一台のDVRに録画した番組を別の部屋にあるTVで視聴することを可能にするマルチルームDVR(あるいはホールハウスDVR)は2005年頃に登場し始めた。2005年1月にはTime Warner CableがCisco(当時S-A)の製品を使った市場テストを発表し、BendBroadband(オレゴン州)、Sunflower Broadband(カンザス州)はその4月にDigeoのマルチルームDVRの採用を開始した。同年にDBS事業者のDISHもマルチルームDVRの提供を始めた。
当時のマルチルームは伝送にRFを使った物であったため、HDには対応出来なかった。多チャンネルサービスの事業者はHD化に熱心になり始め、HDに対応出来ないマルチルームDVRでは無く、HD対応のDVRの導入に力を入れ、マルチルームDVRはポピュラーにならなかった。唯一、DISHが1台のSTB(DVR)で2つの部屋のTVに番組を配信する方法としてアナログRFベースの製品を採用し続けた。
IPを伝送に使う、マルチルームDVRの登場で、やっとマルチルームDVRは普及を見せ始めた。先月号で書いたように、今年のNational Cable Telecommunications Association主催のCable ShowではMotorola、Cisco共に伝送にIPを使う、HD対応のマルチルームDVRを発表し、また、TWC、Cox、Brighthouse等の事業者がその採用を明らかにした。AT&T、Verizonは共にすでにマルチルームDVRを導入している。AT&T、Verizon共にマルチルームDVRは利用者の満足度が高く、チャーン防止の重要な機能になっていると語っている。Verizonによると、そのFiOS加入世帯の25%はHome Media DVRと呼ばれるマルチルームDVRを導入している。FiOS TVはHome Media DVRを月額$19.99で提供している。これは、通常のDVRのレンタルより、$4高い。
STBベンダーが製品を発表しているだけでなく、関連ベンダーもマルチルームDVRに関わる製品を相次いで発表している。Macrovision SolutionsはそのEPG製品のPassport Echo 3.5とI-Guide A28にマルチルームDVRをサポートする機能が盛り込まれる事を発表してる。共に、MotorolaのDCXが対象で、今年の第4四半期に出荷される予定。どちらのEPGも2つのHD番組を録画し、同時に3つのHDストリームをMoCAネットワーク上で配信することに対応している。
また、BroadcomはSTB、その他の製品用のMoCA対応ホームネットワークのレファレンスデザインを発表した。このレファレンスデザインはマルチルームDVR、他のメディア共用機能を提供する。
