アメリカではスポーツコンテンツをストリーミングサービスとして提供することは進んで来なかった。DAZNも参入しているが、格闘競技が主体である。DAZNが他の競技の配信を得られないのは、TVネットワークが買い占めているからである。スポーツは多チャンネルサービスで最も重要なコンテンツである。スポーツ専門チャンネルはDisneyのESPNだけでなく、NBC Sports、Fox Sports、CBS Sports等もある。また、スポーツ専門では無いが、Turner系チャンネルもバスケットボール等に力を入れている。
TVネットワークは全試合の放送権を得るが、全試合を放送することは出来ない。NBCは2018年はプレミアリーグの試合の全試合を多チャンネルサービス加入者向けに配信をした。重要な試合はNBC系のチャンネルで放送し、他の試合はストリーミングすることで、多チャンネル向けネットワークの価値を増す考えであった。しかし、多チャンネルサービス事業者との契約料を大きくと値上げすることは出来ない。広告収入も限られてた。
翌年からテレビで放送しない試合は年間パスとして有料化した。TurnerのBleacher Report Live、DisneyのESPN+等も同様で、テレビでは放送しない試合だけを有料でストリーミングしている。テレビ放送する試合はストリーミングしないことで、多チャンネルサービスには競合しなく、収入を増やす考えである。しかし、放送されないマイナーな試合を有料でも見たいほどのハードコアなファンは少ない。また、コードカッティングが進むことで、多チャンネルサービスで放送する試合の視聴者も減り始めている。
秋からNBCUniversalとViacomCBSはテレビでは放送しない試合をそれぞれのSVODサービスで配信する。NBCはプレミアリーグの380試合の内、175試合をPeacockの有料版でライブ配信し、他の試合はオンデマンドで配信する。Peacockはプレミアリーグの試合だけでなく、オリンピック/パラリンピック、ゴルフ、NFLのワイルドカードの試合等もPeacockで配信する。ViacomCBSはUEFAチャンピオンズリーグの配信権を得て、一部の試合はCBS系チャンネルが放送し、全試合をCBS All Accessでストリーミングする。
どちらもスポーツ専用のサービスを作るのではなく、SVODサービスに加えることで、Netflixには無い魅力を持たせると共に、コードカッティングをしたスポーツファンも引きつけようとしている。一般的なSVODサービスにスポーツを加えるには新しい動きである。サッカーはメージャーではないが、ファンは増えており、またファンの年齢も若いので、これがうまくいくのかをテストするには適している。
