ヒスパニック系はアメリカの人口の18.5%を占める最大のマイノリティー・グループである(ブラックは13.4%)。Nielsenの2021年2月の統計では地上波のみのでテレビ視聴している世帯はヒスパニックが23%でもっとも高い。次はブラックで18%で、平均は10.8%である。ヒスパニックの多チャンネルサービスへの加入率は64.5%(既存多チャンネルサービスへの加入率が57.7%、vMVPDが6.8%)で、アジア系の63.8%(既存サービス55.4%、vMVPD8.4%)に続いてい低い。ヒスパニックにおけるインターネットのみでのテレビ視聴世帯は12.5%で、アジア系の21.2%に次ぐ2位である。インターネットのみのでテレビ世帯の世帯は2020年の11.9%から0.6%ポイント増えており、成長率ではもっとも高い。

Nielsen
ヒスパニック系のOTTビデオの視聴は他の人種/民族より増えているだけでなく、視聴には特徴がある。その1つはモバイル端末での視聴が多いことだ。アメリカではコネクテッドTVでのOTTビデオ視聴が大きく増えているが、Pentheraの「2021 Video Streaming Behaviors U.S. Latinos」(https://bit.ly/36sWp6m)によると、ヒスパニック系ではモバイル端末でのOTTビデオを視聴している人は86%であるのに対して、CTVは55%である。モバイル端末での視聴が多いのは外出先での視聴が多いからでは無い。OTTビデオの視聴場所としては、87%が家庭と答え、外出中の26%を大きく超えている。モバイル端末の利用が高いのはブロードバンドへの加入者が少なく、モバイル回線だけの世帯が多いためである。

Penthera
もう1つの特徴はAVOD、それに広告付きSVODが好まれていることで、46%はAVOD、16%は広告付きSVODをもっとも好むサービスだと答えている。SVOD以上にAVOD、広告付きSVODが好まれるのは世帯所得が低いためであり、ヒスパニックを狙うにはAVOD、それに広告付きSVODが重要になる。ヒスパニック向けの地上波ネットワークのUnivisionが発表したDTCサービスには無料版と広告付きSVOD版がある。もう1つのヒスパニック系地上波ネットワークのTelemundoはNBCUniversalが持っている。TelemundoのDTC化は行われていないが、Peacockにヒスパニック向けコンテンツがある。Peacockにはやはり、AVOD、広告付きSVOD、広告無しSVODの3つのサービス層がある。
