フランスのCanal+は同社が携帯電話事業者のSFRとBouguess Telecomのネットワーク上で提供しているモバイルTVサービスへの加入者が25万を超えたと発表した。Canal+はモバイルTVを3G、3G+、EDGE上で2005年から提供を開始し、現在ユーモア、映画/シリーズ、スポーツ/情報、エロティックの4つのカテゴリーで50のチャンネルを提供している。Canal+はまたその有料放送サービスのフランスでの加入者数は2007年末で530万に達した事も発表した。
ソニーがPlayTVを販売開始
ソニーはPlaystation 3にDTTチューナ、DVR機能を加える事が出来るPlayTVを欧州で3月28日から販売を開始する。PlayTVはフランス、イタリア、ドイツ、スペイン、英国の5ヶ国で販売する。英国での販売価格は130ポンド。PlayTVは2つのDTTチューナを持ち、放送を視聴しながら、別の番組を録画する事が出来る。また、番組をIPで再送信する機能も持ち、インターネット接続したPCからPlayTVで受信している番組、あるいはDVRされた番組を視聴する事も出来る。
ホワイトスペースのテストがまた中断
マイクロソフトはTVの空いているチャンネル帯域(ホワイトスペース)をワイアレス通信にライセンス無しで使えるようにする事を求めている。コンシューマ製品でこれを使う場合、無線機が障害を与える可能性のある放送、あるいは同じ帯域を使っているワイアレスマイクが無いかを自動検知する必要がある。マイクロソフトはテストデバイスをFCCに提供し、テストが行われている。最初のテストは失敗が、これが2回目のテストである。デバイスの問題からこのテストをFCCが中止したとのニュースが流れると、ホワイトスペースのライセンス無しの利用には猛反対をしている、放送局代表のNABは2度目テスト失敗として大々的に取り上げた。しかし、マイクロソフトによると、テストが中止になったのはデバイスの電力サプライの問題で、テストに失敗したのでは無いと反論している。
CESからのニュース
1月8日から10日まで、CESが開始された。今年のCESの参加者は約13万人で、2007年の143,695よりダウンした。CESからの多チャンネルサービス関連のニュース。
- DBSサービスを提供するDish Networkと別会社になったEchoStarはハードウェア会社である事をアピールした。特に注目されたのはデジタルTVコンバーターのTR-40とTR-50。TR-40はデジタル放送をアナログTV向けにコンバートする、NTIAのクーポンで購入出来るベーシックなコンバーターだが、値段は$39.99と安く、$40のクーポンだけで入手が可能。同社はTR-50と呼ばれる、DVR機能を追加した製品も発表した。TR-50はCESの「Hottest Home Video Product」を得た。TR-40、TR-50共に、EchoStarブランド以外に、同社が買収したSlingのブランドでも発売される。
- EchoStarはまた、そのSling社の製品をDish Networkだけでなく、その競合のケーブルTV事業者、IPTV事業者にも売っていくことを発表した。その一環として、同社はSlinbgModemと呼ばれるケーブルモデムを内蔵したSling Mediaのバージョンも発表した。
- CableLabsはその標準ミドルウェアのOCAPの名称をTru2wayと変えた。これは、OCAP製品をコンシューマに売り込む事を考えてのことである。CEAは機能を削ったDCR+を規格として売り込んでおり、Tru2wayは本当の双方向サービスの規格である事をアピールする。
- ComcastとPanasonicはTru2wayと名前が変わって最初のOpenCableミドルウェア対応の製品として、ポータブルDVRのAnyPlay Portable DVRを発表した。AnyPlay DRVは通常のDVRの様に家庭に設置出来るが、8.5インチのLCDディスプレイを持つ「P-DVR」をドックステーションから外し、外に持ち出し、録画したビデオを見ることが出来る。AnyPlay DVRはその他、DVD、CDの再生も出来る。
- Comcastはまた、そのVODのライブラリーを飛躍的に増やす、Project Infinityを発表した。ComcastはHDのコンテンツ数で、DirecTVと戦いをしているが、Comcastは主要なHDチャンネルを提供し始めるだけでなく、年末までに毎月提供するVODでのHDの映画の数を1000以上にする。現在、Comastが毎月提供するVODの映画は1300程度であるが、それを6000タイトルに増やす。Comcastはまた、昨年夏からベータテストしてきた、インターネットポータルのFancastを正式に発表した。FancastではViacom、CBS、NBC、ABC、Lifetime等のチャンネルが提供する9万以上動画を見ることが出来る。
- MSO経由の販売だけでなく、家電店での販売を行うことを昨年発表した、STBベンダーのDigeoはインターネットのコンテンツにアクセス出来る事をアピールし、そのコンテンツパートナーとして、写真シェアリングのYahoo! Flickr、音楽ダウンロードのFinetune、ゲームのAccedo Broadband、情報サービスのCloverLeaf Digitalとの契約を発表した。しかし、ポール・アランをバックに持つ、Digeoは売上げを増やすことに苦労しており、その社員の半分にあたる80人をレイオフしている。Digeoは8つのMSOと契約があり、これまでに約40万台のSTBを設置している。
- MicrosoftはIPTV向けに100万台のSTBを出荷した事を発表した。MicrosoftのSTB、Mediaroomは18ヶ国の20の事業者が採用している。Microsoftはまた、Mediaroomの新機能として、1台のDVRに録画された番組を他のSTBからも視聴可能にするマルチルーム機能を発表した。接続には同軸ケーブル上でIP送信を行うMoCAが使われる。
PEGチャンネルのデジタル移転問題
ケーブルTVはDirecTVに追いつこうとHDチャンネル数を増やそうとしている。しかし、帯域の上限があり、チャンネル数を増やすことは簡単に出来ない。最も簡単なソルーションはアナログで放送されているチャンネル数を減らし、デジタル帯域を増やすことである。しかし、ポピュラーなチャンネルを無くす事は、アナログサービスへの加入者を怒らせることになる。アナログで送信する事を辞めても影響が少ないのは視聴率の低いチャンネルである。どのチャンネルが視聴率が低いか? 答えはPEGチャンネルである。PEGはPublic、Education、Governmentの頭文字から来ており、ケーブルTV事業者がフランチャイズ契約の一環として、自治体に無償で提供している、公共放送のチャンネルである。自治体によっては、ケーブルTV事業者とPEGチャンネルの契約があっても、公共放送を行っていない場合もあるが、多くの自治体では市議会の中継をしたり、コミュニティーカレッジの講義を放送したり、何らかの形で、1、2チャンネルはPEG放送をしている。
ケーブルTV事業者はこれまで、静かにPEGチャンネルをアナログ放送の対象から外し、デジタルパッケージに動かし始めていた。アナログ放送で無くなる事で、PEGを見られるのはデジタルサービスへの加入者に限定されることになるが、PEGチャンネルを見ている視聴者は少なく、自治体の多くもその情報の発信にはPEGチャンネルではなく、ウェブサイトを使うようになっており、PEGをアナログで放送する事を止めることに難色は示していなかった。
しかし、今回、ミシガン州でComcastがPEGチャンネルのアナログ放送を中止する事に対して、連邦裁判所はこの差し押さえを命じた。Comcastは1年間無料で、デジタルSTBを加入者に提供する事で、自治体からの了承を取り付けようとしたが、連邦会員議会のエネルギーと通商委員会はPEGチャンネルのアナログ送信を止めることは問題があるとして、連邦裁判所に判定を求めた。
下院議会の通信とインターネット小委員会ではPEGの扱いに関する公聴会が開催された。この場で、Comcastはミシガン州のフランチャイズ当局と十分な連絡を行わずに決定を発表したことで誤解を招いたと謝罪し、フランチャイズ当局が合意出来る決定を行うことを約束した。
これで、Comcastは難を逃れたが、AT&Tが批判を浴びることになった。公聴会に呼ばれたPEGチャンネルを代表するAlliance of Community Media(ACM)はAT&TのU-verseはPEG チャンネルを公平に取り扱っていないと批判した。ACMによると、AT&TはPEGチャンネルに対しては字幕の表示を不可能にし、DVRの録画も出来なくし、解像度は他のチャンネルより25%低く、さらにチャンネルに切り替えてから映るのに40から90秒もかかる。AT&TはPEGチャンネルは通常のチャンネルとは異なる方法で伝送をしている。PEGチャンネルには専用のチャンネルは与えられずに、99チャンネルで全部のPEGチャンネルを送っている。AT&TはPEGを異なる方法で伝送している事は認めているが、これを差別している事は否定している。
