インターネットビデオ視聴の減少

Nielsenが発表したデータによると、2010年3月におけるインターネットビデオの視聴者数は前年同期比で1.3%の成長をした物の、前月比では0.4%の減少で、合計ストリーム数、視聴者平均ストリーム数、それに平均視聴時間は前年同期比でも減少を見せた。

アメリカでのインターネットビデオ視聴(‘10年3月)
‘10年3月 前年同期比 前月比
ユニーク視聴者(000) 131,736 1.3% -0.4%
合計ストリーム数(000) 9,261,438 -4.2% -10.1%
視聴者平均ストリーム 70.3 -5.5% -9.8%
視聴者平均視聴時間(分) 183.4 -3.8% -5.5%

最も視聴者が多かったサイトは依然としてYouTubeであるが、前月比で-11.7%の減少をした。しかし、Googleサイトでの視聴者は122.9%の増加を見せている。2位はYahoo!、3位はFacebookであった。

視聴者の多いサイトのトップ10
ユニーク視聴者(000) 前月比
YouTube 96,075 -11.7%
Yahoo! 30,469 19.4%
Facebook 23,338 3.6%
Google 15,241 122.9%
MSN/Windows/ Live/Bing 14,828 -21.9%
Hulu 12,196 -13.7%
CNN Digital Network 10,992 -19.0%
Disney Online 8,966 40.3%
Fox Interactive Network 8,944 -20.0%
ESPN Digital Network 7,378 -0.6%

The Nielsen Company

視聴者が多いのはYouTubeであるが、平均視聴時間では、YouTubeは10位でしかない。視聴時間が最も多いサイトはNetflixで、2位のHuluを大きくと引き離している。

平均視聴時間の長いサイトのトップ10
視聴時間(分) 前月比
Netflix 428.9 963.1%
Hulu 272.4 11.3%
ABC Family 183.3 -9.9%
Tudou.com 163.4 47.5%
Justin.tv 162.4 55.7%
Stickam 155,4 86.6%
Magavideo 140.3 -12.3%
Veoh 137.3 179.8%
StageVU 96.2 5.6%
YouTube 93.7 -13.2%

The Nielsen Company

Huluの有料化?

Los Angeles Timesは、Huluが早ければ、5月24日にも有料化のテストを開始すると報道した。LA Timesによると、有料サービスは、Hulu Plusと呼ばれ、月額$9.95になる。無料サービスも引き続き提供されるが、視聴可能なエピソードは、過去5週間と限定され、前のシーズンを含め、それ以前のエピソードの視聴には、Hulu Plusへの加入が必要になる。現在、Huluで提供されている番組の殆どは、過去5エピソード分であり、無料サービスには変化はなく、有料で、それ以前のエピソードが見られるようになる。

この背景には、TV番組のDVDコレクションの売上げの大きな減少がある。DVDの売上げは下がっている。Strategy Analytics社によると、DVDの売上げは2009年は9%落ち、2010年には12%下がると発表している。中でも特に売上げが減っているのはTV番組のDVDコレクションである。TV番組のDVDセットは$50近い値段で、高価であり、ネットワークの良い収入源であった。しかし、TV番組がインターネットで配信され始めたことで、売上げは減っている。

テレビ番組のファンに取り、DVDセットの大きなアピールは、特典、特に監督と俳優のコメントであった。しかし、これらの特典もインターネットで配信されるようになっている。ABCは特典ビデオをインターネットで配信するだけでなく、一部の番組をコメント入りで配信し始めている。監督、脚本家、俳優等のコメント入りで 番組を配信する事は、ソーシャルネットワーク化であり、ファンがそのコメントに対するコメントを書き込む事で、ヒット数が増え、広告収入が増える事になる。しかし、これまではDVD化になるまで、聞けなかった番組関係者のコメントもインターネットで配信される事で、TV番組のDVDセットの売上げ減少を招いている。

別のHulu関係のニュースで、イギリスのDaily Telegraphは、Huluは英国参入を断念したと報道している。同紙によると、ITVがHuluに対して独占権を拒否したのと、チャンネル4と5が広告販売を自ら行うことを求めた事がその理由。

TVのインターネット接続

TVでインターネットビデオを視聴している世帯が増えているが、その多くはインターネット対応のTV、あるいは専用のSTBを使っているのではなく、ゲーム機、あるいはPCをTVにつなぐことで、インターネットビデオ対応にしていると、調査会社のParks Associates社は報告している。同社によると、インターネットに接続したゲーム・コンソールを使って、TVでインターネットビデオを視聴している世帯は2009年末で、1700万世帯で、2008年末より64%増えている。PCをTVに接続している世帯は、2008年より36%増の、1100万世帯であった。

また、別の調査会社のThe Diffusion Group社によると、ゲームコンソールの内で、最もインターネットに接続されている確率が高いのはPlayStation 3で、78%のユーザがインターネットにつないでいる。2位はXbox 360(73%)、3位はWii(54%)であった。
インターネットビデオをTVで見る方法

Park Associates

YouTubeの有料サービス

2010年2月号で、YouTubeが有料のVODサービスのテストを開始した事を書いたが、4月22日に、大きな発表をする事無く、本格的にサービスを開始した。提供されているのは、テスト期間中のインディー物だけでなく、メージャースタジオの映画も加わり、1本、$1.99から$3.99で提供されている。48時間以内であれば、何度でも見ることが出来る。インターネットを使った映画のVODにはiTunes、Blockbuster、Netflix、Amazon等が参入している。

NetflixがIrdetoのCASを採用

インターネットでの映画VODのサービスとしてNetflixが著名になることで、そのDRMを破ろうとするハッカーが増えている。すでに、インターネット上にNetflixがこれまで使ってきたMicrosoft開発のDRMを破り、映画をHDDに録画する方法が公開されている。Netflixはそのセキュリティーの強化の為に、IrdetoのCloakwareを採用する事を発表した。IrdetoはCloakwareをTV Everywhere向けのCASとして売り込んでいる。Iredetoは北京とアムステルダムに本社を持つ会社で、2007年にCloakwareを7270万ドルで買収している。