モバイル通信とOTTビデオ

2017年はモバイル通信におけるビデオの重要性がクローズアップされる年になるであろう。2016年Q3にT-Mobileはポストペイドのスマートフォン加入者を106万人加え、他の事業者を大きく上回った成長を見せた。このT-Mobileの成長にはそのBinge Onのサービスが多く貢献している。Binge Onでは480pで視聴するOTTビデオはパケット料金に加算されない。Binge OnにはNetflixを含め、競合のAT&TのDirecTV Now、VerizonのGo90等、100以上のOTTサービスが含まれている。


各社発表

OTT多チャンネルサービスの課題

OTTがベースの多チャンネルサービス市場には、Sling TV、PlayStation Vueに続き、12月にDirecTV Nowが加わり、数ヶ月以内にHuluも加わる。提供されているチャンネルはケーブルTV等の既存の多チャンネルサービスより少ないが、チャンネル自体は同じである。しかし、1つ決定的な違いがある。それは地上波再送信の不在である。既存の多チャンネルサービスには地上波再送信義務があり、地域の地上波すべてを再送信しなければならない。放送局は再送信義務を辞退し、多チャンネルサービス事業者と有料契約をする事が出来る。交渉が難航することもあるが、多チャンネルサービスで再送信をしない事は地上波を多チャンネルサービスで見ている世帯(全米で85%)を失うことであり、ほぼすべての地上波局は多チャンネルサービスで再送信されている。

スーパーボウルLIのストリーミング

スパーボウルのライブストリーミングは2012年に始まり、今年で6回目になる。スパーボウルのインターネットでの配信は無料で行われてきた。スーパーボウルの放送権はNBC、CBS、Foxの3ネットワークが持ち、順番に放送とライブストリーミングしている。2015年(NBC)まではインターネット配信の広告は放送とは別に売られていた。インターネット配信の広告に対する関心は低く、2015年のNBCの放送では70以上のスポンサーが付いたが、ストリーミングでの広告には18社しか参加しなかった。