高騰しているスポーツ契約金額

スポーツ試合の配信権は2010年台初めにNBCSports、FOX Sports等、DisneyのESPNに対抗するスポーツ専門チャンネルが登場し、契約の奪い合いになることで権利料が大きくと増えた。2010年後半には権利料は落ち着き初めたが、再度、高騰し始めている。Variety Intelligence Platform(VIP+)によると、2015年では$153億であった年間のスポーツの放送/ストリーミング契約料は2021年では$198億になり、2026年には$292億と、2015年から倍増する。

新たな高騰の理由はストリーミング配信の普及である。以前の契約内容は放送権が主で、ストリーミング権はおまけであったのが、ストリーミングでのスポーツ試合の視聴が増え、ストリーミングに対する権利料も支払う必要が出た。さらに、定期的にSVODサービスを解約する「サービス・ホッピング」を減らすためにスポーツには関心を持っていなかったNetflix等のSVOD事業者もスポーツ権利を求め始めて、競争が増している。


VIP+

Amazon Videoは先シーズンからNFLの金曜日の試合の独占配信権を得ている。Apple TV+は今年からMLBの金曜夜の2試合を独占で配信する権利を得、新たにアメリカのプロサッカーリーグのMajor League Soccer(MLS)と10年契約をした。次期(2023年2月開始)からのMLSの全試合、リーグカップ、それにマイナーリーグのMLS NEXT ProとユースのMLS NEXTの一部の試合をApple TV+で放送する。MLSとリーグカップの試合は英語とスペイン語の解説があり、カナダのチームの試合にはフランス語の解説も加わる。また、MLSのシーズンチケット購入者も無料で試合をストリーミングすることが出来る。

Paramount Globalはインドのクリケット・リーグのIndian Premier League(IPL)の2023年から27年までのストリーミング配信権利を得た。これまでのテレビ放送とストリーミングの権利はDisneyが持ち、Disney+(Hotstar)のインドでの成功はIPLの配信があったからである。2023年にはParamount+のインドでの加入者が大きくと増えると予想される。IPLのテレビでの放送権は引き続きDisneyが持つ。


Business Standard、Times of India、VIP+

2023年からのF1シーズンの権利も奪い合いになっている。現在権利を持つESPNに加え、Comcast/NBCUniversal、Amazon、それにNetflixが争っていた。アメリカでのF1の人気は弱かったが、Netflixのドキュメンタリーの「Drive to Survive」のお陰で急速にファンが増えている。ESPNの現在の契約は3年で、$1500万(年$500万)と低い(ただし、独占権ではなく、F1自体もF1TVでの配信をしている)。F1の人気の向上、それに複数の会社が競争に加わったことで権利料は10から20倍に跳ね上がると推測されている。Sports Business JournalはESPNが引き続き権利を得たと報道している。ESPNはF1の配信権ではイギリスのSkyと手を組んでいる。Sports Business Journalによると、契約は3年で、1年分は$7500万から9000万になる。

残る大きなスポーツ配信の権利争いはNFLのSunday Ticketである。地上波で放送されない日曜の全試合の視聴が出来るSunday Ticketの権利はAT&Tが持つが、AT&TはDirecTVもWarnerMediaも手放しているので、更新はしない。NFLの2023年からの配信契約は決まっているが、Sunday Ticketの権利はまだである。多くの会社が関心を示しているが、Disney、Amazon、それにAppleが争っている。AT&Tの現在のSunday Ticketの権利料は年間$15億で、NFLは倍増を求めている。VIP+によると、アメリカでのスポーツの年間放送/ストリーミング権利料に占めるNFLのシェアは2022年の41%から2023年には48%に増える。