スーパーボウルLI

スーパーボウル LIのテレビ視聴世帯率は48.8%で、その時間にテレビを見ていた世帯に於ける視聴シェアは70%を超えた。しかし、48.8%の視聴率は2015年(49.7%)、2016年(49.0%)より低い。NFLの今シーズンの視聴率は過去2年より下がっており、スーパーボウルでもそのトレンドは続いた事になる。FoxによるとスーパーボウルLIの総合視聴者数(Fox地上波、スペイン語放送のFox Deportes、それにストリーミングの合計)は1.137億人で、これも2015年の1145億人より下がっている。延長戦になり、面白い試合であったが、2015年の記録を破る事は出来なかった。

テレビ放送自体の視聴が減っており、視聴世帯率が減少した事は仕方がないが、伸び悩んだのはストリーミング視聴である。1分間の平均視聴者数は173万人で、昨年の140万人から24%の増であったが、ユニーク視聴者数は442万で、先年の396万より12%増えただけである。昨年より、ユニーク対平均視聴者の率が増えた事はプラスであるが、ユニーク視聴者は600万人を超えるとの予想もあったので、かなり期待外れである。Foxのストリーミングはペイトリオッツの反撃が始まった第4クォーターに数分間ダウンした事も、ストリーミング視聴の数に影響を与えたかも知れない。

第4クォーターのトラブル以外ではストリーミングには大きな問題は無かった。アプリを立ち上げてから十数秒以内に配信は始まり、映像は安定していた。しかし、遅延は解決されていなく、テレビ中継とは30秒以上遅れがあった。

今回のライブ配信では170以上の地域ではFoxを放送している局が広告を売り、ローカル局もFoxのストリーミングから収益を得られる様になっていた。筆者の住むサンノゼ地域のFox局は放送広告とストリーミング広告は別に売ったようで、ローカル広告枠では放送とストリーミングでは異なる広告が流れていた。延長戦となった事で、広告時間も多く、Kantar Media社の発表では、放送時間全体の23%、51分30秒は広告とプロモーションで、2013年の51分40秒に続き、広告が多い試合となった。

放送周波数帯の競売が完了

放送局が使っている周波数帯域を返上させ、それを競売するインセンティブ・オークションの第2ステージが完了した。放送局が権利をいくらで売るかを決める、第1ステージは124 MHzを対象に始まった。しかし、124 MHzの第2ステージのフォワード・オークションでは放送事業者の付けた値段は売値を超える事が出来ず、対象帯域を下げて続けられた。対象帯域が84MHzまで下がった、第4回目では売値は3回目の108MHzから$200億の半分の$100億に下がった。この第2ステージのフォワード・オークションでは最低価格の$100億を簡単に超え、最終的には$196.32億で達し、競りは終了した。競られたのは84 MHzからガードバンドを引いた70 MHzで、これを10 MHz(上りと下りそれぞれ5 MHz)に分けた7つのブロックで、それぞれは416地域に分けられている。

競売はこれですべて完了ではない。帯域を競り落とした通信事業者がどの帯域を得るかの割り当て競売が第3ステージとして3月6日から3月末まで行われる。全地域共通の帯域等、特別な割り当てを希望する事業者はそれを競りで決定する。この競りに参加しない事業者には残った帯域が自動的に割り当てられる。この割り当てが終了してから39ヶ月間で放送周波数帯域の再編成が行われ、放送局には新しいチャンネルが割り当てられ、通信に使う84 MHzが利用可能になる。

まだ、FCCからの放送帯域を返上した会社名は発表されていないが、幾つかの会社が自主的に発表をしている。Sinclair Broadcasting、Fox、Gray Television、Tribune等が一部の帯域を手放している。Fox Televisionは1つ以上の放送局の権利を返上し、約3.5億の収入を得ると発表している。

FCC: ATSC 3.0移行案を可決

FCC委員はATSC 3.0への移行は放送局が自主的に行う規制案を全員一致で可決した。この案をベースに規制が作られるので、実際の規制が決まるのはまだ先である。基本的にATSC 3.0の採用は自主的であり、義務ではない。ATSC 3.0で放送する局は同時にATSC 2.0での放送を続ける義務がある。新たな放送帯域の割り当てはないので、放送局は同じ地域の他局と契約し、そのサブチャンネルで放送をする事になる。テレビ受像機にATSC 3.0対応のチューナ搭載を義務化するに関しては未定である。

別のFCC関連のニュースで、パイ委員長はバルセロナで開催されたWorld Mobile Congressのスピーチで、FCCがブロードバンド事業者をコモンキャリアとして定義した事は失策であり、無効にする方針であると語った。ウィーラー前委員長はネットワーク中立性規制を確保する為にISPをコモンキャリアとして再定義した。最高裁はFCCにはISPを規制する権限がないと判断しており、ISPはコモンキャリアではないと定義すると、ネットワーク中立性規制も自動的に無効になる。

テレビ保有は2009年から減少

エネルギー省のエネルギー情報管理局が発表したエネルギー利用調査によると、世帯の平均テレビ台数は2009年の2.6台から2015年には2.3台に減っている。また、テレビを持っていない世帯の率も2009年の1.3%から2.6%に倍増している。調査によると、世帯主が若い世帯ほどテレビの保有台数が少なく、その代わりにコンピュータ、スマートフォン等の電子製品の利用が多い。エネルギー省によると、テレビ、DVR、ゲーム機等のビデオ関連のデバイスが消費するエネルギーは家庭における電力消費の6%になっている。

スマートホーム製品の売り方

スマートホーム(コネクテッドホーム)製品は大きな市場になると期待されているが、一般消費者に簡単に理解してもらえる物ではなく、売りにくい。ビデオエンターテイメントは見れば分かるが、スマートホームはすぐには理解してもらえない。しかし、AmazonのEchoのヒットのお陰で、入り口が開き始めている。量販店のTargetは最近、サンフランシスコのスマートホーム専門ショールームのOpen House(http://openhouse.target.com)をリニューした。製品分野毎の部屋を作り、実際に製品を触り、体験を可能にするだけでなく、製品開発をしているスタートアップの人達が使えるミーティングルームもある。

Amazonは本社のあるシアトルで家庭訪問してくれるスマートホームのコンサルテーションを無料で提供し始めた。アポイントメントの予約は週7日間、8時から20時まで可能で、Amazonのスマートホーム・コンサルタントは45分間で、1)ホームWiFiの診断、2)Echo、Philipsのスマート照明、TP-Linkのスマートコンセントのデモ、3)それにAlexa音声コマンドの使い方を行う。コンサルテーションは無料だが、製品を購入し、設置してもらう場合は、ルーターとスマート・サーモスタット(温度調節)がそれぞれ$49、デバイス接続が1つ$10となっている。Amazonは同様なサービスをサンフランシスコ、ロサンゼルス、ポートランド等でも提供していく。

Best Buyもこれと同じようなIn-Home Advisorsと呼ばれるサービスを試している。Best Buyのサービスはより幅が広く、スマートホームだけでなく、ホームシアター、マルチルーム・オーディオ等の説明の為に家庭に訪問してくれる。