屋外ディスプレイ向けの番組配信

薄型ディスプレイの普及は家庭だけではない。場所を取らないディスプレイの登場によりモール、店舗、タクシー、ガソリンスタンド等、様々な場所にTVモニターが登場している。多くは、ディスプレイ看板として、その店舗等に特有の情報を流していたが、それだけではなくなっている。屋外のディスプレイ専門の番組配信ネットワークが登場している。

その1つが、Gas Station TV(GSTV)である。その名の通り、ガソリンステーションのポンプに設置されたTVディスプレイ向けに番組を提供している。GSTVはそのIPTVネットワークでニューヨーク、LA、シカゴ、サンフランシスコ、ダラス、ヒューストン、アトランタ等、325以上の都市で、ガスステーションのポンプ上の設置されたTV、5,000台以上向けにそのコンテンツを配信している。コンテンツ事業者としてはCBS、ESPN、AccuWeather.comと契約している。GSTVの競合としてはPumpMediaがある。同社もGSTV同様にガソリンポンプのディスプレイ向けにAccuWeather、Associated Pressのコンテンツを配信している。ともに、広告を掲載し、それにより収入を得ている。

大手ネットワークもこのトレンドを無視してはいない。CBSは最近GSTVと契約し、CBS News、その他娯楽コンテンツをGSTVで配信し始めた。また、CSBは10月にSignStoreyという会社を7,100万ドルで買収し、CBS Outernetと社名を変更した。CBS Outernetは1400のスーパーマーケットにTVディスプレイを設置し、番組を配信している。CBS Outernetはさらに、RippleとAutomotive Broadcast Network(ABN)とも契約をした。RippleはBorder、Coffee Beans & Tea Leaf等の店舗と契約し、1,500台のディスプレイを設置しており、ABNは自動車ディーラにディスプレイを設置している。

NBCはこの1月にNBC Anywhereの設立発表を行った。NBC AnywhereはIdeaCastとの契約で、IdeaCastが持つ、900以上のジムに設置されているTVディスプレイに対してNBC @ The Gymと呼ばれる、MSNBC、CNBCコンテンツの配信を行う。IdeaCastが契約している900のジムの加入者数は合計で1,300万以上になる。IdeaCastはジム向けて衛星で番組を配信している。また、NBC AnywhereはThe University Network(TUN)との協力で、NBC On Campusと呼ばれる、大学キャンパスへの配信も行う。TUNは181の大学と契約し、283台のディスプレイを設置しいる。

屋外TVディスプレイの数は全米で130,000の場所に、500,000台が設置されていると推定される。薄型ディスプレイの値段が下がることで、設置台数は今後さらに増えていくことは必然的である。調査会社のProfitable Channelsはデジタル広告の市場規模は現在、15億ドルで、年率25%の成長をしている

Frontlineが倒産

700 MHzオークションにおいて、公共安全向けの帯域と一緒になっているDブロックの入札に最も積極的であった、元FCC会長のリード・ハント氏が設立したFrontline Wireless社が倒産した。FrontlineはFCC
オークション参加の登録をしたが、1.28億ドルの保証金の支払いが出来なかった。

アナログ停波で空く、700 MHz帯域の一部を公共安全に使うことが決まっているが、それをいかに行うかが大きな議論であった。Cyren Call社は競売無しで、30 MHzのライセンスを民間会社に提供し、その代わりにその会社がネットワークを構築し、公共安全の機関にリースすると同時に、民間へもサービスを提供するアイデアを提案した。しかし、議会は帯域を無料で提供する事に難色を示した。オークションから出来るだけ多くの収入を得たい議会に応え、FCCは公共安全の帯域を30 MHzから、24 MHzに減らす事を決定した。

FrontlineはこのFCCの決定を元に、Cyren Callの案に手を加え、オークションされる10 MHzと公共安全向け帯域の内の10 MHzを一緒にし、ネットワークを構築する事を提案した。この10 MHzを落札した会社は、公共安全の10 MHzを加え、20 MHzのネットワークを作り、その半分を公共安全、半分を民間に販売する事になる。FCCは基本的にこの案を取り入れ、Dブロックの条件とした。

しかし、FCCはDブロックの最低金額を13.3億ドルとし、Frontlineはこれは高価すぎると難色を示していた。Frontlineの倒産で、Dブロックの競売は不明瞭になる。Frontlineに代わり、Verizon等の大手が参入する可能性もあるが、他の帯域も購入する必要があり、13.3億ドルの投資が出来るかは問題である。

Cブロックは47億ドルで落札決定?

700 MHzのオークションは2月1日で26ラウンドを終了した。オープンアクセスの条件が付く、Cブロックには17ラウンドで最低金額の46億ドルを超える47億ドルの入札があった後、47億ドルを超える入札は無く、47億ドルで落札される物と思われる。入札している会社名は発表されていないが、CブロックにはGoogleとVerizonが入札する意志を示していた。

26ラウンドで入札金額は合計で185億ドルを越えた。Frontlineの倒産で話題になっているDブロックは4.7億ドルの入札があるが、最低金額の13.3億ドルを大きくと割っており、このオークションでは落札されそうにない。

UTOPIAの問題

ユタ州の11の自治体が参加しているブロードバンドプロジェクトのUTOPIA(Utah Telecommunications Open Infrastructure Agency)が予想した加入者を選らずに問題があるとSalt Lake City Tribune紙が報じた。UTOPIAは自治体が開始したブロードバンドプロジェクトとして注目をされていたが、SLCT紙は現時点では2.2万の加入者で500万ドルの収入があるはずが、たった6500の加入者しかなく、収入も175万ドルでしかない。UTOPIA以外にユタ州ではプラボ市がiPravoと呼ばれる自治体ベースのブロードバンドサービスを提供している。IPravoは10,300の加入者を得ているが、毎月、その120を失い、加入者数は減っている

DTV移行

NABが2008年1月に行った調査ではTV視聴世帯の79%がデジタル移行を知っているとの結果が出た。この結果はNABが1年前に行った調査より倍以上の認知度になっている。さらにNABの調査ではアナログ放送のみに頼っている世帯ではデジタル移行を知っているのは83%と高かった。しかし、ほぼ同時に発表になったConsumer Report誌の調査結果ではデジタル移行を知っているのは64%であったが、その74%には誤解があることを指摘している。例えば、同誌の調査ではデジタル移行で放送の受信が不可能になるアナログ放送だけに頼っている世帯の24%はデジタル移行の影響は無いと答え、25%は影響があるか、無いか分からないと答えている。

また、1月中旬の時点でDTVクーポンへの申し込みは178万を超えた。受理されたクーポンの枚数は330万で、ほとんどの申込者が2枚を申し込んでいることになる。DTVクーポンはアナログTVでデジタル放送を視聴可能にするDTVコンバーターの購入の際に$40の割引を得られる。コンバーターは$40~$60で販売される。NTIAは最初の2,225万枚のクーポンを世帯の条件無しに、1世帯最大2枚まで支給できる。その後は、1,125万枚を多チャンネルサービスに未加入で、アナログ地上波放送のみに頼っている世帯に支給できる。申し込みの受付が始まった1月1日には70件以上の申し込みがあったが、申し込み件数は7万枚程度に落ちている。