ケーブルTVでのBinge視聴

Netflix等のOTTサービスで1シーズン分の全話が一時に公開される事で、全話を連続して見るBinge視聴が増えているが、テレビ放送でこのトレンドをいかに使えるかは明確ではない。Comcastは、X1で「Next Episode Suggestion」と呼ばれる機能を提供している。放送で見終わった番組の次回分が無料VOD、DVR、あるいは有料VODで視聴可能な場合、それらを表示し、続けて見る事が出来る。Comcastはまた、Fox系多チャンネルネットワークのFXとの協力で、放送番組とVODを組み合わせたミニBinge視聴のテストを行った。夏のシリーズとして、FXが放送していたドラマ、The Bridgeの放送が終わった直後であれば、視聴者はそのまま翌週分もVOD(無料、広告付き)で見る事が出来る。見られるのは次週分だけであり、本当のBingeの様に全話を完了させる事は出来ない。Comcastはどの様な結果であったかは公開していないが、手応えはあり、テレビネットワークの協力があれば、続けていきたいと語っている。しかし、1週間早く、一部の視聴者が番組を見る事が可能になった場合、視聴率はどうするのであろうか?

政治広告を狙うDirecTVとDISH

偶数年は選挙の年であり、政治広告は放送局に取り大きな収入になる。今年の政治広告の規模は$30億に近づくと予測されている。衛星事業者のDirecTVとDISHはこの市場に参加する事は出来なかった。政治広告、特に選挙広告は地域ベースであるが、衛星放送は広範囲である。州選挙の広告を全米に放送しても意味は無い。しかし、今年からDirecTVとDISH共にDVRを使ったターゲット広告で政治広告の市場に参入した。対象はDVRユーザに限定されるが、広告は事前にDVRに録画され、特定の地域の特定な層を限定して放送される。DirecTVとDISHは共同で、D2 Media Salesと呼ばれるジョイントベンチャーを作り、2000万の世帯にターゲット広告をする事が出来る。D2は政治コンサルティング会社と協力し、対象の家庭に住む人の党派、政治的な熱心度等のデータで広告を視聴する世帯を選択する事を可能にしている。

TWCのトラブル

Time Warner Cableは昨年の8月にCBSとの再送信料の争いから1ヶ月間CBSの放送をストップした。秋のシーズンが始まる前に再送信は再開したが、加入者を怒らせ、多くの脱退があった。今年もトラブルフリーで夏を乗り越える事は出来なかった。TWCのケーブルモデムのサービスが全地域で、8月27日にストップした。サービスは数時間で回復したが、障害の規模は全域と大きな事で大きなニュースになった。さらに悪いことに、この障害が起きた直前にFCCは過去のケーブルモデムサービスの障害を何回も届けなかったとして、110万ドルの罰金を受けた事が発表されたばかりであった。

NetflixはHBOを追い抜いたか?

NetflixのCEO、Reed HastingsはFacebookにNetflixがHBOの売上を抜いたと投稿をした。第2四半期の売上はNetflixは$11.46億、HBOは$11.41億であった。しかし、世界レベルでの加入世帯数では、HBOは1.27億で、Netflixの5000万の2倍以上ある。また、収益でもHBOは$5.48億で、Netflixの$2.12を大きくと上回っている。Hastings氏もFacebookに売上と、これまで受賞したエミー賞の数ではHBOに負けていると書いている。この投稿は今年のエミー賞の前であったが、Netflixは31もの受賞候補に入っていが、主要な賞はすべて逃した。

HBOはオリジナルドラマで成功し、数多くのエミー賞を受賞している。最も著名なシリーズはThe Sopranosで、2002年シーズンの平均視聴者数は1820万人でこれまでのトップであった。しかし、Game of Thronesが大ヒットとなり、今年のGame of Thronesの平均視聴者数は1870万人で、The Sopranosを抜いた。これに対して、Netflixのヒット作のHouse of Cards、Orange is New Blackの視聴はどの程度であろうか?

テレビとは違い、Netflixの番組には視聴率が無く、同社からの発表もないので、正確な比較は出来ない。しかし、調査会社のCentris社が562人に対して行った調査では、Orange is New Backの認知度はNetflix加入者で94%、非加入者でも72%と非常に高い。House of Cardの認知度は加入者が89%、非加入者が72%であった。実際に視聴したのはOrange is New Blackが44%、House of Cardsが31%となっている。

Netflixの第2四半期での加入者数はアメリカで3509万人であった。Centrisの視聴率を使うとOrange is New Backの視聴者は1540万人、House of Cardsは1090万人となる。Netflixのアカウントは家族で共有している場合が多いので、実際の視聴者数はこれより多くなるので、HBOの視聴者数に近づいている。

最も高価なSVOD契約

これまでSVOD事業者が行った最も高額なコンテンツ契約はNetflixがAMC Networkに対してThe Walking Deadの配信権に支払った1話、$135万であったが、The Blacklistがこれを抜いた。NetflixはThe Blacklistの配信の為にSony Picture TVに対して、1話$200万ドルで契約をした。Sony Picture TV が制作し、2013年秋からNBCで放送されたThe Blacklistの第1シーズンは放送当日のレーティングで2.9%、当日、プラス7日間で4.9%で、昨シーズンで最も視聴率が高い新番組であった。