ストリーミング用語の定義統一

ストリーミングに関する用語は人によって使い方が異なり、混乱の原因となる。ケーブルTV向け広告の促進団体のVideo Advertising Bureau(VAB)、ケーブルTV広告販売組織のAmpersand、それにケーブルTV事業者のComcast等は広告販売で良く使われている用語の定義対するガイドラインを発表した。

  • Streaming: インターネットで提供されている動画配信に対しては「Streaming」を使う
  • Traditional TV: ケーブル、電話事業者の回線、衛星、それに地上波で提供されている動画配信には「Traditional TV」を使う
  • Multiscreen TV: 複数のテレビ/ストリーミング向けエンドポイントがある場合は「Multiscreen TV」を使う
    • Multiscreen TVの代わりに「Traditional TV and Streaming」と言うことも可能
    • Connected TVはデバイスに対して使う
    • Premium Videoとは信頼出来るブランドに危害を与えない環境で配信される品質の高い動画
    • Linearとは決まったスケージュールで視聴されるコンテンツに対して使われ、Traditional TVだけでなく、FASTのようにStreamingの可能性もある
    • Traditional TVであってもケーブルTVがIPベースになることで、広告はダイナミックに挿入されるようになる

ファーストパーティー・データの利用

ストリーミングによる大きな変化の1つは配信者が視聴データを持つようになったことである。広告取引のためには第三者による視聴調査が必要だが、ストリーミング事業者は視聴者数が少なく測定されていると批判している。Nielsenはビッグデータの一部とし、スマートTVからのデータ以外にファーストパーティ・データも加えている。VideoAmpは新しいメディアプラニング・ツールのVXPには同社の視聴データに加え、Disney、Paramount Global、それにFoxからのファーストパーティ・データを提供する。VXPはUpfrontに間に合うタイミイグで提供が開始になる。

SVODサービスのスポーツが70%増える

全体に占める規模は少ないが、SVODサービスのライブラリーに含まれるスポーツ・コンテンツの規模が増えている。Nielsenの子会社でコンテンツのメタデータを販売しているGracenoteによると、Netflix、Amazon Prime Video、Apple TV、Disney+、それにParamount+の5つのSVOD事業者が2025年Q1に提供したスポーツ・コンテンツは1200本で、前期の700本から71.5%の増加があった。


Gracenote

NBAユタ・ジャズの放送収入が50%減る

多チャンネルサービス加入者の減少により、RSN(地域スポーツネットワーク)の視聴者が減っている。NFLはリーグが全試合の権利を持ち、全国放送されない試合はNFL Sunday Ticketとしてパッケージし、YouTubeが販売している。MLB、NBA、NHLは全国放送されない試合は各チームが権利を持つ。それらの試合はチームのある地域のRSNが多チャンネルで放送していた。RSNの再配信料は1加入者あたり、月数ドルだったのが、大きなチームの地域では$8近くになり、RSNと契約しない多チャンネル事業者が増えた。

RSNの代わりにいくつかのチームは地域の地上波局と契約をした。NBAのユタ・ジャズはKJZZ局と契約し、有料ストリーミングサービスのJazz+を立ち上げ、一部の試合は地上波でも放送している。しかし、CNBCのインタビューでチームのオナーは収入はRSNの時と比べると半分になってると答えている。だが、リーチはRSNの時の330万人から倍増しており、新たなファンの獲得に貢献するとして、肯定的に見ている。

MLBとESPNが契約を解消

MLBは35年間続いたESPNとの放送契約を2025年シーズンを最後に解消することを発表した。発表で双方の合意となっているが、ニュースメディアはESPNが解約の通知を先に行ったと報道している。最大のスポーツ専門のESPNの戦略は簡単で、メージャー・スポーツの権利を出来るだけ多く取ることであった。しかし、スポーツファンの多様化、それにメージャー・スポーツの権利の高騰でこの戦略は使えなくなっている。MLBは欠かせないコンテンツであったが、ファンは減少し、高齢化している。MLB等のメージャーなスポーツに多額の権利金を払う代わりに、将来性があるが、また権利金が安い、スポーツに投資するオプションもある。MLBに取ってもESPNの代わりに、Amazon、Netflix等と契約した方が、ファン年齢も若返る可能性もある。