Diamond Sportsは再建可能か

地域スポーツネットワーク(RSN)のBally Sportsを運営するDiamond SportsはAmazonからの$1.15億の投資で会社を再建しようとしているが、Major Baseball League(MLB)は2025年には独自のストリーミング・サービスを開始し、RSNとの契約は2025年からは更新しない考えを発表した。MLBのコミッショナー、マンフレッド氏によると、約半数の球団の支持があり、全球団からの支持は不可能ではない。Diamond SportsはBally Sportsのサービス地域にあるMLB、NBA、NHLのチームの2024年の放送権は得ている。しかし、NBAは2025年にはNFLのSunday Ticketsのようなリーグでのストリーミング・サービスの開始を予定しており、MLBもこれに続くと、Diamond Sportsの存在価値は2024年シーズンで終わることになる。

放送局所有会社のSinclairは2019年に元Foxの21のRSNをDisneyから$96億で購入した。RSNはDisneyが買収したFox資産の一部だが、同社はスポーツ・ネットワークのESPNを持つことから、司法省はFox資産を買う条件として、RSNの売却を命じた。放送局を持つSinclairとして地域スポーツ・ネットワークを持つことはメリットがある。Sinclairはスポーツ関連の地上波向けネットワークのStadiumを持ち、シナジーもあるように見えた。

しかし、タイミング的には最悪の結果となった。コードカッティングが進むことで多チャンネルサービス事業者はRSNの高価な再送信料に不満を持ち、RSNとの契約の更新をしない事業者が増え、収入が減る。そして、Covid-19によりスポーツが中止になる、あるいは無観客試合となり、ファンが遠ざかる。SinclairがRSNの運営の為に設立したDiamond Sportsは10年間のネーミング権をBally’sに売るが、RSN購入時の負債返済が不可能になる。

さらに、SinclairとDiamond Sportsの仲違いが問題を悪化させた。Sinclairは2021年にはRSN買収は失敗であったことに気づいていた。RSNからの収入が減るだけでなく、大学のスポーツがメインであるのStadiumとのシナジーも殆どなかった(Sinclairは2023年にStadiumを売却した)。しかし、Sinclairは失敗を認め、新たな策を考えるのではなく、Diamond Sportsをスピンオフし、自社の帳簿から消すことを選んだ。2022年8月にDiamond Sportsを別会社にする。Sinclairのサポートも失い、Diamond Sportsはリーグへの支払いも出来なくなり、2023年3月に会社更生法の適用を受ける。その時点で、Diamond SportsはSinclairから派遣されていた社長を追い出し、Diamond SportsはSinclairから独立した動きをし始る。そして、Diamond SportsはSinclairが$15億の負債を押し付け、さらに不当に高価な年間$1億の管理費を要求したことが破綻の原因だとして、Sinclairを提訴した。

Diamond Sportsの再建を巡る裁判はリーグを含めた負債者との協議だけでなく、親会社のSinclairに対する訴訟も絡み、乱戦状態になっていたが、Amazonの$1.15億の投資案により解決方向が見え始めた。しかし、MLBとNBAのRSNに対するコミットメントは短期のようであり、2025年以後の見通しはなく、負債者が再建に賛成しない可能性もある。