WBDが分離を検討

Warner Bros. Discovery(WBD)は2021年にAT&Tから分離されたWanerMediaとDiscovery Communicationsが合併して出来た会社だが、分離が検討されている。理由は株価が下がっているためで、同社の時価総額は過去1年で3分の2になっている。WBDには合併時の出来た$390億の借金があり、Paramount Globalのように買収の対象にはなりにくい。成長分野を別会社にすることで、株価の上昇を期待している。

検討されているのは放送(多チャンネル向けネットワーク)事業と、映画スタジオ/ストリーミング事業の分離である。成長が鈍っているが、キャッシュフローはある放送分野に借金を押し付け、成長の可能性が高い映画とストリーミングの会社を作ることである。新しい会社は借金無しで、再スタート出来、株価は上昇するはずである。

WBDの2023年の売上は$413億で、前年の$338億から22.2%の増加があった。映画事業は2022年の$97億から25%アップの$122億に増え、ストリーミングは$73億から40%増えて$102億になった。放送は$193億から$212億へと10%増えただけであった。映画スタジオは$22億の収益があり、利益率は18%である。ストリーミングは昨年に黒字化になったが、$1億の収益を上げただけある。放送の収益は前年から4%しか増えなかったが、$91億で、利益率は43%ある。


Warner Bros. Discovery

WarnerMediaとDiscoveryの合併に関しては当初から疑問視するアナリストもいた。WarnerMediaには映画スタジオ、有料チャンネルのHBO、それにTBS、TNT、CNN等のTurner Broadcasting系の多チャンネル向けネットワークがある。ストリーミングサービスを提供する上、映画とHBOの番組の魅力が大きいが、Turner系ネットワークは地上波のような一般のTV番組が少ない。Discoveryとの合併はコンテンツ不足を埋めるためであったが、Discoveryのコンテンツはドキュメンタリー、ハウツー物で、ロングテール効果のあるドラマは無く、HBOとのシナジーは無い。MaxにはDiscoveryのコンテンツが含まれているが、視聴されているコンテンツの3分の1近くはHBOとMaxのオリジナルである。Parrot Analyticsによりと、Maxで視聴されているコンテンツの22%はHBOのコンテンツで、9%はオリジナルである。3位は8%のCartoon Network(Turner系)、4位は6%のAdult Swim(Turner系)で、Discovery系でのトップはDiscovery Channelで、4位のタイである。6位以下はDiscovery系のTLC(6%)、Food Network(4%)、HGTV(4%)となっている。

もし、分離した場合、状況は2005年のViacomとCBSと似ている。両者を持つNational Amusementは成長分野の映画(Paramount)とケーブルTV向けネットワークをViacom分離し、オールドメディアの地上波(CBS)、出版(Simon & Schuster)、それにパーク事業(Paramount Parks)をCBS Corporationにすることで、Viacomの株価を上げたが、結局は2019年に再度合併している。