CBSはインターネットを使い、24時間ニュースチャンネルを提供する事を検討している。CBSの競合のFox、NBCUは多チャンネルで24時間のニュース専門チャンネル(Fox News、Fox Business、MSNBC、CNBC)を持っており、成功をしている。CBSはこの対抗にCNN、あるいはBloomberg TVの買収、あるいはパートナーシップの交渉をしてきたが、まとまっていない。ABCも24時間ニュースチャンネルを持っていないが、Yahoo!と協力し、インターネット上のニュースポータルでは大手の1つになっている。CBSもABCと同様に配信パートナーを使う事で、交渉を進めているが、独自のポータルを持つ可能性もある。
Comcastの次世代配信インフラ
Comcastの次世代プラットフォームはXculiburのコード名で開発、テストされて来た。そのSTB、UIはX1、他のXシリーズで市場化されているが、マルチスクリーン、クラウドDVR等を可能にする配信インフラに関しては殆ど情報は公開されていなかった。Comcastは最近、VIPERと呼ばれる配信インフラに付いて明らかにし始めた。VIPERはQAMとIPのハイブリッドシステムのIP部分の配信インフラである。VIPERの1つの要素は加入者宅に安定したIPビデオの配信を可能にする事で、ケーブルモデムで提供されているベストエフォートの配信ではなく、サービス保証が出来る回線を別途提供する。Comcastは配信網をVIPER対応とすると共に、ソフトウェアサイドもマネージド・ビデオ対応にして行き、12~18ヶ月で移行を進めていく。すでに、タブレット向けのXfinityアプリはVIPER対応になっている。
VIPERはVODをIPで配信、あるいはクラウドDVRを提供していくのに必要であるが、STBだけでなく、マルチデバイスに対応し、さらにコンテンツによっては屋外でも利用を可能にする必要がある。その為、VIPERはアダプティブ・ビット・レートを使っており、回線の状態により画質をダイナミックに変えている事で、様々なネットワークの環境に対応する。また、デバイスが求めるフォーマットへの変換はリアルタイムで行われる。ComcastはJust-In-Time-Packaging(JITP)と呼んでおり、デバイス、それにネットワークに合わせ、最適なフォーマットへのエンコーディングをリアルタイムで行う。
ComcastはそのXfinity TVアプリで35の多チャンネルネットワークの視聴を可能にする。Time Warner Cable、Cablevision、Verizon等もタブレット等から多チャンネルネットワークを視聴可能にしているが、殆どのチャンネルは加入者宅内に限られている。Comcastの新しいXfinity TVアプリでは、CNN、Disney Channel、ESPN、Fox News、Fox Sports、MSNBC、NBC Sports、National Geographic等のチャンネルを屋外でも視聴可能にする。ComcastのXfinity TVのアプリは、Comcastへの加入の認証が必要なTV Everywhereアプリであるが、その他TV Samplerと呼ばれるアプリも最近公開している。TV Sampleは無料で、NBC、BBC America等のネットワークの番組を配信している。TV Samplerの利用にはComcastのサービスへの加入は不要であり、Comcastを宣伝する事を目的にしている。
HBOがOTTで配信
有料チャンネルのHBOはNetflixとは異なり、多チャンネルネットワーク上でのサービスである事を強調し、オーバー・ザ・トップでは提供しないと語っていた。HBOはインターネットでの配信(HGO Go)を提供しているが、これはTV Everywhereであり、多チャンネルサービスでHBOに加入していないと使えない。しかし、Comcastが最近発表した「Internet Plus」サービスでは、多チャンネルサービスでHBOに加入する事無く、HBOの視聴が可能になっている。
Comcastがテストサービスとして開始する「Internet Plus」は25 Mbpsのブロードバンドに加え、ローカルTV局の再配信、HBO、ComcastのインターネットVODのStreampixが利用可能になる。Internet Plusの月額は$70程度で、最初の1年は$40で提供される予定。ブロードバンドでケーブルTVのコンテンツを配信するサービスはCoxがオレンジ郡で行っていたが、9月に突然中止された。
HBOはまた、その番組をGoogle Playで売り始めた。HBOの番組は1話$3、あるいは1シーズン$30で販売されている。
TVEの普及状況
インターネットで配信するテレビ番組を、多チャンネルサービスの加入者だけに公開するTV Everywhere(TVE)の普及状況はネットワークにより様々である。最も進んでいるのは有料チャンネルのEpixとHBOである。EpixはParamount、MGM、Lionsgateの3スタジオが2009年に共同でスタートさせた有料ネットワークで、最初の時点から多チャンネルサービスでEpixチャンネルに加入者している人だけにインターネットでも番組を配信する事が計画であった。EpixはTVEに関しては先進的であるが、放送と同時の再配信はまだ行っていない。TVEのコンセプトを提案したTime Warnerの子会社のHBOも当然、TVEには積極的であり、HBOが放送されているほぼ全部の事業者とTVE契約を結んでいる。HBOに競合するShowtimeは、オンデマンドだけでなく、放送との同時配信を始めているが、まだすべての主要事業者との契約は無い。
有料チャンネル以外では、もっともTVEに積極的な会社は、ComcastのNBCUniversalである。NBCUniversalは全部で、18のネットワークを持っており、その内15がTVEを提供し、5つは同時配信も行っている。2位はTime Warnerで、9つチャンネルでTVEを行っている。逆に、まったくTVEを支持していないネットワークもある。Discovery Channel、TLC、Science等のネットワークを持つDiscovery Communicationsは、その番組をNetflix、Amazon等に提供しているが、まったくTVEを行っていない。
AT&T Uverseのライブストリーミング
Verizonに続き、AT&T Uverseもその多チャンネルサービスで提供しているチャンネルの一部を加入者の宅外でもタブレット等から視聴可能にした。AT&T Uverseは現在、110程度のチャンネルを加入者宅内でタブレット等から見ることが出来るようにしているが、その内約20のチャンネルを宅外からでもアクセス可能にした。Cablevision、Time Warner Cableも同様なサービスを開始している。AT&T Uverseは、BBC America、Epix、NFL Network、Tennis Channel、それにScripps Network系のチャンネルを加入者宅外からも視聴可能にしている。コンテンツ事業者のDisney、それにTurner Broadcasting(Time Warner)はタブレットアプリで、そのチャンネルをTV Everywhereとして視聴可能にしているが、自社のアプリ専用であり、AT&T、Time Warner Cable等のライブストリーミングにはアクセスを提供していない。
