2010年に当時のTime WarnerのCEOであったジェフ・ビュークスはNetflixの脅威に対して「アルバニア軍が世界を制覇出来るのか」と答えた。15年後にNetflixは世界最大のストリーミング事業者になった、Warner Brothersを買収を発表した。Warner Brothers Discovery(WBD)はまず、赤字になっているCNN、TNT、Discovery等の多チャンネル向けネットワーク事業を切り離し、スタジオ、それに有料チャンネルとストリーミング事業のHBOで構成される新Warner Brothersになり、その会社をNetflixが買収する。
DisneyとYouTube TVの再送信契約の争い
DisneyはYouTube TVとの再送信契約の更新で揉めており、10月30日からYouTube TVではABC、ESPN等のDisney系のチャンネルが見られなくなっている。このようなチャンネルのブラックアウトではネットワークは広告収入を失い、多チャンネル放送事業者は加入者を失う。どちらも損害が多いので、多くの再送信契約の争いは短期で終了する。しかし、長い戦いもある。2023年のNexstarのDirecTVでのブラックアウトは76日間続いた。過去最長のブラックアウトはHBOとDish Networkで、2018年から2021年まで3年間も続いた。
DisneyとYouTube TVの争いも長期戦になる可能性がある。DisneyにはESPNと言う大きな武器がある。特に、今はNFLのシーズン中であり、NFLファンの加入者を失うので、通常の多チャンネル放送事業者であれば、すぐに折れるであろう。しかし、YouTube TVは最大のvMVPDサービスであっても、YouTube TVの収入Googleに取っては小銭である。Googleが不利になる条件であれば、長期戦も辞さないであろう。Disneyはブラックアウト期間中、1週間で$3千万の広告料を失っていると推測されている。しかし、DisneyはYouTube TVに競合するHulu with Live TVとFubo TVを持っており、ブラックアウトによりYouTube TVを脱退した加入者を獲得しており、得もある。
ATSC 3.0の普及状況
アメリカのデジタル放送規格委員会のAdvanced Television Systems Committee(ATSC)は全米75%の世帯で4K対応のATSC 3.0が視聴可能になっていると発表している。これれにより、75%の世帯がATSC 3.0を視聴している、あるいは4K放送が75%の世帯に普及している等の誤解が生まれている。しかし、実際のATSC 3.0の普及率は数パーセントであり、放送波による4Kの視聴はゼロが実情である。
テレビ放送局市場統合の始まり
放送離れが進む中、テレビ放送局は統合を進めようとしているが、これを困難にする2つの規制があった。その内の1つが廃止になる可能性が高まり、早速にテレビ放送局グループ(放送局所有会社)としては2位のGray MediaはAllen Media Groupが持つ21局の内の10局を買い、1位のNexstarは4位のTegnaの買収を発表した。
Corporation for Public Broadcastingの業務終了の影響
公共放送への政府援助が廃止になったことで、Corporation for Public Broadcasting(CPB)の主業務が9月末で終了になる。CPBは放送事業者ではなく、公共テレビのPBS網と公共ラジオのNPR網に対して、政府資金を拠出する組織である。これにより公共放送が終了する訳では無いが、与える影響は大きい。
