Foxのライブ・ストリーミング

地上波ネットワークのFoxは全米、210地域でプライムタイム番組(スポーツ中継を除く)をインターネットで再配信を始めた。配信はFox.comとFox Nowのアプリで行われている。視聴するにはFoxとTV Everywhere契約をしている多チャネルサービスサービスへの加入が必要。

地上波のインターネットでの再配信はすでにABC、NBC、CBSが行っている(ABCとNBCはTV Everywhere、CBSはSVOD)が、Foxの配信はこれとは異なる。Foxがライブで配信しているのは、プライムタイムの番組だけである。地上波の完全な同時再配信ではなく、一部の広告は差し替えられている。地上波放送と同様に広告枠の一部は地域放送局向けで、放送局が売る。地域向け広告は視聴者の地域に合わせて、リアルタイムで挿入される。プライムタイムのだけであり、ニュースを含めたそれ以外の番組の再送信は無い。

これと同時にFoxはキャッチアップ向けの配信の開始を早めた。これまでは放送の24時間後であったのが、西海岸時間の24時に配信開始になった。

多チャネルサービスのダウンサイズ

多チャネルネットワークを持つ会社はネットワーク数のダウンサイズを検討し始めている。Comcast/NBCUniversalはすでにStyleとG4を手放しており、さらに縮小する予定である。多チャネルサービスはチャンネル数を増やす事を目標にして来た。特にデジタル化後のチャンネル数の増加は激しく、2014年で基本的なパッケージのチャンネル数は160を超え、1995年の4倍近くなっている。チャンネル数の増加により、多チャネルサービスの加入者数は増えたが、それには限度がある。チャンネル数を増やすことで、料金は値上がりし、チャンネルを探すのが面倒になっていく。その結果、多チャネルサービスは加入者を失い始めている。Nielsenによると多チャネルサービス加入世帯は昨年から2.3%の減少をした。Pivotal Research社によると、多チャネルネットワークは過去1年で2.7%の視聴者を失っている。

2.3%の減少はコードカッティング(サービス脱会)であり、多チャネルネットワークの減少が大きい理由はコードシェービング(より安いパッケージへのダウングレード)である。高価なパッケージを止め、安い(チャンネル数の少ない)パッケージを選ぶ加入者が増えることでESPN等のポピュラーなチャンネルでも視聴可能世帯を4%失っている。

ABC.comのオリジナル短編

ABCはABC.comとそのアプリで7つのオリジナル短編番組の配信を開始した。番組は5から7分の長さで、放送番組の姉妹編になっている。これら番組は無料で視聴出来る。また、ABC.comは無料で視聴可能な数年前のドラマの提供も開始した。現シーズンの番組はTV Everywhereで配信され、多チャネルサービスへの加入が必要になり、過去の番組はSVODサービスにライセンスされる事で、ABC.com等のネットワークのサイトで無料で視聴できるコンテンツが減っている。ABCの動きはこれに対応した物である。

多チャンネル向けストリーミング

Wurl TVはケーブル(あるいはIP)TV事業者向けのストリーミングネットワークを発表した。Wurl TVのチャンネルはIPで配信されるので、ケーブルTVの場合はIPにも対応したハイブリッドSTBが必要になる。配信はユニキャストであるが、番組は既存のリニアチャンネルの番組表に表示され、選択すると通常のチャンネルの様にリニアモードで配信されている番組がスタートする。リニア配信の画面からオンデマンドの番組が選択可能になっている。サービスはテスト中で、8つの事業者が約12万世帯でテストをしている。コンテンツはすでにOTTで提供されている物が主体で、サービスは広告収入で行われている。現在、ニュース、スポーツニュース、ミレニアム向け、音楽、映画の5つのチャンネルが配信されている。

VRの話題

Comcast VenturesはVRゲーム開発者のKite & Lightningのシードラウンドで250万ドルの投資をした。Kite & LightningはLionsgateの映画「Insurgent」、NBCのコンテスト番組「The Voice」等向けのVRコンテンツをこれまでに開発している。Comcast Venturesは2011年に設立され、他のVR関係の投資としてNextVR(ライブ配信VR)、Baobab Studio(VRアニメーション)、Felix & Paul(VR映画)、AltSpaceVR(ソーシャルVR)への投資がある。

DiscoveryとToyotaはiOS、Android、Samsung Gear、それにOculus Rift向けにVRドラマの「Satchel」をDiscovery VR公開した。Satchelは4話で構成されるドラマで、DiscoveryとToyotaの協力としては3つ目のVRコンテンツで、過去には「Let’s Go Places: Austin」と「Innovative Design」を制作している。Discovery VRは100以上のVRコンテンツを配信しており、100万以上のアプリのダウンロードがある。