Disney、WBD、Foxのスポーツ配信JV

Disney、Warner Bros. Discovery、Foxの3社はスポーツ試合をストリーミングするためのJVの設立を発表した。現在、3社が多チャンネル向けのネットワークで放送している試合とスポーツ関連番組をストリーミングする。DisneyのESPN+のように多チャンネルサービスでは放送されていない試合を配信するのではなく、テレビ放送される試合を同時配信する。これにより、多チャンネルサービスに加入することなく、スポーツ試合を見ることが可能になる。

DisneyはESPN系のチャンネルで放送している試合をストリーミングするDirect-to-Consumer版のサービスを秋にローンチする予定だが、このサービスはこれにWBDとFoxが放送権を持つ試合を加えたものになる。WBDはMAXの有料オプションとして、スポーツ専門のBleacher Reportを$10で3月から開始予定であったが、正式ローンチは延期になっており、現在はMAXの無料オプションとして提供されている。

3社のJVにはDisneyのABC、ESPN、ESPN2等のESPN系ネットワーク、大学スポーツのSEC Network、ACC Network、 WBDのTNT、TBS、それにFoxのFox、Fox Sports 1、Fox Sports、Big Ten Networkで放送されている試合を配信する。3社で殆どのMLBの試合(日曜の朝の試合はNBCUniversal、金曜はApple TV+が権利を持つ)、NBA、それにNHLの試合の権利を持つ。しかし、NFLの試合権利はDisney、Fox、NBCU、Paramount Global、それにAmazonの5社が持っており、3社のJVがすべてのメージャーなスポーツをカバーしている訳では無い。

サービスの価格は発表されていない。多チャンネル事業者との再送信料はDisneyのスポーツ向けネットワークが合計で$13、WBDがスポーツの放送に使っているTBSとTNTは$4.50、Foxのスポーツ系チャンネルは$8で、合計は$25.50になる。しかし、$25の価格ではサービスは赤字になる。多チャンネル向けネットワークの再送信料は加入者全員が払い、スポーツを見ない世帯からも収入がある。DTCで提供した場合の料金は$40程度になると推定されている。多チャンネルサービスの月額はケーブルTVが$100前後、vMVPDのYouTube TVが$72で、それよりも安いが、スポーツ以外のコンテンツは無く、NBCUniversalとCBSが権利を持つ試合も含まれない。このサービスは多チャンネルサービスの加入者を奪う可能性があるが、スポーツ以外のチャンネルも見ているのであれば、多チャンネルサービスに加入していた方が便利であり、サービスは多チャンネルサービスには加入していないが、スポーツを見たい人にアピールする。

スポーツが多チャンネルサービスでしか見られない限り、スポーツ視聴者は減り、ネットワークは放送権利料を払えなくなっていく。リーグ側は新しい(イコール、若い)ファンを求めており、ストリーミングでの配信を望んでいる。Amazonに移行したことで、NFLの木曜日の試合視聴者数は減ったが、年齢が若くなったことでNFLは満足をしている。ネットワークが放送を主体にしていると、リーグ側はAmazon、Apple等との契約を増やし、ネットワークは権利を失っていくことになる。

しかし、このサービスに対しては多チャンネルサービス事業者、リーグ、それに消費者から懸念の声が出ている。多チャンネルサービス事業者へは競合になる可能性がある。特にスポーツに特化しているvMVPDのFubo TVは猛反対をしており、独占禁止法で3社を訴えた。3社が協力することで、他の事業者を排除する可能性があり、この訴訟がなくても、司法省の許可が必要になるであろう。