ネット中立性規制は違法

ワシントンDC控訴裁判所は、FCCが2011年に通過させたインターネット中立性規制は無効だと判断した。FCCはブロードバンド事業者が特定の事業者、あるいはアプリケーションのトラフィックを優先(あるいは後回し)する事を禁止する規制を作ったが、Verizonはその合法性に対する訴訟を起こしていた。法廷は、FCCはブロードバンド事業者を「通信サービス」ではなく、「情報サービス」として定義しているためサービスを平等化させる規制の対象には出来ないと判断した。これにより、例えばVerizonは自社が提供しているストリーミングビデオサービスのRedbox Instantを優先し、Netflixのトラフィックを後回しにする事が出来るようになる。また、2009年にComcastが行ったように特定のアプリケーション(BitTorrent)を使えないようにする事も可能である。しかし、Comcastの場合、特定の事業者のサービスを優先する事はNBCUniversalを買収した際の条件として受けているので、インターネット中立性規制が廃止になっても、2017年までは差別をする事は出来ない。

ネットワーク中立性規制が無くなる事で、ブロードバンド事業者と、コンテンツ事業者、それに配信サービス事業者のパートナー契約が増えると思われる。例えば、Netflixはそのトラフィックを優先させるためにブロードバンド事業者(ISP)と契約をして行くであろう。Netflixとの契約をしていないISPからNetflixが見られなくなることは無いが、高画質では無くなるかも知れない。ISPに取り、その回線で金儲けをしているNetflix等から収入を得る事が可能になる。Disney、Fox等の大手コンテンツ事業者、それにNetflix、Amazon、Apple、Google等の大手サービス事業者は高画質での配信をする為にはISPと契約をする必要が出るが、一部のISPを優先した契約により、新たな収入の機会を作り出す可能性もある。ネットワーク中立性規制が無くなる事で、損をするのは消費者と新興のサービス事業者である。Netflix、Amazon等が主要ISPと優先接続の契約をして行くことで、彼らに競合するサービスを作り出すことはさらに困難となる。

FCCのWheeler委員長は、通信事業者寄りとして知られているが、ネットワーク中立性規制を諦めはしないと発言している。FCCは今回の判定を控訴する以外、ブロードバンド事業者を「通信サービス」として再定義する方法もある。