カッツェンバーグのQuibi

著名な映画プロデューサーのジェフリー・カッツェンバーグは昨年末にモバイル端末向けのショートビデオのストリーミング・サービスのQuibiの計画を発表した。Disneyで成功し、その後DreamWorks SKGを設立したカッツェンバーグの新しいベンチャーであり、さらにHPのCEOであった、メグ・ホイットマンがCEOとして雇われた事でQuibiは大きな話題となり、Disney、NBCUniversal、Sony、Viacom、Liberty Global、AT&TのWarnerMedia等から$11億近い投資を得た。

アドレッサブルTV広告の成長

特定視聴者だけに配信されるアドレッサブルなテレビ広告には増えており、2020年には$60億程度の規模になる。テレビ広告の市場規模は$700億であるので、アドレッサブル広告は10%近くを占める事になる。既存のテレビ広告は停滞しており、25%から30%で成長をしているアドレッサブル広告への期待が高いが、市場は断片化している。

アドレッサブルTV広告は大きく2つに分けることが出来る。1つは多チャンネルサービス上のものでeMarketerによると2020年には$33億になる。ケーブルTVより、衛星でのアドレッサブル広告の方が進んでおり、Dishは2012年からこの機能を提供している。衛星放送でのアドレッサブル広告は事前にDVRに広告を録画しておき、STB上で挿入される。衛星放送でのアドレッサブル広告が進んでいるのは全米キャンペーンが可能だからである。ケーブルTVでは、複数の事業者を使わないと全米広告が出来ない欠点がある。

♦        コネクテッドTVの普及

ComScoreの「The State of OTT, June 2019」(http://bit.ly/2Ypqm1t)によると、2019年3月時点でのコネクテッドTV保有世帯は6376.2万世帯で、1年前の5931.9万世帯から7%増えている。コネクテッドTVのデバイスとしてはストリーミング・プレーヤが3671.7万世帯保有で最も多いが、成長率ではスマートTVがトップで、1年間で23%の成長をしている。販売されているテレビの殆どはスマートTVになっており、スマートTV利用世帯は増えていく。だが、それによりストリーミング・プレーヤが消えることは無い。スマートTVのハードウェアは数年間で古くなり、アプリがアップデート出来なくなる。その時点で、TV自体を買い換えるのではなく、ストリーミング・プレーヤを買うことになる。


ComScore

テレビ放送とスポーツ賭博

ギャンブルが合法化されているネバダ州以外でのスポーツ賭博を禁じている連邦法が昨年に取り除かれた事で、放送業界でもいかにスポーツ賭博で儲けるが話題になっている。FoxはカナダのStars Groupに投資を行い、共同でFox Betsを提供する準備を進めている。今年の秋にはFox Sportsのアプリ内で賭け金なしだが、賞金を与えるゲームを始める。それをベースにスポーツ賭博が合法の州で本格的なスポーツ賭博を提供することを検討している。FoxはNFL、MLB、NASCARとスポーツ賭博を提供する話し合いを進めており、すでにFS1チャンネルでスポーツ賭博向けの番組、「Lock It In」をスタートしている。

冷えるvMVPDとホットなAVOD

Light ReadingのOTTビデオのダウンロードに関する記事(https://ubm.io/2J7n9hQ)は最近のOTTビデオのトレンドをよく表している。Evercore ISIが発表した第2四半期のアプリのダウンロード回数をまとめた「App Wrap」によると、vMVPD(OTTで