多チャンネル事業者が地上波再送信を行う場合、それが地上波再送信義務に基づいた物であれば、地上波放送局は再送信料金を多チャンネル事業者に求め事は出来ない。しかし、放送局は再送信義務を辞退し、多チャンネル事業者と独自に契約をする事も可能であり、再送信料金を求める事も出来る。通常、視聴者の多い大手ネットワーク系は独自交渉を行い、小さな局は再送信義務の適用を受けている。ケーブルTV事業者が多チャンネル市場を独占していたいた時代では放送局は再送信料金を求める事は殆ど無かった。もし、ケーブルTV事業者がそれをそれを拒否した場合、放送局は多チャンネルサービスで地上波を視聴している世帯を失うことになる。放送局は契約条件に広告の購入を含める等の間接的な支払いを求めたが、再送信に対する支払いを求めることはまれであった。
DBS事業者が地上波再送信を開始する事で、状況は大きくと変わった。地上波再送信を始めたDBS事業者は地上波放送局と契約をする必要があり、再送信料金の支払いを行った。そして、地上波放送局はDBSのシェアが伸びると共に、ケーブルTV事業者に対しても再送信料金を求め始めた。多チャンネルサービス市場はケーブルTVの独占では無くなり、もしも、ケーブルTV事業者が地上波放送局との再送信交渉が出来ず、大手ネットワークのチャンネルが放送出来なくなれば、加入者はDBSに乗り換える事が出来る。
2008年はこのトレンドがはっきりと表れた年であった。SNL Kagan社の調査では6つの大手地上波局保有会社が2008年の最初の3つの四半期で得た再送信料金は1.24億ドルで、2007年同期の9410万ドルから32%増えている。SNL Kaganの推定では2008年の再送信料金の全体は4.875億ドルであった。この内、DBS事業者がその59%にあたる、2.872億ドルを支払っている。ケーブルTV事業者のシェアは33%で、1.607億ドルで、電話事業者が8%の3960万ドルを支払った。
SNL Kagenは再送信料金の請求はさらに進み、2012年には13.318億ドルになるとの予想をしている。これまで再送信料金の支払いが少なかった、ケーブルTV事業者がその加入者分の料金を支払うことで、ケーブルTV事業者による負担が大きくと増え、現在の33%から2012年には50%に達する。また、加入者の増加が予想される電話事業者のシェアも8%から15%に増える。
| 再送信料金の支払額(百万ドル) |
2008年 |
2012年 |
| ケーブルTV |
$160.7 |
$668.2 |
| DBS |
$287.2 |
$462.2 |
| 電話事業者 |
$39.6 |
$201.4 |
| 合計 |
$487.5 |
$1,331.8 |
SNL Kagan
