広告付きNetflixのインパクトは

Netflixは6月に広告付きのサービスを開始することを正式にした。どの程度の加入者がNetflixの広告付きプランを利用するのであろうか。最も長く広告付きと広告無しのSVODを提供しているHuluでは広告付きプランへの加入者は70%と報告されている。Disney+は広告付きサービスを開始した時点で、新規加入の70%は広告付きを選び、その後、既存加入者も広告付きに移行すると予想している。HBO Maxの広告付きプランには4Kでの配信がなく、ダウンロード視聴も不可能等の制限があるが、新規加入者の40%は広告付きを選んでいると発表されている。

Netflixの広告付きプランの詳細は不明だが、大幅に安いことは無いであろう。HBO Maxは広告付きが$10、広告無しが$15である。Huluのように広告付きが$7、広告無しが$13で、$6もの差は出せないであろう。Huluは広告付きでスタートし、後に広告無しプランを加えているので、状況が異なる。NetflixもHBO Max同等に$5の差になると広告付きは$10.50になる。

Netflixはすでに多くの加入者を持ち、新規加入少ないので50%が広告付きを選んだとしてもすぐには大きな比率にはならない。既存の加入者が広告付きプランに移行するには時間がかかるであろう。Netflixの現在の加入者数は約7500万人である。広告付きプランにより2023年の加入者が8000万に増え、全体の20%が広告付きになり、月間広告収入が$5とすると、広告収入は$9.6億になる。2024年には$14億程度で、Netflixの北米の売上の10%となる。大きな数字とは言えないが、潜在的には非常に大きなインパクトがある。Netflixの視聴者数は1アカウントに2.5人として、1.8億人になる。Huluのように広告付きプラン利用者が70%になると、1.3億人、人口の半分へのリーチを持つ。

リーチを持つだけでなく、視聴者の好みも把握しており、広告業界も大きな勢力になる可能性がある。しかし、それに至るにはNetflixが広告事業を理解する必要がある。Disney社は放送広告をよく知っており、Huluのノーハウもあり、広告主もDisneyへの信頼がある。Disney+での広告は3ヶ月程度でフルスピードになるであろう。それに対して、Netflixの広告のノーハウはゼロに等しい。広告付きサービスの開始までの十分なノーハウを得る必要がある。

人を雇い、ゼロからスタートする方法するには時間がかかりすぎる。素早い方法は買収である。CTV向け広告のプラットフォームとして、Hulu、YouTubeに続くRoku買収が噂されている。Rokuは元はNetflixから生まれたプロジェクトであり、CBSとViacomが再婚(正確には再再婚)したように一緒になる運命かも知れない。しかし、NetflixがRokuを切ったのはデバイス・インデペンデントのためであり、Rokuのデバイス事業は不要である。

もう1つはパートナーシップで、NBCUniversalとGoogleと会話をしていると報じられている。NBCUniversalは放送広告の現状に対して、不満があり、新しい視聴データの取り方、その解析に強い興味をもってる。当然、広告のノーハウもあるが、PeacockはまだNetflixを脅かす存在ではなく、お互いに惹きつけられる要因がある。Googleはインターネットのビデオの広告ではトップであるが、その広告プラットフォームをサービスをして外部に提供しようとしている。そのスタートとしてNetflixは素晴らしいプロジェクトになる。Netflixにとっても、Googleのノーハウを得ることが出来るのは大きなプラスである。しかし、2社は競合する部分も多く、長く続く関係になることはありえない。Netflixがどのような方法で広告事業に参入するは、今後に大きな影響力を持つ。