Fox、NBAが3D放送をテスト

Foxは1月8日に行われる大学フットボール試合のFedEx BowlをCES会場と全米80のデジタル対応の映画館に向けて放送をする。この放送はソニーと3D技術を提供するRealDがスポンサーする。

これとは別にプロバスケットボール・リーグのNBAもTurner Sportsとの協力で3D放送のテストを行うことを発表した。NBAは2月14日に行われるオールスター戦を全米80のデジタル対応映画館に向けて放送をする。

入場券は$18~$22で販売される。12月始めにはフットボールリーグのNFLがそのサンディエゴで行われた試合をロサンジェルス、ボストン、ニューヨークの映画館で放映している。

CableCard STB設置は980万台

ケーブルTV加入世帯の約90%を構成するトップ10事業者が出荷したCableCard対応のSTBは980万台に達した。2007年7月1日より、ケーブルTV事業者の貸し出すSTBはCASを内蔵する事は出来なく、CableCardとして別途提供する事が義務付けられている。また、TiVo DVR、ケーブル対応TVセット等向けのCableCard自体の出荷台数は392,000台になっている。

増加する再送信料金

多チャンネル事業者が地上波再送信を行う場合、それが地上波再送信義務に基づいた物であれば、地上波放送局は再送信料金を多チャンネル事業者に求め事は出来ない。しかし、放送局は再送信義務を辞退し、多チャンネル事業者と独自に契約をする事も可能であり、再送信料金を求める事も出来る。通常、視聴者の多い大手ネットワーク系は独自交渉を行い、小さな局は再送信義務の適用を受けている。ケーブルTV事業者が多チャンネル市場を独占していたいた時代では放送局は再送信料金を求める事は殆ど無かった。もし、ケーブルTV事業者がそれをそれを拒否した場合、放送局は多チャンネルサービスで地上波を視聴している世帯を失うことになる。放送局は契約条件に広告の購入を含める等の間接的な支払いを求めたが、再送信に対する支払いを求めることはまれであった。

DBS事業者が地上波再送信を開始する事で、状況は大きくと変わった。地上波再送信を始めたDBS事業者は地上波放送局と契約をする必要があり、再送信料金の支払いを行った。そして、地上波放送局はDBSのシェアが伸びると共に、ケーブルTV事業者に対しても再送信料金を求め始めた。多チャンネルサービス市場はケーブルTVの独占では無くなり、もしも、ケーブルTV事業者が地上波放送局との再送信交渉が出来ず、大手ネットワークのチャンネルが放送出来なくなれば、加入者はDBSに乗り換える事が出来る。

2008年はこのトレンドがはっきりと表れた年であった。SNL Kagan社の調査では6つの大手地上波局保有会社が2008年の最初の3つの四半期で得た再送信料金は1.24億ドルで、2007年同期の9410万ドルから32%増えている。SNL Kaganの推定では2008年の再送信料金の全体は4.875億ドルであった。この内、DBS事業者がその59%にあたる、2.872億ドルを支払っている。ケーブルTV事業者のシェアは33%で、1.607億ドルで、電話事業者が8%の3960万ドルを支払った。

SNL Kagenは再送信料金の請求はさらに進み、2012年には13.318億ドルになるとの予想をしている。これまで再送信料金の支払いが少なかった、ケーブルTV事業者がその加入者分の料金を支払うことで、ケーブルTV事業者による負担が大きくと増え、現在の33%から2012年には50%に達する。また、加入者の増加が予想される電話事業者のシェアも8%から15%に増える。

再送信料金の支払額(百万ドル)

2008年

2012年

ケーブルTV

$160.7

$668.2

DBS

$287.2

$462.2

電話事業者

$39.6

$201.4

合計

$487.5

$1,331.8

SNL Kagan

アナログ停波への準備

このThe Compassが出版になる時点で、アナログ停波は約5週間後に迫ることになる。12月中旬にNielsenが発表した統計は、TV視聴世帯の90%は2月17日のアナログ停波を知っているが、その対応方法に関しては間違いが多く、25%は多チャンネルサービスに加入しないとTVが見られなくなると信じていた。NielsenはTV視聴世帯の6.8%はアナログ停波に完全に未対応だと発表している。未対応の世帯は11月7.4%より減っている。しかし、一部未対応の世帯がさらに10%あり、準備状況は良いとは言えなえない。

準備状況のテストとして12月17日にワシントンDCと29の州で一時的なアナログ停波が行われた。アナログ停波テストに参加した局は数分間、アナログ放送を中断した。多くの局はアナログ停波テストに先立ち、警告メッセージを流し、実際の停波中もアナログ停波の準備に関する相談が行える電話番号を流した。例えば、10月にボストンで行われたアナログ停波テストでは、地元の公共放送のPBS局のWGBHが中心となり、停波テストを行った局は停波中、WGBHにチャンネルを変えるよう促すメッセージを流し、WGBHはアナログ停波に備える為に制作した特別番組を一日中放送し続けた。

また、カリフォルニア州のチコ/レッディング地域は12月22日で、4つある局の内の3局が一足早くアナログ放送を完全に停波した。

アナログ停波が近づくに連れ、DTVコンバーターのクーポンの申請も増えており、商務省は2008年12月の方半に予算が足りなくなる可能性がある事を発表した。この時点での推定では、予算の不足が起きるのは1月末から2月であったが、12月末にクーポンへの申請が殺到し、1月5日にクーポンプログラムを運営している、National Telecommunications & Information Administrationは予算分のクーポンの発行が終わった事を発表した。これ以後の申請は待ち名簿に載せられ、クーポンが失効した時点で、発行が行われる。クーポンの有効期限は90日間で、現時点のクーポンの失効率は40%であり、2月17日までは毎週351,000枚、2月17日から3月16日までは毎週495,000枚、3月末までは655,000枚のクーポンが失効する計算になる。しかし、今後はクーポンの利用率は増え、失効は減る可能性も高い。これまでに4190万枚のクーポンが2410万世帯に送られ、その内、1800万枚が利用されている。

2月17日までに準備状況を100%にする事は不可能であり、アナログ停波後に混乱が起きることは必然的である。これを最低限に止める為に、連邦政府はアナログ放送の終了を30日間延期し、放送局はデジタル移行後、30日間、アナログチャンネルに置いて対応方法に関するメッセージを流すことを可能にする法案を通過させた。デジタル移行に関するメッセージ以外、天災、大事故等に関する警告も放送する事が出来る。しかし、参加はボランティア・ベースであり、参加の義務は無い。また、アナログ放送を続ける事が出来る局は、公共安全帯域に使われる52~69チャンネルは使えなく、2~51チャンネルに限られ、さらにデジタル放送に干渉する可能性があるチャンネルも使えない。このため、FCCの発表では210のTV市場の内、35%にあたる74地域では対応する局が存在しない。

この準備状況に不安を持ち、アナログ停波の延期を求める意見が出始めている。その一人はオバマ次期大統領で、同氏の政権移行チームは上院通商委員会と下院エネルギーと通商委員会に宛てて、アナログ停波の延期を求める手紙を送っている。下院の電話機通信とインターネット小委員会のマーキー委員長、それに消費者団体のConsumer Unionも延期を支持している他、4大ネットワークのABC、CBC、Fox、NBCも延期の支持を表明している。

自動車向けモバイル放送

2009年は自動車向けモバイル放送にとり、重要な年になる。自動車向けのオプションとして、後部座席向けのビデオモニターとDVDプレーヤで構成されるRSE(Rear Seat Entertainment)システムがポピュラーになっており、この市場に向けた放送サービスに関する関心が非常に高まっている。

現在のサービスとしては、自動車向けの衛星ラジオ事業者のSirius XMがSirius Backseat TVと呼ばれる、子供向けの3つのチャンネルで構成される放送サービスを月額$7ドルで提供している他、DirecTVが月額$50のTotal Choice Mobileを提供している。Backseat TVは既存のSiriusラジオのアンテナと$300ドルのチューナで受信出来るが、DirecTVを車から受信するには、$3000する、車の幅近くある円盤形のアンテナとチューナを購入する必要がある。

3つめのオプションとして、AT&TとRaySat Broadcasting社は2009年春にAT&T CruiseCastと呼ばれる自動車向けの多チャンネルサービスを立ち上げる事を発表している。CruiseCastはIntelsatの衛星トランスポンダーを使い、22のテレビチャンネルと20の音楽チャンネルを提供する予定である。サービスの価格は月額$28だが、アンテナとレシーバは$1300と高価である。衛星放送を途切れなく、受信するには通常は地上リピーターを設置する必要があるが、CruiseCastは3分間のバッファーを使い、トンネル等の衛星からの電波が届かない状況でも放送が途切れないように対応をする。

CruiseCastは主要な多チャンネルネットワークのDisney Channel、Nickelodeon、Comedy Central。USA、MSNBC等を提供すると発表しているが、その契約はまだ完了していない。ドライブ時間が長い、アメリカでは子供達を静かにさせておくためにRSEは効果のある物であるが、その為にどの程度の人が月額$28ドルのサービスに加入するかは不明である。CruiseCastのアンテナはDirecTV向けのKVH Industriesが提供する物より、小型で、安いが、それでも$1300もする。

CruiseCast

携帯電話向けのモバイル放送を行っているQualcommのMediaFLOもRSE向けのサービス参入を行っている。MediaFLOは12月にその為のテストを行った事を発表した。テストはトヨタとの協力でサンディエゴで行われた。MediaFLOはこのテストにより、現実的な環境で、移動中の車の中から高画質映像を途切れなく受信する事が可能であったと発表した。そして、同社はCESにおいて、Audiovox社をパートナーとして、自動車向け市場に参入する事を発表した。AudiovoxはMediaFLOのサービスを車から受信する為のアフターマーケット向けのレシーバーを提供する。チャンネルラインアップ、料金等は発表されていない。現在、MediaFLOはAT&TとVerizonが月額$15で、10から15チャンネルのサービスを提供している。