDTV共に有料コンテンツの配信も可能であるが、最初は既存の地上波方法のサイマルキャストで行われる。広告が現状と同じでは、モバイルDTVを提供する価値は無く、いかに地域のビジネスに対してモバイルDTVの広告効果をアピールしていくかが大きな課題である。

タブレットでのビデオ視聴

前号でタブレットの利用者が高年齢化していると書いたが、高年齢のタブレットユーザにおけるビデオ視聴も増えている。Altman Viladrie & CompanyとResearch Nowが行った調査によると、55歳以上のタブレットユーザで週に1回以上タブレットで映画、あるいはTV番組を見る人は昨年の11%から19%に増えた。45から54歳では、15%から24%への増えた。44歳以下では、タブレットで映画、あるいはTV番組を見る人の率は殆ど変わっていない。

タブレット保有率は22%

Pew Research Centerが9,513人のアメリカの成人を対象に行なった調査では、タブレット保有率は昨年の11%から倍の22%になっている。スマートフォンの保有率は35%から44%に増えた。タブレット、あるいはスマートフォンの保有率は50%になっている収入が高い世帯では、保有率も高く、年収$75,000以上の世帯では47%がタブレットを持っている。iPadのシェアが2011年では81%であったのが、2012年では52%に減っている。