東京オリンピック視聴者は減少

NBCUniversalが放送/配信した東京オリンピックの開幕式の視聴者(放送とストリーミング合計)は約1700万人で、リオの2650万人から72%の減少であった。リオの開幕式自体もはロンドンの4070万人より35%の減少であった。放送とストリーミングの内訳は発表されていないが、NBCはストリーミングでの視聴者はリオより72%増え、視聴者あたりの視聴時間も21%増えたと発表しており、放送での視聴が大きくと減少したようである。

東京との時差の影響により視聴者は減ることが予期されていた。また、放送視聴者自体が減っており、放送での視聴者が減ることも想定内であった。しかし、予想以上の減少であり、それはNBCUniversalのストリーミング移行が不完全であったことも原因している。

NBCUniversalはロンドンの時から開幕式を含め、全試合をストリーミングで配信している。TV Everywhereでの配信であるので、視聴出来るのは多チャンネルサービス加入者に限られる。問題は、2016年末での多チャンネルサービス加入者数は9936万世帯であったのが、2020年末では8731万世帯へと12%減っていることである。ストリーミング利用者は増えているが、ストリーミングでオリンピックを見ることが出来る世帯は12%も減っていることになる。

NBCUniversalはPeacockをオリンピックをストリーミングで見る場所と宣伝していた。しかし、蓋を開けると試合を見ることが試合を見ること出来るのは有料版の加入者だけであり、無料版ではハイライトしか見ることが出来ない。さらに有料版でも全試合の配信はなく、限られた(偏った)試合の配信である。さらに、ネットワークで放送されている試合の同時配信はなく、24時間から48時間後のオンデマンドになっている。結局、2016年の時と同じにストリーミングで試合を見るのには多チャンネルサービスへの加入が必要であった。

NBCUniversalがPeacockでの配信に完全にコミットすることが出来ず、TV Everywhereを使い続けたのは広告が理由であろう。TV Everywhereでの同時配信では放送と同じ広告が流れるが、Peacockでは異なる。放送と同じ試合をPeacockで配信すれば、地上波のNBC、多チャンネルのNBC Sports、NBC Olympics、USA等での視聴者が減り、放送広告のスポンサーを怒らせることになる。Peacockで十分な広告収入があればNBCUniversalの減収にはならないが、Peacockはまだその規模にはなっていない。

しかし、広告収入が減ってでもNBCUniversalはPeacockでの配信に力を入れ、Peacockの利用者を増やすべきであった。Peacockのアプリのダウンロードは開催前に60%もの増加があり、期待は高かく、これがPeacockの利用を増やす良い機会であった。しかし、Peacockで配信する試合を限定したことで、逆に利用者に不満を与える結果になっている。広告収入は$12.5億で、リオの$12億よりも増えている。