Google TVレイオフの背景

GoogleはAndroid TVとGoogle TVの予算を10%削減し、チームに所属する約300人の社員の25%をレイオフする。TV OSからの撤退ではなく、年内までにGeminiを導入した新しいGoogle TVを発表するが、なぜTV OSの予算を減らすのか。

Android TVは多チャンネルサービスのSTB向けOSとしては成功をしたが、スマートTV向けのGoogle TVでの成功は限られている。アメリカではRoku、Samsung(Tizen)、Fire TVが65%のシェアを持ち、Google TVとChromecastの合計シェアは8%程度である。世界的でも6%のシェアでしかない。

WBDも多チャンネル向けネットワークを分離

Lionsgateは5月に映画スタジオ事業と有料チャンネル/SVODのStarzを分離した。NBCUniversalはBravoを除く多チャンネル向けネットワークを年内にVersantとしてスピンオフする。Warner Brothers Discovery(WBD)も来年に多チャンネル向けネットワークを切り離す。1つの会社はWarner系映画スタジオ、Warnerのテレビ番組制作部門、HBO、それにHBO Maxで構成される。もう1つはCNN、TNT、Discovery等の多チャンネル向けネットワーク、それにストリーミングサービスのDiscovery+で構成される。結局はDiscoveryにCNN、TNT等が移った訳で、3年前にWarnerとDiscoveryは合併する必要が無かったことになる。しかし、2022年の時点では多チャンネルサービスにはまだ将来があるように見えていた。

スマートTVはリニア放送の敵か

テレビ受像機メーカーが放送の競合になっていると言えば、不思議に聞こえるが、スマートTVプラットフォームは広告を売り、放送広告で競争している。スマートTVがどれほど、放送/ストリーミングの視聴に影響を与えているのか。イギリスのSamsung Adsから興味深いレポートが発表されている(https://bit.ly/3GUQHj3)。

このレポートにとると、2022年ではスマートTV利用時間のトップはリニア放送、2位はNetflixで、TV OS(スマートTVのUI)の利用時間は3位であったのが、2023年では2位になっている。レポートは、2025年にはTV OSの時間がリニアTVを抜き、トップになると予想している。

ケーブル無しでNFLが視聴可能になる

Disney、Fox、Warner Brothers Discovery(WBD)のスポーツ専門のストリーミング・サービスのVenu Sportsは中止になったが、ESPNとFoxのDirect to Consumer化により、2025年はケーブルTV(多チャンネル)無しでNFL、NBA、MLB等のメージャーなスポーツを見ることが可能になる最初の年になる。

ESPNとFox Oneの影響

ESPN、それにFoxのDirect to Consumer版が秋にローンチになる。DisneyもFoxも多チャンネルサービス加入者を奪うものではなく、すでにコードカッティングをした人々への選択肢であるとし、カニバリゼーションが起きることを否定している。Foxは多チャンネルサービス加入者にはTV Everywhereとして、多チャンネルでのコンテンツのストリーミングしており、Disneyは多チャンネルサービスでのESPN加入者は無料でESPN Ultimateを利用出来るようにする。しかし、DTCサービスに加入することで多チャンネルより見ているチャンネルが安く見ることが出来るのであれば、コードカッティングする人は出る。