Aereoはカムバック出来るのか?

そのサービスは非合法と最高裁より判定されたAereoはサービスを中断しているが、生き残る方法を模索している。1つは、地上波局と契約し、再配信を行う方法である。最高裁は、Aereoの事業はケーブルTVに類似してと述べている。Aereo(それに同様なサービスを提供してきたFilmOn)は、ケーブルTV事業者であれば、地上波局には再送信契約の交渉をする義務があると語っている。最高裁はAereoのサービスはケーブルTVに似ているとは言ったが、ケーブルTVだと断言した訳ではない。通信法上のケーブルTVの定義は「閉鎖されたネットワーク」を使ったビデオサービスであり、裁判所は過去にインターネットビデオはケーブルTVではないと判定をしている。Aereoが同社はケーブルTV事業者と定義されたとのコメントに対して、Copyright Office(米著作権局)は著作権法上、インターネットでの地上波放送の再配信とFCCの規制化にあるケーブルTVでの再配信とは異なる、最高裁の今回の決定はこれを覆していないと発表している。

再送信の交渉に応じる義務があったとしても、Aereoが合意出来る契約内容になる事は保証されない。ケーブルTV事業者には地元の放送局の再送信を行う義務(Must Carry)がある。この規制内で行われる再配信に対して、局は報酬を求める事は出来ない。しかし、地上波局にはMust Carryの対象にならない事を指定する権利がある。主要な局はすべてMust Carryの対象から外れており、契約金無しでの再配信は出来ない。

Aereoが地上波を再配信する事を望むのであれば、多チャンネル事業者と同様にDisney、NBCUniversal、CBS、Fox等の大手コンテンツ会社が持つ放送局、あるいはその加盟局と契約して行く必要がある。AereoのオーナーのBarry DillerはFoxのCEOであった人物で、その事は知っているからこそ、AereoはケーブルTV事業者ではないので、地上波局との契約は不要と主張して来た。

もしも、Aereoが4大ネットワークとその加盟局と交渉をした場合、どの程度の契約金額になるか? ケーブルTV事業者が現在、地上波再送信に払っている金額は1加入者あたり、月8ドル程度と推定される。これまでのAereoのサービス料金は月$8なので、この金額で契約出来たとしても月額$16のサービスになる。他の、地上波局とも契約をすれば、ケーブルTVの地上波再送信が主体のベーシックサービスと同じ程度の金額になる。DVR機能があるとしても、価値はあるのか。さらに、Aereoは地上波チャンネルだけで契約出来る可能性は少ない。地上波ネットワークは同じ系列の多チャンネルネットワークとパッケージで契約されている。DisneyからABCの再配信権を得るにはESPN、Disney Channelを省けない。結局は、AereoはケーブルTV事業者であれば、ケーブルTV事業者と同じ契約をすることになり、同じ程度の料金のサービスになってしまう。

Aereoの弁護士は、最高裁の判定は「リアルタイムに近い配信」に対してあり、一度録画しオンデマンドで配信するコンテンツは含まれていないので、オンデマンドでの配信だけは合法的に提供する可能性もあると語っている。しかし、その様な理論が通る可能性は無い。
Aereoがカムバック出来るかはコンシューマの支持で決まる。視聴者がAereoの様なサービスをを求めているであれば、地上波ネットワークはAereoと契約する。Aereoを求めているコンシューマが多く、Aereoの再送信により視聴者が増え、広告収入が増え、さらに再送信料が入るのであれば、契約を嫌がるはずはない。だが、裁判の資料によるとAereoの加入者数は10都市で、77596人でしか無い。一番先にサービスを始め、人口も多いニューヨーク市でも27,000人である。サービスの将来が分からないと言っても、月額$8であり、膨大なリスクではない。先進的なニューヨーク市で27,000人しか加入していないのでは、ビジネスにはなり得ない